バグじゃない
「あ出た」
花火のことを考えながら待つこと数分、下には3匹ほどの巨イカが出現していた。どうやらカリストの仮説は正しかったようだ。
これでポイント稼ぎが楽になる。
花火もちょうどいい感じの詠唱が思いついたし、そろそろ3人のところへ戻ろうか。
3人は砂浜にしゃがんで何やらいろいろ書いている。流石に距離があって何を書いているかはわからないけど、おそらくシャーリーに協力して魔法を創っているんだろう。
仲が良いのはいいことだ。若干百合の花が見えて話しかけにくいのが難点だが、そんなこと気にしてもどうしようもの無いのでなるべく感情を無にして話しかける。
「ただいま」
「あ、おかえりなさい師匠!もう一つ魔法ができましたよ!」
「もう?すごいじゃん、おめでとう」
「ありがとうございます!師匠は何をしていたんですか?」
仲睦まじい様子を邪魔したくなかった、とは言いにくいので、とりあえず適当にごまかしておく。事実ではあるのだから後ろめたいことなど何もないが、かといってそんな気持ちがないわけじゃないのだ。
「カリストと話してた仮説の検証をしようと思って」
「仮説っすか?」
「あ、巨イカが沸くには海上に一定時間いればいいというやつですか?」
「それ。ちゃんと当たってたよ。時間通りに3匹沸いた」
「そうでしたか。すいません、任せっきりにしちゃいました」
「い~よ、私が勝手にやったことだから。運営からの返事は来た?」
「今確認してみます・・・あ、来てますね。えっと・・・バグじゃないみたいです」
「バグじゃない?」
それはつまり、ポイント配布にも条件があるという事か。検証してはっきりさせたいけど、それで3人の時間を奪うのもよくない。
せっかく3人で魔法を創るくらい魔法に夢中になってくれたのだし検証は一人でしたいけど、それじゃあ条件の検証なんてできないよなぁ。
「ポイント獲得の条件を調べたいから、とりあえず勘九郎を借りてもいい?ちょっとすぐそこの海上で巨イカを狩ってくる」
「わたしっすか?」
「そう。この中で一番ポイントが低いし、とりあえず私と一人しか入らなくてもそろえようと思って」
「そういう事ならお願いします。私とシャーリーは鍋を見ながら魔法を創ってますから」
「お願い。それじゃあ勘九郎、抱くよ?」
「あ、その言い方はちょっと・・・まぁいいっす、よろしくお願いするっす」
「うん、それじゃあ行ってくるね」
「二人ともいってらっしゃい」




