同じ趣味な件について(仮)
波形がかおるに近づいてくる。
かおるは、漆黒の炎を使って、小さなビルの屋上まであがった。
はてさて、どうしたものか、かおるの方向に川瀬が来ているには事実だろう。だが、どの道をどうやって来るのはがわからない。他の3人ならば、ある程度の感知スキルを持っているから、わかるのかもしれないが、かおるはそれを持っていなかった。波形だけでは心もとない。
(ベルゴ、お前、感知スキルみたいなのないよな?)
《ないな》
(だよなあ、さてと、どうしたもんかなあ、なんか案ないか?)
《俺は持っていないが、もう一つの力にはあるかもしれんぞ》
(もう一つ?)
《ああ、お前の中には、俺ともう一人の力があるだろう?》
もう一人、正確にはそいつの力がかおるにはある。
だが、それをかおるはまだちゃんと使ったことがない。
(ためしに、使ってみるか)
かおるは、自分の中で能力の切り替えをする。
右手を伸ばす。
そこには、今まで使っていたものとは違うものが纏われていた。
黒雷・・・・
これが、かおるのもう一つの力で、大罪悪魔レヴィアタンから、漆黒の祭典により奪った力だ。
問題はこれを使えるかどうかではなく、この力に感知系のスキルがあるかどうかだ。
かおるは、この力の内部に思考をめぐらす。
(お? いいのあった)
かおるは目に力をためる。
すると、あらゆる電波を目で見ることができた。もちろん、固有魔法電波もだ。固有魔法電波は結界などに入る際に、割り振られる番号みたいなものだが、この土地自体が結界みたいなものなので、それぞれに勝手に割り振られている。
この固有魔法電波は、鍛練することで見ることができるようになると、この前宮内さんが言ってた。
通常なら、ついこの前までただの一般人だったかおるに、そんな芸当ができるはずもないが、現在かおるが行使している力は、いわば電気系の力で最上級の力だ。彼の未熟さはカバーしてくれる。
よって、かおるは今、川瀬の固有魔法電波も見ることができる。
といっても、かおる自身、彼女の固有魔法電波を知っているわけではない。が、自分に近づいてくる固有魔法電波を確認すればいい。
かおるは目を凝らす。
「お! 来た!」
固有魔法電波を持った人間が近づいてくる。
「あれ?」
もう一つ、固有魔法電波ではないが、電波を放っている物体がその後ろにいるのを確認できた。
何か嫌な予感がしなくもないが、行くしかないか。
かおるは、その電波の方向に向かう。
今度は炎を使ってビルを飛び越えていく。
このとき初めて、二つの力を同時に使った。
- - - - - -
「いつまで、己の運命から逃げるつもりかしら? いい加減、あきらめなさい」
「わたくしは!」
川瀬は今、黒尽くめの魔女に追われていた。かおるの家で彼を襲った人物である。
さっきまで、あるアニメのイベントに参加していた川瀬であったが、まさかの黒尽くめの魔女まで参加していた。
幼い頃からの知り合いだ。趣味も同じ・・・。
2人は魔女なので、空中を飛んでいる。魔法使いの中で魔女といわれる人達はそれぞれ特殊な力を持っているが、その中で共通の力が空を飛ぶ力だ。
黒魔女が、魔法のステッキを使って、魔法弾を放ってくる。これは一番単純な攻撃であるが、一番魔法使い系の戦闘では用いられるものだ。
それを、川瀬は浮遊して避ける。
「逃げるだけなのかしら?」
「・・・・・・・」
黒魔女は今度、どこから出したのか、ナイフに集団を放ってくる。
川瀬は流石に量が多いので、逃げ切れず。防壁を作って防ぐ。
「残念でしたああ!」
しかし、ナイフが防壁にあたった途端、爆発する。
それにより、川瀬の防壁が破られる。
川瀬は、そのまま近くの建物の上に落下した。
「これで終わりよ! 大人なしく私についてきなさい」
まだ、残っていたナイフを川瀬に放つ。
もう川瀬に防壁を張る余裕はない。ナイフが川瀬に届く瞬間、ナイフが黒炎に包まれて消え去った。
気が付けば川瀬の前に一人の男が立っている。
「あなたは・・・・」
「いやあ、なんかよくわからないけど、助けてもよかったんだよな?」
「え、ええ、ありがとうございますわ。かおるさん」
- - - - -
かおるは、固有魔法電波を目掛けて向かっていると、その周辺で爆発やらなんやらが起きていたので、急いで臨戦態勢に入り、なんとか、川瀬のピンチに間に合った。
「あらあら、またあなたなのかしら?」
「さっきぶりだな。黒の魔女」
「黒の魔女とはね。それも好きだけど、私のことは魔法少女アリスと呼んでくれる?」
「それって、魔女っこアリスを意識してたりするのか?」
自身をアリスを呼べといった魔女は、空中から2人を見下ろしている。
「あら、知っているのね。流石、国民的アニメだわ」
「あんたは魔法少女って感じじゃないだろ。闇の魔女のほうがあってるんじゃないか?」
「言ってくれるわね」
その瞬間、アリスの後ろから黒炎が飛んでくる。
これはかおるがこっそりと、後ろに忍ばしておいた黒炎で、彼女を拘束しようとしたものだ。
それを、アリスは軽々とかわす。
「残念でした。私はどんな攻撃も意識せずともわかるのよ」
「魔法少女アリスもだって、そんな生優しいものじゃないのにね」
「魔女は皆、魔女っこアリスが好きなのかな?」
「どうだろう。でも、あのアニメは出てくる登場人物がほとんど女性で、少ない男性がかなりイケメンで、その声優も豪華だからね。女性人気がすごいんだよ」
「そりゃすごいな」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




