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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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スマートではない件について(仮)


 中根の圧力が急激に上がる。

 

「じゃあ、やるか」


 かおるが、再度、黒雷炎を体に纏う。今度のものは今までできていなかった黒雷炎の縮小に成功し、薄いバリアも体に纏っている。


 中根のほうは、ウリエルの炎を体に纏い始めた。自分の力が上がったので、ウリエルの炎を手中に収めたようだ。


 両者が一斉にお互いに向かって突進する。


「はあ!」


 かおるが、黒雷炎の大きな魔弾を放つ。

 それに伴い、中根もウリエルの炎の魔弾を放つ。

 2つの魔弾がぶつかり、大きな爆風とともに爆発が起こる。


 両者が爆風の中から出現する。


 かおるが、まず、右の拳で鉄拳を放つ。それを中根が左腕で防ぎ、今度は彼が右の鉄拳を放つ。それが、かおるに直撃する直線に、2人の間に大きな黒雷炎の壁ができ、中根の攻撃がそれによって防がれる。と同時にその壁から無数の黒雷炎の弾丸が飛び出してくる。

 それを、中根はウリエルの炎で防ぎながら後退する。


「!!」


 中根がある程度距離を取ると、急に後ろにかおるが出現する。


「地面を通ってきたのか」


 かおるの鉄拳が中根に直撃する瞬間、中根がかおるの目の前から消える。

 そして、彼はかおるから離れた位置に再度出現する。


「テレポートか、しかも、詠唱なしで発動できるのか・・・」


 中根は、かおるが思っていた以上に強力になっているようだった。


(テレポートはうっとうしいな。あれさえなければ、攻撃を当てられるんだが・・・)


 どこに飛ぶのか分かればいんだがと、かおるは思った。


 かおるは、今度は遠距離からの攻撃を中根に放つ。それもかなり強力なものを、複数。

 中根はそれをウリエルの炎を用いて防ぐが、次第にウリエルの炎では防ぎきれないようになってくる。これはかおるの攻撃の元である黒雷炎がウリエルの炎を上回っていることを示していた。


 漆黒の力は行使するものの心理状態で変わる。これはかおるが自らの経験から体験したものだ。そして、現に今、かおるは、限界以上の力を出していた。それにより今、中根を押している。


 中根は次第に、かおるの攻撃を防ぐのではなく、回避する方向に転換する。だが、それもかおるからの止まらない攻撃により、次第に意味がなくなっていく。


「どうした! 逃げるだけか?」


 かおるは、相手を挑発する。これは、後の作戦のためであった。

 かおるは、自分の限界など考えないで攻撃をし続ける。相手はあの大罪悪魔で、さらにドーピングをしているやつだ。いくら2つの漆黒の力を持っているとしても後先考えていては足元をすくわれるかもしれない。


 かおるの攻撃が中根に当たる瞬間、彼は消えた。


(来た!!)


 中根がこの時にテレポートすると考えられる場所は・・・


「後ろ!!」


 かおるは自分の背後に強力な魔弾を放つ。

 すると、かおるの予想通りに、背後に中根が出現する。遠距離では不利と見た中根が必ず近距離戦を仕掛けてくるとかおるは思っていた。


 かおるの攻撃が見事に中根に直撃する。

 中根は、自らの周りにウリエルの炎と自らの防壁を掛け合わせたものを纏うが、今回のかおるの攻撃はかおるの渾身の力で放たれたものだ。中根がそれを防げるはずものなく。彼は炎に焼かれ、その場に倒れこむ。


「うわあああああああああ!!」


 中根がのたうちまわる。


「はあ、はあ、はあ」


 かおるは、その場で片膝をついた。

 流石に疲労がここで襲ってきた。



  -   -   -   -   -


 アウモデウスは、炎に焼かれ全身が焼けどのような状態になる。本来なら、自らを焼いた黒炎ですべてを焼き尽くされるはずであったが、幸い、ウリエルの炎がまだ残っていたので、それで凌いだ。

 なんとか、起き上がる。

 目の前には、自分を焼いた人間がいた。人間にここまでの負傷、いや、傷自体付けられたのは初めてだった。それに、自分の頭が理解に追いついていない。いわば、今のこの状況により、アウモデウスはパニックに陥っていた。

 確かに、相手の力は強力だ。だが、相手は人間である。人間に悪魔が敗れるわけがない。相手がまだ、天使の力、神の力を授かった聖者ならば可能性はある。だが、相手はただの人間だ。戦闘訓練なども受けていない人間だ。


 どうして・・・・


 アウモデウスは色欲を司る大罪悪魔だ。だが、彼はもともとは激怒も司る魔神でもあり、憤怒の地位に本当はつきたかった。だが、彼は色欲を司ることになる。だから、力を欲した。憤怒の地位に上がるために、だが、そもそも、神が決めたその仕組みを、いくら力を手に入れたといっても、変えることはできない。

 だが、それでも彼は力を欲した。だが、色欲の悪魔であるが故に、そちらの罪も彼は背負っている。その欲望がある。

 なので、彼は人間の女を孕まし、それと同時にその人間の生命を奪い成長する種を植え付ける。その種が大きくなり、将来自分が喰らうことで自らの力を上昇させるというものを考えた。

 だが、その計画が始まった頃に、天使によって倒されてしまった。

 そして、転生したこの世で、過去に自分が種付けした人間が見つかり、しかも、自分の血を持ちし子供までもが見つかった。

 これにより、彼は膨大な力を手に入れ、自らの思いを果たせると思った。


 だが、なんだこれは!!


 アウモデウスは立ち上がる。



 

「アウモデウスにそんな過去があったなんてね」


「あいつもかなり苦労してるんだろうな」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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