獣人の種類
「いやーさっきは焦って景色を楽しむ余裕なんてありませんでしたが、こうしてみると綺麗な島ですね!あ!あそこに池がありますよ!ほらあそこです!」
「わかった、わかったから。後で行くから、いったん抑えて・・・」
いやー『私を運んでください!』なんて言われたときは思わず『正気か??』と思っちゃったけど、意外と何とかなるものだ。あすなろ抱きみたいな形で空を飛んでいるけど、シャーリーが暴れない限りは安定して飛行できている。
最初はおんぶして運ぼうとしていたのだけど、おんぶすると羽が動かせなくなって飛べないのでやめた。私としては羽ばたきが見せかけだけじゃなくて安心している。これで羽ばたきなしで飛べるなら、壁にこすれていたのとかが全部無駄になるので。
「言いましたからね!約束ですよ!あ!あの大きなキノコ、師匠が作っていた『からだからくろいもやがでるおくすり』に使っていたキノコと同じものです!採取したい!」
「あとで、あとでにしてね。ほんとに落としちゃうから」
興奮しているのはわかるけど、もうすこし静かにしてほしい。せめて体を動かすのをやめてほしい。あすなろ抱きだと、一緒に体が動いちゃってバランスが崩れるのだ。
お姫様抱っことかにしておけばよかった。それならシャーリーも私の首に手を回す必要があるから、あまり暴れることもなかったのに。
「落ちても大丈夫です!さっきも言いましたけど、私猫獣人なので!」
「あ、それさっき聞いた時も思ったんだけど、獣人って獣人の中でも違いがあるの?」
そうそれ、さっき聞けなかったけど疑問に思ったのだ。町中でいろんな種類の獣人を見かけることはあるけど、それぞれに違いがあるのは知らなかった。
私の知り合いに獣人はいないし。『魔法研究会』に所属している牛さんとか、似て非なるものならいるんだけど、あれはどう見ても獣人ではない。ただの動物である。
「もちろんありますよ!例えばそうですね!私みたいな猫獣人だと、何度も言ってますが着地が得意です!30mくらいなら無傷で着地できますよ!」
「すご」
滅茶苦茶すごくないかそれ。ただ問題は活かせる場面が思いつかないことだな。私みたいに飛べたら緊急時に役立つかもしれないけど、獣人って飛べないだろうし。
「ほかの獣人は?」
「メジャーなところだと狼獣人ですね!吠えてウルフ系統のモンスターに意思表明ができます!襲ってくるなって伝えたら帰っていくみたいですよ!あとは鼻がいいですね!よく錬金仲間が失敗したごみの匂いを嗅いで悶えてます!ざまぁ!」
なんか漏れてるよシャーリー。仕舞って。
「その仲間の人嫌い?」
「狼獣人が嫌いです!あいつら近づけば分かるでしょうけど臭いんですよ!匂いが毛にこびりついて取れないんです!」
たばこのにおい成分が服について取れないみたいな感じ?
「それじゃ、その仲間の人が嫌いなわけじゃないんだ」
「いえ、そっちも普通に嫌いです!目線がいやらしいのでいやなんです!嫌いに嫌いが合わさって大嫌いです!」
「あそうなの・・・」
シャーリー結構胸おっきいもんなぁ。女性はそういう視線に敏感だって言うしね。きっとシャーリーもそういう目線はわかるんだろう。
ん、他人事の理由?そういう目で見られたことがないからわかんないんだよ。ほっとけ。




