88話 魔物と2度目の説教
女神もそろそろ、名前で呼んだほうが分かりやすそうですね……。
私達は、パーティが再開され少し戸惑っている人達もいながら進んでいく。
私とメイド達が作った料理は運ばれ……勿論私が作ったのは内緒よ? メイド達が怒られちゃうもの。
婚約確定のパーティと共に、来た時の活気が戻った……が。
納得行っていない人物とやらないといけないことがある。
私は静かに、ノームに歩みより。
「メオドールさん、少し彼女を貸してもらっていいですか?」
「なっ! 人を物扱いみたいに!」
「いいよ、話をしたいのだろう?」
ノームは講義したけど、私はメオドールさんの了承も貰ったので。引きずっていく……重いとは言わないけど、自分の足で歩いてくれないかしら……。
会場の外に出ると。お爺ちゃんが居た。
「ほっほっほ、久しぶりじゃの」
「お久しぶりです、お連れしましたよ~」
「え? え? どういうことよ」
私は、罪人とは言わないけど、自分のやったことを理解してもらわないと行けないから……どうなるか、ちょっと怖いけどね。
お爺ちゃんは淡々と語りだした。
「お主、魔物を魅了して人間を襲わせようとしたじゃろ?」
「え、えぇ……」
「儂の部下じゃったんじゃよ、それを勝手に人を襲わせてはどうなるか分かるかの?」
中々理解出来ないノームにお爺ちゃんも溜息が漏れた。まぁ正直な話、誰もこんなお爺ちゃんが魔王なんて思わないからね~。
私が代わりに言おうと思って口を開けると、お爺ちゃんに手で静止された。
「……魔王って知っとるかの?」
「魔物の統べる王ですね……それが……」
「儂がそうじゃと言ったら……?」
あ、これは怖い奴……笑顔と共に、奥に怒気が見えるよ。ノームもビクッてなって、顔まで青くなってる……ご愁傷様ね、自業自得だし、しょうが無いわね。
このままだとヤバイし私は、助け舟だそうかしら。
「お爺ちゃんの言いたい事もわかります」
「そうじゃな、お主は一番知っておろう」
「ですが、殺す事は簡単ですけど、償う事が出来なくなりますので……」
お爺ちゃんに私が言うと「ほっほっほ、儂が何時殺すと言ったかの」ととぼける様に言った。いやいや、私にも来ましたよ、殺せるほどの殺気が……。
先程の殺気は無く、緩い笑顔でお爺ちゃんは言った。
「お主には、その魔術……かの? それを使って人を襲わせるのを禁止するだけじゃよ」
「は、はい~……」
「それにしても、元凶は知っておるのじゃろ?」
私の方を見て、お爺ちゃんは言った。ノームは「え?」と疑問符を浮かべているけど、私の時もそうだけど……あの女神は本当にどうしよもないわね。
そろそろ、女神が見つけてくるんじゃないかしら。
――マリアさん~、連れてきましたよ――
――は、離しなさい! 私が何をしたっていうの!?――
「あら、とぼけるつもり? 魅了の魔法を授けておいて、しかも転生者をほっといた女神が?」
「女神……様?」
「儂も一度見てみたいものじゃの……落とし前という意味での」
女神が、あの時説教を垂れた女神を連れてくると、私はそれに嫌味たらしく言う。
ノームはこの女神と喋った事無いのだろうか……お爺ちゃんは、殺気の篭った事を言ってるし。まぁ女神ならいいかな。
――し、知らないわよ! 私は悪くないわ!――
「なんてベタなセリフ……」
「女神様……あの時言ったじゃないですか、幸せになりたければ。ゲームの様にやりなさいと」
ノームの言葉で私は確信した。この女神、ゲーム感覚で彼女を誘導したわね……。本当にどうしようもないわ……。
明らかに私の女神も溜息ついているし……。元からこんな感じの女神なのかしら、私に付いたのがこんな女神じゃなくてよかったわ。
――悪戯バレて、説教されて引きこもって。回ってきた仕事を適当にやるなんて、クビにされても知らないですよ――
――うっ! だって、それでも上手く事が進みそうだったんだもん――
「顕現しなさい……今すぐに!」
私は、女神達の会話に入り込み怒鳴る、それでも女神は渋ってると、溜息と共に2人の女性が出てきた。
――この子は相変わらず、仕事しないですからね――
「お疲れ様、さてと……今すぐ、ノームさんに謝りなさい。今日はそれで許してあげるわ」
――ご、ごめんなさい――
意外と素直に謝ったわね。ノームさんは青く長い髪を揺らしながら、中学生くらいの女神に近づいた。
見た目と同じく、考え方も幼いのかしらね……でも絶対私より年上よね。
「これからは少しずつ、お話どうかしら?」
――ノームさん? いいの?――
「いいわよ、だって私はやりたいこと出来ずに死んじゃったし。動ける体になれて嬉しかったわ」
あれ? 口調が少し違うような……あんな喋り方は見栄を張りたかったのかな?
お爺ちゃんは静かだけど……静かなのが少し怖いです。
「友情は良き事じゃ……しかしのこれとそれとは違うのじゃよ?」
――!?――
「お嬢さんがお説教しないのであれば儂がするかの」
そう言って、お爺ちゃんは小さい女神を引きずって行った。ノームもこれには苦笑いしかできず……影が無くなる頃に「私達は、会場に戻りましょうか」と言った。
私は中に入ろうと歩き、女神は戻っていった。そして聞きたかった事を私は聞いた。
「今、幸せかしら?」
「えぇ……とても幸せよ」
ノームは笑顔で返してくれたので、私は笑顔でみんなの待つパーティ会場に入った。
次で5章終了となります! おまけをやってから。
6章入る予定ですよ!
次はこれからの話と国の行く末?




