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お前が

「はぁ!? ふざけんなよ!何適当なこと言ってんだよ!」


 大樹の怒鳴り声で目が覚めた。

 エイヤが目を開ける。


「あれ……」


 身体を起こす。

 テーブルには、昨日食べた寿司の容器や空になったビールの缶が残っていた。


「あ……ジムか」


 どうやら、そのまま泊まってしまったみたいだ。


「全部あいつのせいなのに!」


 大樹がスマホを見ながら怒っている。


「ジムの物盗んで売ってたのは誰だよ!」

「兄貴……」

「あ、起きた?」

「朝からうるさいよ」

「これ見ろよ」

「もういいよ」

「コメントもめちゃくちゃだぞ」


 エイヤは布団から出た。

 黒和田は椅子に座ってスマホを触っている。

 大樹と田所が話していたみたいだ。

 大樹がスマホを見る。


「三熊の野郎……」


 エイヤも自分のスマホを手に取った。

 通知がたくさん届いている。


「うわ……」


 知らないアカウントからのメッセージ。

 その中に、水刀からのメッセージがあった。


『おはよう!起きてる?』

『今起きた』

『実は話したいことがあるんだけど公園来れる?』

『うん』


 エイヤは顔を洗って、ジムを出た。

 外はいつもと変わらなかった。

 車が走っている。

 犬を散歩させている人がいる。

 昨日あんなことがあったのに。

 何もなかったみたいだった。


 公園。

 水刀がブランコに座っていた。


「お待たせ」

「おう」


 エイヤも隣のブランコに座る。


「どうしたの?」

「三熊チャンネル見たよ」

「あー、あれ」


 エイヤが少し顔をしかめる。


「あれ嘘だから」

「知ってる」

「…………」

「俺、お前の近くで見てたじゃん」

「まあ、そうだけど」


 水刀が地面を蹴る。

 ブランコが少し揺れた。


「それでさ」

「うん」

「俺も言ってなかったことあるんだけど」

「何?」


 水刀がスマホを取り出す。


「逆エビの動画あるじゃん」

「ああバズってたやつ?」

「うん」

「実はあれ、アップしたの俺なんだよね」

「え?」


 エイヤが水刀を見る。


「お前が?」

「うん」

「撮ってたの?」

「試合の時ずっと撮ってた」

「なんでアップしたの?」

「試合、面白かったから」

「勝手に?」

「うん、ごめん」

「マジか……言って欲しかったわ」

「こんなことになると思わなくて」


 水刀が少し下を向く。


「ごめん」

「…………」

「別に怒ってないけど」

「本当?」

「うん」


 エイヤが少し笑った。

 少しだけブランコを揺らした。


「で、話したいことってそれ?」

「それもあるけど」

「まだあるの?」

「うん」


 水刀がブランコを止める。


「実はさ」

「何?」

「いいこと思いついたんだけど」

「いいこと?」

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