破壊が好きな件について(仮)
爆炎からアリスが出現する。
その体は、当然かなりのダメージを受けたので服は乱れ、ぼろぼろの姿だ。
できれば、さっきの一撃で仕留めておきたかった。それが、かおるが感じたことだ。
先ほどのコンボはもう二度と成功はしないし、これから再度新しいコンビネーションを組むことは厳しい。当然アリスもそれはさせないだろう。
だが、だからといって、攻撃の手を休めるわけにはいかない。
かおるは竹市を見る。竹市はかおるの意を理解する。
竹市が、アリスに手を向ける。アリスの周りに再度結界ができあがる。今の彼女なら、その結界で封じる可能性をかおるは考えていた。
「だめですわ」
川瀬が後ろでそうささやく。
かおるは彼女のほうを見る。そのとき、結界が破壊される音がした。
「彼女の本来の力は破壊、すべてを破壊する力が彼女の魔女としての本来の力、でもその力を発動するには条件があるのですわ。それは自身がかなり消耗をすること・・・、彼女を捕らえるには、そうなる前に捉えないといけないのですわ」
かおるはアリスに向き直る。
「もう、こうなったら、ウリエルの炎も持っている私を止めることはできないわよ。例え、異能力の世界で最上位の力である漆黒の力を持っている人間がいるとしてもね・・・」
アリスの雰囲気が異なっていることはそこにいるすべての人間が理解した。そして、その圧力があのレヴィアタンと同等、いや、より重圧であることをかおるだけが理解する。
かおるの頬に汗がたれる。
「scatter(散れ)」
アイスがその言葉を放った瞬間、かおると、川瀬以外の全員がその場から吹き飛ばされる。
「流石、漆黒の悪魔ね。あなたは簡単にはいかないわけか・・・、でも孝子は連れていかしてもらうわ」
アリスは、手を天に掲げる。
「我は貴殿らの神である。すべての理を統べし精霊よ。その力を我のために奉仕せよ。今ここに科学の進歩を見せる・・・・」
上空に大きな魔方陣ができあがる。
その魔方陣が瞬間的にやばいことをかおるはわかった。急いで、その魔方陣が完成して、行使される前に黒炎で消し去ろうとする。
「無駄よ」
だが、その黒炎は、ウリエルの炎により防がれる。
「ちっ!」
何回か、アリスを攻撃したりして陽動を試みてから、魔方陣を狙ったものの、精霊の声を聞くことができる彼女には通じず。魔方陣は完成してしまう。
「この町を吹き飛ばす規模のこの攻撃を防ぐことができるかしら? 残念ながら、漆黒の力はウリエルの炎で防がせてもらうわよ」
その魔方陣から、巨大なミサイル方の金属の塊が落下してくる。その大きさは見える空がそれで覆われるほどの大きさだ。
かおるは、黒炎を放つが、それはアリスの言葉通り、ウリエルの炎により防がれてしまう。
「おいおい、これはまずいな・・・」
周りを見る。だが、正子、竹市、篠原は先ほどの攻撃ですでにぼろぼろの状態だ。
「かおるさん。わたくしにあなたの全力を注いでくださいますか?」
気が付けば、後ろに川瀬が立っていた。
「全力ですか? でも、流石にそれじゃ、川瀬さんが持ちませんよ」
「ええ、わたくしにはなんらかの障害が残るかもしれません。でもこの町を、友達を守るにはそれしかないのですわ!」
川瀬の目は真剣な目つきだ。
確か、川瀬はかおるに家でも、何か特殊な力で魔法を消していた。おそらく、今回も同じようなことをするのだろう。
かおるは目を閉じて、いくばくかの逡巡をする。
(まったく、最上位の力である漆黒の力を持ちながら、一番いいところで役に立たないな)
そんな自戒をして、目を開ける。
「わかりました。できるだけそうならないように俺も頑張ります」
「ありがとうですわ。では」
そういって、川瀬が左腕をかおるに差し出す。その手をかおるは右手で握る。
「行きますよ!!」
「はいですわ!」
かおるはありったけの力を、できるだけ川瀬の体に無理がいかないようにして慎重に注ぐ。
「くっ!」
川瀬の体は今にでも爆発しそうなくらい悲鳴を上げていた。だが、彼女はそれに耐える。
「ふん。小ざかしいことはさせないわ」
2人の姿を見ていたアリスは、2人に魔弾の攻撃を放ってくる。もちろんウリエルの炎がついた状態でだ。
「!!」
だが、それが、2人に直撃する寸前に防壁で防がれる。
アリスがその防壁を作った人物の方向を見る。
「あんたの攻撃くらい俺が防いでやるよ」
竹市が、ぼろぼろになりながらも、なんとか立ち上がる。
「ふん。愚民が・・・・!!」
今度は、アリスに向かって雷竜が向けられる。それをアリスは防壁で防ぐ。
「あなたにお2人は攻撃させません!」
正子が片膝をつきながらも、なんとか力を振り絞る。そして、川瀬に言う。
「孝子さん。必ず、無事で戻ってきてくださいね。大丈夫です。障害なんか残りませんよ」
正子は、孝子に笑顔を向ける。
「ありがとうですわ。正子」
それからは、竹市が防御をして、正子が攻撃をして、なんとかアリスの意識をそらすが、それは一瞬で終わる。
2人は、簡単にアリスに伏せられてしまう。
「詠唱が出てきたね」
「そこはあまり触れないほうがいいぞ。作者も頑張ったんだ。やめてやれ」
「でも、なんか微妙な感じじゃなかった?」
「やめろ! まだ詠唱は出てくるんだから」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




