表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
5章 学校と転生した少女
92/136

87話 半魔族と王女と学園の人々

長くなってしまった! 申し訳ない!

 私はこの場にいる大多数の人から見られていた。


 何で知っているのだろうか。私はこっちに来てからは、オルドさんとセリカさんくらいしか知らないはず。しかも絶好のタイミングで、狙っていたのだろうか。

 視線は突き刺さるように、一部は信じられないという感情と共に困惑して見ている。凄くその視線が痛くて……怖かった。


「……」


 ケルトさんは黙って自分の手を握りしめていた。すると今まで黙っていた女神が喋りだした。


――彼女……もしかして、あの女神が転生させた人じゃ――


『女神情報が遅すぎ、私達に居ないと言ったじゃない……どういうこと?』


――だから言ったじゃないですか、私は居ないとしか言えませんよ。と――


『なるほど、女神がした転生は私だけということね』


――でも、おかしいですね~マリアさんの情報は女神でも秘匿情報ですし、鑑定にも引っかからないはずですけど――


『そんなものあったんだ』


 ケルトさんは黙って私達の会話を聞いていた。止まっていた時は数分にも及んだ。

 そして、貴族の誰かが言った。


「半魔族? ……もしかして魔族なの!?」


「魔族……! に、逃げろ! 殺される!」


「なんで魔族が、学園に入り込んでいるのよ!?」


 その1言で会場全体はパニックに陥った。その間に、ノームさんは逃げ出そうとするが3人組とオルドさんに「何処に行くつもりだ?」「ちょっと面かせや」と端から見れば、ヤクザにしか見えないが。抑えてくれていた。

 そして、パニックに陥っている時。ある1人の女性の声が聞こえた。


「静まりなさい!」


 それは、王妃様でも無く。国王様でも、他の貴族でも無かった……声をあげたのはエンカだった。

 その1言で、パニックに陥っていた会場は瞬く間に静けさを取り戻した。会場全体を包み込んでいた、怒気や悲鳴は消え。誰もが次に発するエンカの言葉を待っていた。


――エンカさんだって成長してるんですよ、貴女が牢にとらわれていた時から――


『本当に? それなら私も嬉しいわ』


 暢気なことが喋れるまで回復した私は、女神と話す。

 次にエンカが発した言葉は。


「魔族……そうね、半魔族よ。それがどうしたっていうの?」


「魔族は恐ろしい存在よ! ましてやハーフなんて人の汚点だわ!」


 その声に対し、ノームが抗議する。魔族は忌々しく、恐ろしい存在だと、半魔族も同義だと。

 エンカはその事に対して、首を縦に振っていたが。その言葉を否定せずに……。


「貴女達は知らないでしょうけど、この子は一度も悪さをしたことが無いのよ」


「それを証明することは出来ない! どうせ、優しくした裏で良からぬ事考えている!」


 私はここに叫んでいけない自分を憎む、私が言った所でこの場を混乱させるだけだ。エンカに任せるしか無いのかと手に力入れると、ケルトさんとは逆側から手を握られていた。

 そこには、ナタリアさんとテオドールさんが居た、手を握ってくれたのはナタリアさんだった。


「大丈夫、私達は知っているもの。貴女がこれまで……いえ、この学園でやっていた事を」


「ナタリアさん……」


「僕も知ってますよ、馬車から落とされ。家宝を売られ、万引きをした僕を庇い代わりに払ってくれたこと」


「それは、当然の事で……」


 私は途中で言いかけると、テオドールさんは首を振ると「少なくともあの場で助けてくれる人はいません、ましてやお金を払ってくれる人なんて」と言った。

 そしてテオドールさんは続けた。


「あの時助けてくれなければ、僕は罪人になって……更にはここに立つことが出来なかったでしょう」


「そんな大げさですよ」


「大げさじゃありません、罪人は一生、その言葉と共に罪を背負わないといけませんから」


 そうなんだ……でも、私にとっては当然の事よ、どんなに礼を言われても前世からやっていた事だから。

 そんな話をしていると、エンカは続ける。


「貴方方は……新入生の方は学園に来てから、誰の作った料理で生活してきましたか?」


「な、どういうことよ!」


「屋敷から通っている人は知らないかもしれないわ、朝起きてきた時、誰が何を作っていますか?」


 貴族達は黙っていた、ノームが情けない声をあげているのは、本当に知らないからだと思う。

 私は最初の方の2日間を除けば、朝や放課後の食事を作っていた……それを知らない寮生は居ないだろう、平民や貴族問わず。


「マリアさんじゃないですか? 2年生の方はそれが如何に大変なのは知っているでしょう。料理をして、ましてや人数分を作る。そんな事が貴方方に出来ますか?」


「……」


 息を飲む音が聞こえる。エンカの一言一言は全て寮生の胸に突き刺さっているだろう。

 そして、口止めされている内容までもエンカは言った。


「テオドールさんは、馬車から投げ飛ばされ。家宝を売られました……誰が助けたと思いますか? マリアさんです」


 テオドールさんが店から逃げてる姿を思い出す。あの時はぶつかりそうになった人が、困った様子だったから話してみようという事から始まったもんね。


「カルネルさんが学校に遅刻しました。その真実は、魔法による原因でした……朝、カルネルさんが居ないと思って、行動を起こした者はいますか? 助けた人それは、オルドさんとマリアさん達です」


 あの時は、丁度情報を整理してる時にカルネルさんの名前があがって、オルドさんが聞いた情報を元に動いた結果だったっけ。

 たどり着いた時には危ない状況だったし、助かって良かったと思ったわ。


「これでも、この子が忌々しい、恐ろしい子だと思いますか? 貴方方の胸に聞いてみてください!」


「戯言よ! 作り話に決っているわ、金属店で奪った物なんて適当な物なんじゃないの? 魔物に襲われたってよくある事じゃない!」


「貴女……私、金属店とも魔物に襲われたとも1言も言ってないわ」


 ノームは「あ」という言葉を出していた。自分から暴露しちゃったら、元も子もないよね……焦っていただろうし、しょうが無いとは思うけど、隠し通さなきゃどうしよもない。


「この方と私どちらが、信用に足るか分かりますよね……何故こんな事が起きているのか、誰が仕組んだことなのかを」


「嘘……よ、私はまだ生きなきゃならないのに……」


 ノームは力無く膝を折り、尻もちを着いた。その前にある人物が立ちふさがった。


「僕は、気づいていた。そんな彼女でも、掛け替えのない心からの笑顔がある事を知っていた」


「メオドール様……」


「僕はどうしよもない馬鹿な人だ。でも、ノームと出会ってからは変わろうとした。彼女の本当の笑顔が見たかったから」


 なんだろう、この雰囲気綺麗に収まりそうだけど……他の人達が許すかな~私も助力したいけど……。

 でも、彼女達の事全然知らないからな~、このまま退学や会えなくなるのは寂しいし。

 私はメオドールさんとノームの元へ歩み寄った。


「マリアさん……」


「僕達を笑いに来たのか! どうせ僕達には後は無い! 笑えばいいだろう!」


 泣きそうなノームを見て、メオドールさんが抗議する。だけど、私はどうしても言いたいこととやりたいことがあった。


「ごめん……なさい」


パシンッ!


 という音は、会場中に広がった。誰がやったのかと言えば、私だ。

 数少ない転生者を失いたくはないし、仲良くなろうと思った。だからこそ、私は彼女の頬を平手打ちした。


「これで、許すわ」


「どう……して?」


「これ以上のが欲しいの? 私は感謝してるのよ、半魔族だという事を隠していた。それを言えずにずっと心のなかで渦巻いたまま、苦しい感情でいたの」


 そう、私は何時か言おうと思っていた。だけど、言った時に避けられるのが怖かった……怖がられるのが怖かったのだ。

 こんな最悪な形だけど、私は良かったと思うし、だからノームに感謝をする。だって、胸の中がスッキリしたのだもの、感謝以外でも無いでしょ?

 平手打ちは……あれよ、これまで迷惑掛けた人の分よ。


「貴女はこれから大変な人生になると思うわ、でもここに来たんだから行けるわよね?」


「!」


 微笑みながら言った一言に彼女は、何かを思ったけど。私は、気にせず王妃様と国王様の元に行く。

 私は一礼して、無礼を承知で言った。


「彼女達が学園にいる間までは、大目に見てくれませんか?」


「ほぅ、それはどうしてか?」


「彼女達も変わろうとしています。もし、卒業まで変わらなかったら……見限ってくれてもいいです」


 国王様は顎に手を当て、唸っているが。王妃様は笑顔で「いいじゃないですか、あのメオドールがあそこまでするなんて初めてみましたわ」と言っていた。その言葉に、国王様も頷いて。


「そうじゃな」


「それでは……」


「今、ここで起こった出来事は自分の中に仕舞ってくれ! もし、不満があれば儂の所まで申してみよ! 学園は学びの場! 変化するのも普通じゃ!」


 国王様の甲高い声が聞こえた。王妃様もこの言葉に納得しているようだった。

 仕切り直しとばかりに、国王様が「トラブルがあったが、パーティを再開しようではないか!」と言った。

 それは難しいんじゃない? と思ったけど、みんなもそれでいいみたい。


 そうして、色々な事があって収まってパーティが再開されたのだけど……まだ解決していない2つを私達はするようだった。

次は、残り2つの解決というか……説教となだめる?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ