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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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意識していない件について(仮)


 アリスが、孝子にもたれ掛かるようにして覆いかぶさる。


「え?・・えっ・・・?」


「この!!」


 かおるは瞬時に目の前にいるアリスを突き刺した人物が自分と同じような存在であることを理解した。その人物に向かって黒炎で攻撃を放つ。


「おっと、危ない」


 アウモデウスとアリスに呼ばれてた男は、かおるの攻撃をかわし、洞窟の入り口付近に移動する。


「お前・・・」


 かおるはその人物に見覚えがあった。どこかで見たことがあるような・・・


「お姉ちゃん!!」


 孝子が必死にアリスに呼びかける。だが、アリスの胸からは容赦なく血があふれ出ている。孝子もパニック状態だ。


「ふん。たったこれだけの力か、随分と力を使ったんだな」


 男は、アリスの胸からもぎ取ったと思われる光の塊を口に近づけほお張る。


「お前は、アウモデウスなのか?」


「うん? ああ、ワタシはアウモデウスといわれればそうだな。だが、この土地での名前は違う・・・」


 落雷が洞窟の近くに落ちて、男の顔がよりリアルに見える。

 その顔を見て、かおるはどこで彼を見たのか思い出した。アリスと先ほど戦っているときに、正子達の近くで眠っていた男だ。名前は知らない・・・。


「この土地では、中根という名前らしい。君はどうなんだね? ベルフェゴール」


 アウモデウスは、かおるの存在そのものをベルフェゴールだと判断しているみたいだった。


「俺はベルゴじゃねえぞ。稲垣 かおるだ。お前とは違う」


「ふむ・・・」


 アウモデウスはかおるの体をじろじろと見る。そして、一つ頷いて納得したというような表情になる。


「目覚めたばかりで、よくわからなかったが、君は、体を乗っ取っていないのか。驚きだ」


 相手は、かおるの中にいる悪魔に対して話しかけている。明らかにかおるのことは眼中にない。

 それが、かおるには気に入らなかった。この男、いや悪魔には人間などどうでもいいということだ。


「お前、アリスと川瀬さんの力を狙ってるんだってな」


「うむ? ああ、そこにいる人間2人のことか、それならそうだが? まあ、その片一方はもう頂いたがな」


「俺がお前のそのたくらみを阻止してやるよ! このくそ悪魔が!」


 そう自分に投げかけられた言葉に対して、中根はポカーンとした顔になる。


「なぜ人間ごときにそんなことを言われないといけないんだ? 貴様ら人間は、ワタシたち悪魔の食べ物だというのに」


 そういい、中根は首をかしげた。


 かおるは、後ろを見る。

 後ろには、血だらけで瀕死の重傷を負っているアリスと、それに泣きながらすがりつく孝子がいる。


「川瀬さん、あなたの力でアリスを治すことはできますか?」


「わ・・・わたくしの魔力では・・・無理です」


「なら、俺の力を分け与えればどうですか?」


「そ・・それなら・・・」


「じゃあ、いくらか渡します。それで、必ずアリスを、自分のお姉さんを助けてください」


 かおるは、孝子に近づき彼女の手にそっと触れる。

 その瞬間、中根がかおるに攻撃を仕掛けてくる。アリスを刺したときと同じ突きだ。

 だが、それはかおるには届かない。寸でのところで、かおるの黒炎が中根を拘束する。そして、洞窟の外に飛ばす。


「お前の相手は俺がしてやるから、落ち着けよ」


 かおるは、孝子に力を送る。

 自分の力の半分ほどで、それを終える。


「それじゃ、頼みますよ。俺があいつをボコボコにするまで、ここで待っていてください」


 かおるは、返事を待たず。洞窟の外に向かう。


《随分と平穏じゃないな》


(ああ、ここまでの怒りを感じたのは、人生で初めてかもしれないな)


《それは、悪魔に対する怒りなのか? 人間を下に見たその発言なのか? それならレヴィアタンだって同じだっただろう?》


(発言じゃないな。俺がむかついたのは態度だ。自分が相手に致命傷を与えておきながら、そのことをあの男がまるで意識していないところが気に食わない。もし、アリスを刺してから歓喜の声を相手が挙げていたなら、怒っただろうが、ここまでじゃなかっただろうな。少なくとも、レヴィアタンは俺達に対しての感情があった。だが、あいつはない)


 人間に対して感情がないということは、アリスから聞いた話すべてが、あいつにとってはどうでもよかったということになる。つまり、自分が襲った相手も、それによって生まれた子供に対しても、そのことにより歯車が狂わされたその姉のことも、どうでもよかったということだ。

 なのに、自分の力になるなら、彼女達の力を奪う。

 それが許せない。意識していないなら、そっとしておけばいい。それを・・・


《つまり、どうしたいんだ?》


(人間としてなめられたままじゃいれないってことだ。意識させてやるよ人間を!!)


 かおるが、飛ばされたことに理解が追いついていない中根、いや、アウモデウスの前に立つ。そして、地面にまだ倒れている彼を見下ろす。


「立てよ。くそ悪魔。お前がばかにもしない人間が今からお前をぶちのめしてやるよ!」

「怒ってますね」


「怒ってますよ」


「激おこですね」


「激おこですよ」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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