クールに去るぜ
「あ!おかえりなさい師匠!」
「ただいま」
「私は?」
「聞いてください魔法ができたんですよ!ほら、ウィ・ウィーツツ!」
「おお、おめでとう。風を吹かせる魔法?」
「ねぇ私におかえりは?」
砂浜に降りると同時にテンションが高いシャーリーの熱烈なお出迎え。どうやら魔法ができたらしい。
シャーリーが魔法を唱えると風が上に吹いて砂が巻き上げられていくのがわかる。
「そうです!師匠みたいに飛べたら便利だなと思って、風をメインに使うことにしました!」
「うん、いいと思うよ。戦闘でも体に纏わせたら鎧になるし、攻撃は目に見えないから躱されにくいし、汎用性が高いと思う。飛ぶのは私も浮遊くらいしかやったことないから、もしできたら見せてね」
「もちろんです!」
「・・・」
「今はシャーリーの番っすからね。さっきまで魔法を創ってて話せなかったのが悔しいみたいっす」
「でもせめておかえりくらい・・・」
「カリストもおかえり!私の魔法見てくれた!?」
「ッうん!」
「すごくない!?カリストにも教えてあげるね!」
「ありがとう・・・」
「それでいいんすか?」
ほんとにね。まぁ仲良くしてくれるなら私は別にいいや。とりあえず水の様子を確認・・・うん、まだかかりそうだね。
それなら私は仮説を検証しに行こう。巨イカの沸きは海上にいる時間に比例して沸くってやつ。
あの3人は集まって魔法で和気藹々としているし、錬金術もできないなら今のうちに試しておくべきだ。
決してなんかこの場に居づらいから逃げ出すわけではない。
いやこう、なんかさ。ゲーム内でリアルの友人同士で集まられると、ゲーム内限定の友人であるこちらといたしましては非常に気まずくてですね。
別に内輪ノリの自分たちしかわからない話をしているわけじゃないし、何なら話しているのは私が教えた魔法のことだというのはわかっているのだが、なんだが空気は甘いし、背景に花が咲いて見えるし。
これは私がお邪魔虫になってしまうなと察した次第でございます。
まぁ、あとはお若い3人で仲良くやってくださいや。私はその空気を離れたところから眺めているから。
私個人としては同性愛に関して別に思うことは何もないし、ぜひとも仲良く過ごしてほしい。
それではみんなが話の中に私がいないことに気が付く前にとんずらさっさ。スピー〇ワゴンはクールに去るぜ・・・(・∀・)ニヤニヤ。
あ、シャーリーに抱き着かれたカリストが気絶してゲームから抜けた。
やっぱり背景に見える百合の花って幻想じゃないな。




