見せあい2
「〈成長期〉……」
「〈成長期〉……」
「〈成長期〉……」
「なにか問題でも?」
なんでみんな揃って〈成長期〉で私を見るんだい。まるでこの〈成長期〉スキルが私にぴったりとでも言いたげな目をして。
言っておくけど私は大人だからね。大人だから何か言いたげな目にも触れないよ。大人だから触れないほうが良いことがあることは知ってるんだ。大人だから!
「〈超回復〉ってどんなスキル?」
「あっ……えと、1日に一回だけ自分のHPが半分以下の時に使用できるスキルです。使用するとHPが全回復します」
「〈成長期〉……」
「空気読みっす」
念のため補足すると、私がこのスキルについて知りたかったのは私がこのゲームをプレイするうえでの目標として掲げているハティの討伐に関係すると考えたからだ。
ずいぶん前に一度だけ〈鑑定〉で除いたハティのステータス欄には〈超回復〉があった。見るからに戦闘用のスキルだし、戦う前に情報だけは知っておきたいと思ったのだ。カリストが手に入れてくれてよかった。
「強くない?」
「そうですね。HP1で使えば一人だけ実質HPが2倍になります。プレイヤーなら全員欲しいと思う位強スキルです」
「〈成長期〉……」
「私は『ご自由にお取りください』と書いててもちゃんと適量だけ取る人間っす」
「……ちなみに〈成長期〉のスキルを教えてもらっても?」
……うん。
「魔物専用で、一定のレベルまで経験値が増加する」
「え、大当たりじゃないですか」
「あ、体が大きくなるとかじゃないんですね!」
「今のうちに人が一人はいるくらいの穴を掘っておいた方がいいっすか?」
シャーリーこの子は無敵か?こんだけ触れてほしくない雰囲気出してるのに身体的特徴まで踏まえて刺してくるんだけど。
「私の場合、いろいろあって必要ないんだよね」
「そうなんですか?もったいない」
「もしかして、師匠はもう成長しないんですか……?」
「まいったっす。この体じゃ穴を掘ってもせいぜい頭しか入らないっす」
うぅ、シャーリーの目を見ても悪意がひとかけらもない。怒るに怒れない……
とはいえこのままはいけないと思うので、勘九郎が掘っていた穴に頭から腰まで埋めておいた。思ったことがすぐ口に出てくる子なんだな、シャーリーは。イベントの間は出てきてなかっただけで。




