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誰よりも早く階段を上り僕は君に逢う  作者: T-99
三本の柱:青~未来編
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 どうしてこうなってしまったのだろう。

 京也が考えてもわかるはずもなく、時間だけが過ぎていく。真上に上りつめた太陽が、砂漠の温度をさらに上昇させていた。

 ココロが睨みつけるたび、姫野の顔が浮かび京也を苦しめる。せめて形見のリングを手渡そうと、京也はココロに近寄る。

「お姉さんのリング」

「ボクには見えない」

 ココロは一瞥して京也を凝視した。

 京也も気づいてはいた。色が変ってしまったが、赤のリング。対象者にしか見ることができない。それでも京也は、ココロに持っていてほしかった。

 京也はココロの手をとり、リングを乗せた。そして手を重ねる。

『姫野さん、本当にごめん。僕は傷つけてしまった。あなたの優しさを……』

 京也はココロを真直ぐに見つめた。

 ココロが霞んでゆく。

 涙があふれて止まらない。

 姫野はどんなときでも京也の味方だった。

 必死で京也を助けてくれた。

 姫野がいなければ、何度死んでいただろう。優しさに甘え、愛情を利用していた。

 卑怯な心を京也は我慢できない。

『許しくれとは言いません。ただ、助けてもらった命にかけて誓います』

 京也はココロを抱きしめた。

 小さな体にできた傷をこれ以上、広げないため。

 たとえ、ココロに憎まれ嫌われても離さない。

『ココロを守ります』





『ありがとう……京也』





 時空を超える声がふたりに聞こえた。

「お姉ちゃん」

 ココロが思わず叫ぶ。

 ココロの握りしめた拳が真紅に染まっていた。

 ゆっくりと手を開く。

 赤いリングが、再び命の火を灯していた。

「見えるよ、お姉ちゃん」

 ココロは、姉の思いを受けった。

 

 


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