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リィンの日記:霧刻暦3575年4月19日

 読みに来てくださり、ありがとうございます!

 本日で連続投稿六日目となります。

『霧刻暦3575年4月19日』


 エルの(今日、エルから名前呼びして欲しいと言われたのでエル)気分転換という西区画のお出掛け探索から始まった今日の出来事は、一言で言えば濃い一日で。何だか、色々なことがあった日だった――。

 結局のところ、当初の目的である西区画の《ニムル》研究地区もそれ程探索することが出来ず。挙げ句の果てにはセンセーが残した紙片(メモ)の場所へ行くも追い返される始末。

 折角エルが時間を割いてくれたのに、家主のイクティス・ヴェルベットさんには一目も会うことが叶わず、本当にエルには申し訳ないことをした一日だと(色々と怖い思いをさせたりとか)、この日記を書いていて今更ながらに思う。


 そして――


 あの青い、綺麗な何処までも透き通った《魔素(アニマ)》を凝縮したような青い瞳の人物――。今はもう、《霧刻(むこく)》の霧に隠され見ることの出来なくなった“夜”と同じ、漆黒の髪を持った中性的な顔立ちのおニイさん、だろうか。彼のことが酷く、気になった――。

 容姿のことだけじゃない。

 あの時オレは間違いなく、本気の速度でネーヴェの元まで駆けた。それをあの人は“視て”いたのだ。駆け出した瞬間気配に気付き、迫るオレのことをしっかりと視ていたのだ。

 自分を過大評価する訳ではないが、スピードにはそこそこの自信があるつもりだ。センセーにだって速さについては特に評価されていた。

 なのに、“視られて”いた。オレの今出せる最大速度で駆けるその姿を――。

 それなのにあの人は、シスターの暴力を無抵抗でその身に受けたのだ。避けることなど彼にとっては酷く、簡単なことだった筈なの――。

 彼とシスターとの間に何があったのかは、この地に来たばかりのオレにはまだ何も分からない。

 あの時、彼が何かをして打たれたのか、ただただ謂われのない暴力を振るわれたのかそれさえも――。

 ネーヴェと、メグおバアちゃんにもあの場で何があったのか、聞ける雰囲気ではなかった。

 それでも、あの青い瞳の彼にはどうしようもなく傷付いて欲しくない――。そう、オレは何も分からない中、酷く思った。

 この想いが自分の物なのか、何かを隠しているネーヴェの気持ちなのか今でも境い目が曖昧なところはあるが。でも、きっとこの想いはオレの物であり、ネーヴェの気持ちだとそう思うのだ。

 出来ることならネーヴェに彼との間に何があったのかを聞いてみたいと正直思う。あんな取り乱したネーヴェを見るのは後にも先にも、古い記憶の中にあるあの日の一度と、今日の古書店での出来事の二度だけだから――。

 しかし、きっと聞いてみてもネーヴェは答えてはくれないだろう。今も自分の中で荒れ狂う気持ちを必死に抑え込む為、心を閉ざしているのが感じられる。

 そんなネーヴェに、これ以上傷付くようなことなど出来ない。

 今はネーヴェから話してくれるのを待つだけだ。これでもおニイちゃんだからね。

 それにしても、はてさて。ネーヴェの様子次第にはなるけれど、明日はどうしたものか。

 暫くはあの《幽霊屋敷》には近付きたくはないし(オレとエルの為にも)、今日のことがあるので古書店には一度挨拶に伺わないといけないだろうか。


 あとは《神焔教会》、かな――。


 こっちも一度、様子見にちょっとばかり覗きに行ってみないと。エルのおニイさんの件もある。


 それに――


 今日の古書店での出来事で、あの青い瞳の彼についても知りたくたった。

 ネーヴェとの関係もだけれど、あの瞳と髪の色。あの色を持つ者は本来、誰一人としていない筈だから。


“唯一、この世界に《霧刻(むこく)》を解き放ったとされる《夜神》一人を除いて――”


 ……………………う〜ん。


 ネーヴェと二人、安寧の地を求めてやって来た筈の“遺跡都市(セーレム)”の地だけど、色々と問題というかやりたい事、知りたい事が増えていくなぁ〜。

 お金(リラ)も貯えていたのがまだあるにはあるけれど、無限にある訳でも湧いて出てくる訳でもない。

 良さそうな働き口が何かないか、これも要チェック。

 あとはまあなるようになる、かな。

 明日も頑張ろう。











 お読みいただきありがとうございました!

 それではまた明日! と言いたいところなのですが、ストック切れてしまい……(涙)。

 続きは書き上がり次第、随時更新となりますです(皆様のような執筆スピード、文章力、語彙力等が欲しいよ〜)。

 おそらく次話は来年? となりますので、来年も皆様よろしくお願いいたします!!

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