1 「実質賃金」のカラクリ
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は高市総理が8月14日に高市内閣の物価高対策に対する批判的な意見に対して「ファクトで見てみましょう」とし、5連続でⅩにて投稿を行ったことについて「対抗する思考方法」について5投稿全てにおいて行っていこうと思います。
質問者:
どうしてこんな投稿を高市総理は急遽行うことにしたんでしょうか?
筆者:
これは憶測ですが、恐らくはどこへ行っても「物価高対策をしていないじゃないか!」と不満を爆発させている支持者と遭遇しているために自民党の政治家全体から焦りが出ているのを火消しに走っているものと思われます。
ネットでは高市政権を支持していない層はさらに厚いので、何とかして打開しようという事なんでしょうね。
ただ、記者会見でやらないとネットをやっている層にしか響かないですからね。
物価高にはネットをやっていない年金生活の高齢者の方が厳しいと思うので意味があるのかなぁ? と言うのが個人的な見解ですね。
質問者:
その上で、この「高市総理のファクト」に対して丸呑みしてはいけないという事をおっしゃりたいわけですね?
筆者:
僕の意見も聞いてその上で高市総理を肯定するのであればそれで一向に構いません。
しかし、そのまま鵜呑みすることは判断や行動を誤ることにも繋がりかねないのです。
では1つずつ見ていきましょう。
以下、高市総理のⅩの1つ目の投稿 https://x.com/takaichi_sanae/status/2088128752148738057 からの引用です。
『高市内閣では、国民の皆様が直面されている「物価高」への対応に最優先で取り組んできました。
高市内閣は、国民の皆様が苦しむ「物価高対策」をないがしろにして、自らの政治的信念の実現を優先しているように見えるとのご意見があるようですが、それは私の認識とは異なります。
昨年7月の参議院選挙の期間中、当時の私は党役員ではなく1人の自民党所属衆議院議員という立場でしたが、党遊説班の手配で全国各地の候補者の応援演説に駆け回っていました。
その際に街頭で伺ったのは、物価高に対する悲痛な叫びとともに、「自民党の政策には夢が無い」というお声でした。
日本列島全体が何とも言えない「閉塞感」に覆われている様に感じました。
ファクトで見てみましょう。
実際、昨年7月当時の「インフレ率」は前年比3.1%、「実質賃金上昇率」は前年比0.3%でした。
その後、10月21日に総理に就任した私は、最優先で「物価高対策」の為の補正予算を編成するとともに、皆様の将来への不安を希望に変えるべく『日本成長戦略』と『地域未来戦略』の策定を目指してきました(両戦略は、今年7月に閣議決定済み)。
これまでに講じてきた「物価高対策」の政策効果もあり、下図の通り、「G7で最も低いインフレ率(前年比1.7%)」「G7で最も高い実質賃金上昇率(前年比1.7%)」を実現することができています。
「実質賃金上昇率」というのは、「物価の伸びを上回る賃金の上昇分」のことですが、日本では、7カ月連続のプラスとなっています。
なお、この後に紹介する各種の「支援策」などによるインフレ率の押し下げ効果については、例えば、
・ガソリン暫定税率廃止や燃料油補助等により、0.7%ポイント
・いわゆる教育無償化により0.3%ポイント とされています。』
質問者:
筆者:
高市総理と言うか政治家の方と言うのは根本的には「100%嘘」という事は言わない傾向にあります。
しかし、「データの切り取り」と言うのは行うのです。
よく言うでしょう「データは嘘はつかないが、噓つきはデータを使う」とね。
政治家の方が嘘つきとまでは言いませんが、「不都合は隠す」という事は平気で行うのです。
高市総理のこの投稿について「別の角度からのファクト」を僕がお教えしましょう。
1つ目の投稿に関しては特に実質賃金が上がっていることを強調されている印象がありました。
確かに今年こそプラスになっている月が多いですが、それより前は4年連続で実質賃金がマイナスになっているんです。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA217IV0R20C26A5000000/
このマイナス分を相殺するだけに過ぎず、そもそも1990年代の実質賃金とほとんど数値としては変わらないというデータもあるそうです。
https://www.masahiro-ishida.com/post-14259/
対してアメリカは物価上昇数も凄いですが給料上昇割合も凄く、1990年を100としたときに148とかですからね。次元が違います。
「日本が安くなった」のもこういう要素があると思います。
この給料の上昇を伴わない、豊かになっていない日本の30年を「失われた30年」と言われるものです。
そのほとんどの期間を政権を担っていた自民党と、その期間のほとんどを政治家として存在していた高市氏などの責任なのでは無いでしょうか? と僕は思うのです。
質問者:
やっぱり、実際の数字が伴っていないと「失政」と思われても仕方のないことだと思いますね……。
最近、実質賃金プラスになったのもマイナスをゼロに近づけているだけとなると悲しいです……。
筆者:
また最近の「実質賃金上昇」についても「下駄をはかせている」と言う側面があります。
2025年5月より実質賃金が0.6%ほど上振れて出るような計算式に変更されており「それまでより過大評価されがち」なことになっているのです。
https://www.dlri.co.jp/report/macro/444822.html
帰属家賃を修正して国際比較をしやすくするという要素があったようですが、日本の以前のデータとの比較がしにくくなったり、以前より過大評価されることもそれはそれで問題な気がします。
質問者:
それについてほとんど話されている方がいませんけど、何も良くなっていないのに0.6%上振れてデータが出ているって意味が分かりませんよね……。
筆者:
あまりにもこのままだと気の毒なので一応プラスの側面も指摘しておきますが、
インフレ率低下要素として、
『ガソリン暫定税率廃止や燃料油補助等により、0.7%ポイント
いわゆる教育無償化により0.3%ポイント とされています』
これについてはある程度評価して良いことだとは思います。
ただ、これらも車を使っていない方と学校に通われていない家庭に関しては全く持って実感の湧かないことであり、「包括的な物価高対策」として成立しているかと言えば疑問ではあります。
ガソリン価格とて「上がっていない」だけにとどまっている感じもありますからね。
高市総理の言っていることは「ファクト」ではありますが「切り取りの一側面」であるということを念頭に次の項目では2以降を見ていきましょう。




