元気っ子
「あ!見つけました!そんなところで何してるんですか!?」
そう私に樹の下から声をかけてくれたのは、頭の上に猫耳のついた女の子だ。手を振ってくれているので私も手を振りながら降りていく。て元気がよろしいね。
髪はボブくらいで明るめの茶髪。背中には武器と思われる槍を携えている。装備はズボンが短く総じて元気っ子の印象が強い。
「わ!空飛べるんですか!すごいです!」
「ありがとう。よく私がいるって気づいたね」
「獣人なので耳はいいんです!悲鳴が聞こえたのでお声がけさせてもらったんですけど何かあったんですか!?」
おおう、元気がいいな。ちょっと委縮しちゃう。
地面に降り立った私との身長差は大体15㎝といったところか。アバターをなにも弄っていないなら肌艶的に高校生くらい。年上の威厳を保つためにも降りないで上から見下ろしておいた方がよかったか。失敗した。
「ちょっといろいろあって・・・そうだ、あなたは雲の上にいた化け物を見た?」
「化け物ですか?ごめんなさい見てないです!さっきまで運ばれてたので!」
「運ばれてた?」
「はい!ビグルヅバードっているじゃないですか!空を飛んでいる大きな鳥さん!」
「うん」
「砂浜を一人で歩いていたら連れ去られちゃいまして!さっき近くの樹に落とされたばっかりなんです!」
ええ・・・とんでもない大冒険じゃん。鳥に持ち上げられて運ばれるって、そんなの映画や漫画の世界でしか見たことないぞ。現実で見る機会があっても困るけどさ。というかよく死んでないね。
「良く死んでないね」
「猫獣人なので着地には強いです!それに職業の都合で薬草と魔力草は大量に持ってたので、地面につくタイミングでインベントリからばらまいて衝撃を殺しました!」
「職業?」
「まだ見習いですけど、一応錬金術師なんです!ポーションの素材を探すために砂浜を歩いてたんですよ!結局砂しか手に入りませんでしたけど!」
いや、落ちながら地面に草をばらまく判断能力にも驚いたけど、それ以上に錬金術師なことに驚いたよ。言っちゃあなんだけど、錬金術師のすることって地道に草を砕いたり煮出したりって地道な仕事の印象が強いから。この元気っ子がそんな地道なことをできるとは思えなかった。
ていうか悪いけど今でもちょっと信じていない。絶対途中で飽きて別のことしだすでしょ。偏見だけど。
「あ!その表情信じてませんね!いいでしょう見せてやりますよ!」
「まってまって。せめてもうちょっと安全なところに行ってからお願い」
「そこは『疑ってない』って言ってくださいよ!でも安全なところに行くのは賛成です!なので・・・えと、すいませんお名前をうかがってもよろしいですか!?」
「あ、言ってなかったね、ごめん。ルピナスだよ」
「素敵なお名前ですね!私はシャーリーです!ということでルピナスさん!私のことを運んでください!安全な場所に!」




