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誰よりも早く階段を上り僕は君に逢う  作者: T-99
三本の柱:青~未来編
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 青の柱の審判を受けるため京也は、生徒会室を訪れていた。青の柱は、未来を映し出す。内部から頂上まで続く階段を上って行く。過去、何人もの生徒が挑戦した。頂上にたどりついた者はひとり。未来が何を意味するのか。知り得た者は、滝本翔だけだった。

「なぜ、審判をうけたいのかね」

 信吾は不満そうに尋ねる。滝本京也は、無理やり介入して赤の審判を受けた。今度は青の審判。信吾は気に入らなかった。会長に言われ京也を監視しているが、兄との接触はない。そもそも生きているのかさえ、信吾は疑問に思う。

「進む道が正しいかどうか知りたいからです」

 京也は嘘をついた。グランドを火の海にした事件の真相は言っていない。姫野と示し合わせて無関係を貫いた。生徒会は、楓が報告した外部の侵入者の対応に追われていた。

「認められない」

「どうしてですか」

 京也は、青の柱に行き奴らと決着をつける必要があった。引き下がることは出来ない。

「いいでしょう。ただし条件があります」

 京也は周りを見る。部屋には、京也と信吾の他に生徒はいなかった。

「会長」

 信吾が、壁に掛けられている六角形の鏡に歩みよる。京也が視線を鏡に向けた。生徒会長、清水詩織しみずしおりの顔が鏡に浮かび上がっていた。

「滝本翔の居所を教えなさい」

 京也は口ごもる。兄の居場所は知らない。3年前の事件から消息は不明だった。

「青の審判を受けさせてくれるのなら、審判後に教えます」

 また、京也は嘘をつく。

「いいでしょう。副会長。手続きをお願いします」

「信じられません。嘘をついているかもしれない」

 信吾が食い下がる。生徒会執行部が何年も行方を追っていた。にもかかわらず、居場所に繋がる手がかりを何ひとつ見つけることができていない。兄弟だから知っている保障はどこにもなかった。

「嘘をついた場合は、学園を去ってもらいます」

「わかりました」

 生徒会には、学園側から強力な権限が与えられていた。生徒ひとりを退学にする理由ぐらい簡単につくれた。学園が拒否することもないだろう。京也の魔法学園入学は、兄を捕えるエサに過ぎないのだから。

『【生徒会規約第22条】本学園の生徒は、生徒会に協力し学園の秩序を守る義務を負う。生徒会の要求に対して正当な理由なく協力を拒むことは出来ない。なお、右規約に違反する者、退学もやむなし』

 生徒会規約が読み上げられる。

『誓約書……技術科。1年F組 No.15 滝本京也は、生徒会規約第22条に基づき生徒会に協力することを誓います。

 依存なき場合、同意を……』

「同意します」

『認証中……本人と確認しました』

 京也は自動誓約プログラムを終えた。

「いつ、審判をうけることができますか」

「すぐにでも」

 会長が答えるのを、もう信吾は邪魔しなかった。

 京也は生徒会室を後にした。



 生徒会室を出ると、待っていた楓が京也に近づく。

「青の柱までサポートする」

「すみません」

 青の柱に入口はない。転送魔法が必要だった。京也は、能力を使用して青の柱に潜入を試みたができず。楓に相談し正式な手順を踏み審判を受けることにした。姫野にはもう頼めない。圭介も同様だ。

 生徒たちとすれ違う。いつもと変わらない日常。青の柱に着くまでふたりは何もしゃべらなかった。


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