楽しいもの
「暇だぁ・・・」
背景に百合の花を咲かせた3人の邪魔をしたくはないので海上を飛行している私だが、景色は変わらないしやることもないし暇で仕方ない。
なんなら眠くなってきた。
カリストの予想が正しければ巨イカが沸くまでにはあと10分以上待たなければならない。その間私ができることはと言えば、遠くから3人を見るかぬぼーっと突っ立っているくらいのものである。
いつもはこういう暇な時間は魔法を創って楽しんでいるのだが、飛行しているとそういうのも難しい。
いや、正確には創ろうと思えば創る事はできるのだ。だって文字はわかるし、創る魔法に関する発想もある。
なら何が問題かと言えば、それはシステムの問題である。
これがどういうことかというと、私は普段視界の端に詠唱を書いたメモを置いている。魔法を創る際に使う文字は同じくメモに書いてあるのでそれを出せばいいのだが、なんとこのメモ、画面内に1枚しか出せないのだ。
なので私が今から魔法を創るには、今出してあるメモを消して文字が書いたメモを出し、詠唱に合わせて取り出した文字を書くためまたメモを消し新しくメモを出して・・・と、メモが1枚しか出せないせいでとても面倒くさいのだ。
なんでこんな仕様なのか。
なら普通に紙のメモに書けば?と思うのだが、ここでイベント中という問題が出てくる。イベントマップに来るとインベントリ内のアイテムが持ってこられないので、書ける紙がないのだ。何ならペンもない。
私のインベントリにあるのは大きな葉っぱだけである。
「早く湧かないかなぁ・・・」
まぁ魔法が創れないとはいえ考えることはできるので、どんな魔法を創るか考えて暇をつぶそう。
どんな魔法がいいだろうか。戦闘に使える魔法は使用できる機会が多くて考えていて楽しいけど、それだけというのはなんだか味気ない。
いつかの説明会で『魔法研究会』の人たちが言っていたように、人を喜ばせるような魔法を創ってみてもいいかも。そういう方向性の魔法を創ったことはなかった。
人が喜ぶようなもの・・・喜ぶとはつまり楽しいということだ。なら楽しいと思えるような魔法を創ればいい。
楽しいもの・・・お酒を飲むこと?違うか。楽しいのは私みたいにお酒が好きな大人だけだ。
そういうんじゃなくもっと万人が楽しめる様なもの。例えば3人みたいな学生なら?
学生時代楽しかったもの・・・修学旅行、一発ギャグ、学祭・・・学祭?
「あ」
そうだ、祭りだ。祭りにはあるじゃないか。万人が見ていて楽しいと思う夏の風物詩ともいえるあれが。それにあれなら火属性で再現できるはず。




