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強く握りしめられた手が温もりを伝えてくれる。
空を遊覧しているドラゴンを見つめていたココロが、姉を見上げた。
「あれが京也。わたしの好きな人」
「お姉ちゃんの好きな人?」
姉がキュービックホールに立つ男を見つめていた。
ココロは姉から発せられる不思議な匂いに戸惑った。
「ボクより好き?」
「ココロに対する好きとは違う好きなの」
ココロは、姉の言うことが理解できなかった。
好きに種類があるのだろうか。
「ココロ、お願いがある」
「なに」
「わたしがいなくなったら、あの人を守ってあげて」
「いやだ。一緒にいる」
ココロはおかしなことばかり言ってくる姉に反発した。
「見て、ココロ」
京也のそばに女が近づいてくる。
「お姉ちゃん??」
遠目でもわかる。
一番だいすきな姉を、ココロが見間違えるはずがない。
「そう」
ココロは、ふたりを素早く見比べた。
「どういうこと」
ココロは繋いだ手を振りほどく。
「あれは未来の私。選択を間違えたわたし。そしてあなたの姉」
「???」
ふたりは同じ。でも同じじゃない。
ココロは混乱していた。
「確かめてくる」
歩きだすココロを姉が、力いっぱい抱きしめた。
「鍵はあなたハート(ココロ)。ジョーカーに気をつけて」
匂いは違う。でもふたりは同じ。
ハートは混乱していた。
京也の背後から手を回すダイヤが見える。
不安になったハートが、姫野を振り切りダイヤの基に駆け寄った。




