百合の花は愛でましょう
「先ほどはご迷惑をおかけしました・・・」
「おかえり~」
勘九郎の言った通り10分もすればカリストは戻ってきた。尚頬は紅潮し体はほんのり汗ばんでいる。
なんかこう・・・年下の女の子に抱いていい感想ではないのだろうが、見ているだけでほんのりエロさを感じてしまう。
というかこのゲームすごいな。帰ってきた瞬間からカリストはこの状態だったのだから、それはすなわちリアルの状況を引き継いでいるということだ。何をしていたのかどうかは別として。
「あ、カリスト返ってきたんすね。もう気絶しちゃダメっすよ。そんなに何回も気絶してたらゲームができなくなっちゃうかもしれないっす」
「うん、気を付けるわ・・・あの子に会えなくなるのはいやだし」
「そんなに何回も気絶してるの・・・」
友達にゲームできなくなると注意されるくらい気絶しているっていったいどれだけ気絶しているんだ?あとあの子って誰?
「さっきちらっと言ったけど、カリストは顔面偏差値の高い人間に滅茶苦茶弱いっす。男女問わず。そういう人と話す時に距離が離れてたらいいんすけど、さっきみたいに間近だと思考能力がオーバーフローを起こして気絶しちゃうっす」
「なんぎだね・・・あれ?みんなも美人だけど大丈夫なの?」
「へ?」
シャーリーもカリストも勘九郎もみんな街を歩いていたら目を引くくらい美人だ。テレビでアイドルとして歌って踊っていてもちっとも疑問がわかないレベル。
そんな二人といてもカリストは気絶しないのだろうか。
「あ、ありがとうございます?・・・じゃなくて、そういえばカリストって私たち相手に気絶したことないっすね。なんでっすかカリスト?」
問いかける勘九郎に対し、カリストは少し俯きながらぼそぼそとした声で答える。
「二人はずっと一緒にいるから気絶しない耐性がついてるだけだよ・・・気絶しないだけで、二人と一緒にいるだけでもドキドキしてるけど・・・」
「へ」
私はカリストより身長が低いから俯いているカリストの表情が見えるからわかるけど、涙目で羞恥に耐えながら告白するかのように言葉を絞り出すカリストはとてもかわいらしい。
最初話しかけられた時の印象がどんどん崩れていく。初めの印象は交渉を仕掛けてきたときの様子も相まって思慮深い策士という感じだったのに、今ではただの可愛い女の子である。
そして衝撃の告白をされた二人はというと、こちらも顔を俯かせて指先を合わせながら声を絞り出している。
「あ、その、ありがとうっす」
「うん・・・」
「・・・その、次の休日は3人で遊びに行かない?水族館とか・・・」
「・・・行きたい」
「・・・わたしもっす」
う~ん、背景に花が咲いて見える。




