雑談
「『水よ、形作れ』」
「可愛いっす・・・」
「あれが?」
「え、めっちゃ可愛くないっすか?目はまんまるで触手がいっぱいあって可愛いっす」
まだ巨イカが沸かないので、水魔法で創った巨イカを見せてあげた勘九郎の感想がこれ。
うん、よく見てみよう。確かに目は丸くて大きい。でも明らかに私たちを獲物としか思っていないのがよくわかる。
触手も確かにいっぱいあるけど、それが可愛いにつながるかと言われたら微妙だ。あの触手から出てくるのは〈鞭術〉の攻撃だし。
「ごめんわかんない」
「っすか・・・みんな私が可愛いって思ったもの可愛くないって言うんすよね」
「ほかにはどんなのが可愛いって思うの?」
「ハシビロコウ、メンダコ、クラゲ、タンザニアオオヤスデとかっすね」
「ごめんやっぱりわかんない」
その4匹と巨イカに共通点ある?ていうかハシビロコウって何?メンダコってタコ?わかるのがクラゲくらいしかいない。タンザニアオオヤスデは知らない。初めて聞いたけどヤスデってついてる時点でいやな予感しかいない。
足がいっぱいついてるやつは滅びろ。
「ハシビロコウは鳥っすね。正面から見た顔がキュートっす。メンダコは見てると安心するっす。クラゲはふわふわしてるのが可愛いっす。タンザニアオオヤスデは」
「ごめんほんとにヤスデの話はしないで」
「あ、ルピナスさんって虫がだめなんっすか?」
「足がいっぱいある奴は駄目だね。カブトムシとかクワガタなら格好いいからいいけど」
「じゃあゲジゲジとかもダメっすか?」
「駄目じゃない人の方が珍しいよ」
「褒められると照れるっす」
「褒めてない」
こうして話しているのは暇だからだ。砂浜に戻ったらまた一定時間待たないと巨イカが沸かない。
「そういえばこのマップクワガタがいなかったっすか?」
「いたね。顎が4本ある奴」
「後で見に行きたいっす。できれば戦ってみたいっす」
「それは私も」
あのクワガタは遠くから見ただけで鑑定とかもしていない。何か珍しいスキルを持っているかもしれないし、戦ってみたいのは私も同じだ。
「できればペットにもしたいんすけどね。〈使役〉の取り方がわからないから放置中っす。ルピナスさんは持ってるっすか?」
「持ってるね。いろいろ理由があって使役しているモンスターはいないけど」
「いいっすねぇ。条件とか知らないっすか?」
「私も詳しくは知らないなぁ」
トカゲを倒したときに〈使役〉が取れたのは完全に偶然だった。あの時したことと言えばトカゲを一網打尽にしたことくらいだけど。
そういえば、〈使役〉が取れたのは倒してすぐじゃなくトカゲが降伏してきてからか?
「あ、もしかしたらっていうのはあるね」
「知りたいっす!」
「モンスターが怯えるくらい攻撃して降伏してくれたら〈使役〉が取れるかも。私が入手したときは視界一面のトカゲを一網打尽にした後トカゲが降伏してお腹を見せてくれた時に取れたから」
「何があったんすか?」
「そういうイベントがあったんだよ」
「楽しそうっすね。私も参加したかったっす」
「2週間くらい前かな?その時は勘九郎は何してたの?」
「あ~その時期っすか・・・その時期はちょっとカリストに付き合って教会でいろいろしてたっすね・・・」
「いろいろ?」
「いろいろっす。聞かないでほしいっす」
苦労してるんだね。




