痛い
「うわ気持ち悪」
色々考えるのは外に出てからか。なんせ場所が樹の中だから上から虫の幼虫が飛び出てくる。
さっきは『狂乱』状態だったから気にならなかったけど、さすがに解除されたら気になるわ気持ち悪い。よくさっきまでは気にならなかったな。それだけ強い状態異常だったってことか。
羽を使って宙に浮かぶ。私が掘った樹の中は非常に狭く、飛行のために羽ばたかせている羽が擦れて非常にこそばゆい。
が、そんなことを気にしている暇があるならさっさとここから出るべきだ。なんせ幼虫がポコポコ出てくるので。
おおよそこの樹の中に入っていたと信じられないほど飛び出てくる。え、私こんな場所で震えてたの?
さっきまでうずくまっていた穴の底はすでに幼虫で埋め尽くされている。SANチェック不可避では?せめてもう少しサイズが小さかったりかわいらしい風貌だったらましだったのに。
しかし残念ながらそんなことはなく、一匹一匹がそこそこでかいし厳つい。10㎝はあるし、よく見れば顎をずっとガチガチさせている。殺意。
「あいて」
下を見ていたら穴の上に頭をぶつけてしまった。日本語がおかしいけどそうとしか言えないから仕方ない。トみたいな穴の形だからね。私が頭をぶつけたのはトの一画目の最初。
「ん・・・?え、動けん」
なんてこった。頭に生えてる角が刺さって動けない。とりあえず勢いつけて体ごと下に引っ張って・・・
「いたたたたた!!」
やっばい結構深く刺さってるみたいで抜けないし、抜こうとするとめちゃくちゃ痛い。頭痛みたいな鈍い痛みがする。これどうしよう。HPもかなり減ったし。
いやまて落ち着け。こんな時こそ魔法の出番だ。さっき掘ったように角周りの樹を吹き飛ばしてしまえばいい。刺さっている場所は見えないけど何とかなるはず。〈空間把握能力強化〉があるし。
「『風よ、我が意に従い対象を切り刻め』」
はっ!?
「ああ~~~っっ~~~~~!!!!???!?!?!?!?」
待って待って待ってめちゃくちゃ痛いしまった角ごと削った!馬鹿みたいに痛いこれまでの人生で上げたことないような悲鳴を上げたよ!
いやいい。こうして無事に?ここから出られるのだ、結果オーライ。それにしても痛いな。痛すぎて感覚ないし、心なしか頭も軽くなったような・・・気のせい?
「・・・あ」
いや気のせいじゃないわ。触ってみたらわかるんだけど明らかに長さが足りてない。え、これまた生えてくるよね?
というかそりゃ痛いに決まってるわ。体の一部をぶった切ってるんだもの。畜生、これからは気を付けてないと。あの痛みは二度とごめんだ。本当に痛かった。
~だ・・・・い・・すか!!~
ん?なんか声みたいなのが聞こえる。痛すぎて幻聴聞こえだした?
~だれ・・・い・・・か!!~
いや気のせいじゃないわ、誰かいる。
・・・下?




