ちょっとだけ昔の話
「どこまで進めましたっけ!」
「煮るって言ってたよ」
「そうでした!」
晩御飯を食べ終わったシャーリーは3割り増しで元気に見える。心なしかお肌もつやつやに見えるし。ゲームだからそんなことないのに。
「では再開です!」
「カリストと勘九郎はいいの?」
「カリストはお兄ちゃんに数学を教えてほしいってお願いされたみたいでこれなくなったそうです!」
お兄ちゃんぇ……。妹に教わるっていいの?
というか仲いいね。高校生の兄妹なら大体ツンツンしてるものじゃない?当時の私なら兄ちゃんに勉強教えてって言われても無視してたけど。
「なら勘九郎は?」
「弟と一緒に買い物に行ってるので遅れるそうです!お母さんにお願いされて断れなかったみたいで!」
「二人とも家族と仲いいんだね」
「師匠は違うんですか?」
うっ。高校生の純粋な疑問と疑うことを知らない眼差しは汚れた大人には重い。
いや、私も家族、というか兄さんと妹の聖良とは仲はいいけどね。週一くらいで連絡はくれるし、月一くらいでご飯は食べに行くし。
問題は父母の方でね……。
「シャーリー」
「何ですか?」
「師匠の金言だよ。よく覚えておいて。人はね……お金が絡むと性格が変わるんだよ……」
「???」
まぁそういう事である。大変な思いをして外で働く父と母は家で椅子に座って数時間で稼ぎ始めた私を見て変わってしまった。
いや、自慢げに稼ぎを報告した私も悪かったんだろうけどね。だからだと思うんだけど、二人はいつのまにか私を養うのではなく私に養われるようになってしまった。
それでもしばらくは育ててもらった恩返しということで納得してんたんだけど、さすがに母がブランド物のバッグをいくつも買うようになってからはもう流石にね……。
その場で絶縁宣言して飛び出してきた。成人しててよかったよ。おかげで一人でも家を借りれたから。
ちなみに私は怒りより哀しみの方が強かったのだが、逆に怒りの方が強かったのが兄さんと妹の聖良である。
いくら何でも家族の小指を折るのはまずいよ兄さん。聖良は何でその光景の動画を取って私に送ってきたのかな?別にうれしくないよ?私は二人が警察に捕まらないか不安でしょうがなかったよ。
なお兄さんは普通に働いているし、聖良も元気に高校生しているので心配はいらなかったらしい。本当に良かった。
「よくわかんないけど分かりました!お金には気を付けます!」
「そうしてね。お金の話をするときは一瞬立ち止まってよく考えて。取り返しのつかないことがあるから」
「はい!」




