ポーションづくり4
「バーナーの上に鍋を置いて、ルピナスさん上にかぶせられるようなものはありませんか?」
「これでいい?」
インベントリから出すのはもはや用なしとなったスク水である。ちょうど鍋を覆えるくらいのサイズはあるしこれでいいでしょ。
あ、ちなみにインベントリに入れた時点で見た目上は元通りになっている。なので海水が付着しているということはない。
「ありがとうございます!・・・水着?」
「使わないから」
「いや、うーん・・・まぁ問題ないでしょう!」
そういったシャーリーは、鍋の上に水着をアーチのような形で置いた。アーチの両端には先ほどまで穴掘りに使っていたビーカーをセット。
小さなテントのような形だ。水着と砂浜の間から海水の入った鍋が見えている。まだ置いたばかりなので全然冷たいだろう。
「よし、完成です!」
「ぱちぱちぱち」
「あとはこの状態で待てば、沸騰した鍋の海水が水蒸気になって水着について、それがビーカーに落ちるはずです!」
「余った塩は後でお汁にしよう。干した昆布はあるから」
「あ、それなら私が取っておいた山菜も入れましょう!」
「いいね。どんな野菜?」
「玉ねぎとセロリです!」
「・・・いいね」
げ、セロリか。正直そんなに好きじゃない。というか何なら野菜の中で一番苦手だ。
なんというか、口に入れた瞬間の独特な匂いが嫌なのだ。味は別に嫌いなわけではないのだけど。
しかし馬鹿正直にセロリが嫌いだというわけにはいかない。ただでさえ無い大人としての尊厳が消え失せてしまう。
シャーリーはセロリのこと結構好きそうだし。表情はそんなに変わらないけど、なんというか声のトーンが玉ねぎの時より高かったから。
「?どうかしたんですか?」
「いや、なんでもない。それよりこの待つ時間はどうしよっか。他の山菜を探しに行く?」
セロリが入るのは確定しているのだ。ならばもうそれは抗いようのないものだし、別の方法で抵抗する。
別の山菜も入れてかさましするのだ。そうすれば必然的に私が食べるセロリの量も減る、はず。
「それもいいんですけど、私巨イカが気になってて!探してみたいです!」
うんまぁ、せっかくイベント中なんだからイベントでしかできないことをやりたいよね。しょうがない。
「それじゃあまた私が運ぶ?」
「お願いします!」
「了解。あ、運び方変えるから」
「へ?あ、ちょ、きゃっ!?」
あすなろ抱きでまた暴れられたら敵わないのでお姫様抱っこに。これなら少しはおとなしくなってくれるはず。
「手、私の首に回してね」
「へ、あの、はい・・・」




