喫茶店とメニュー
「あ、こっちですよ」
「さっきぶり、リーゼ」
「・・・そうですね。時間は大丈夫ですか?長くなるかもしれないので」
「昨日はいっぱい寝たから大丈夫。日を跨いでもいいよ」
「それはさすがに私がしんどくなっちゃいますね・・・明日早いので」
心なしか悲しそうな顔のリーゼと始まりの町で合流。現在時刻19時、場所は喫茶店。なんとこのお店、プレイヤーが経営してるらしい。視聴者さんがSNSで教えてくれたんだとか。
食料がなく空腹ゲージも底をつき死に戻りする3秒前くらいに喫茶店の元店主に助けてもらったのだとか。その後元店主夫妻と経営改革に乗り出し、それが成功したお礼にこのお店を譲ってもらったのだそう。
なお元店主夫妻は別の町でまた一から喫茶店を始めるらしい。バイタリティにあふれている。
気になる経営改革の内容はコンカフェ化。日によってゾンビ娘やメイドさん、たまにマニアックな触手娘やキツネ耳ロリババアがいるのだそう。
ちなみに今日のコンセプトは執事らしく、男性店員は執事の格好を、女性店員は男装したうえで執事の格好をしている。
キツネ耳ロリババア、ちょっと見てみたかったのだけど。毎日来てみようかな。店主のキャラ、かなり濃くて面白いし。あんなのアニメや漫画の世界だけで、まさかリアルで目にする機会があるとは思わなかったよ。いや、厳密にはリアルではないのだけど。
「ご注文の『ジャンボ王城パフェ』と『ロケットホーネットのはちみつクッキー』です。どうぞお楽しみください」
「ありがとうございます。それでリーゼ、話って?」
「待ってください。その大きさには触れなくていいんですか?」
「食べきれるから大丈夫」
「そういう問題ですかね・・・」
うん、リーゼが心配するのはわかる。私の頼んだ『ジャンボ王城パフェ』、私の身長くらいあるもんね。流石ジャンボ。普通のプレイヤーなら食べきる前に空腹ゲージがいっぱいになっちゃう。
しかし私はその点問題がない。なぜなら空腹ゲージがないから。少し前に食べ歩きをしていたら気付いたのだけど、空腹ゲージがないからか無限に食べられるのだ。
なお水も同じ理由で無限に飲むことが可能だ。これは実際にリーゼと森に行く前に試していた。
なぜって?次のイベントは海、泳ぐための水着はデザインが年齢的に恥ずかしいから着たくない。ならやることなんて一つでしょ?海水を全部飲んで水着を着る機会を物理的に消す。これである。
とはいえ、実現できる可能性がほぼ0だったので実際にやるかどうかは迷っていたのだが、リーゼとシルクスパイダーの糸を採取しに行ったことで解決した。性能で劣るであろうあの水着を着る可能性は限りなく0だ。ははは。
まぁ、そんなわけでこのパフェは食べきれるからいいのだ。というか私としてはリーゼの頼んだ『ロケットホーネットのはちみつクッキー』も気になるのだが。ロケットホーネットって何??まぁ後で聞けばいいか、
「それでリーゼ話って?」
「あ、そうでした。魔法についてなんですけど・・・」




