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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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イベントに来るわけがない件について(仮)


「稲垣 かおる、配置についたぞ」


『了解です。わたしも配置に着きました』


『俺もだ』


『俺もです』


 場所は、大型ショッピングモールの入り口、その中でも、かおるがいるのは駐車場に入るための入り口から、直線距離300メートルの位置にいる。


『それでは、皆さん、それぞれにたかこさんに通信を送り続けてください』


 その言葉に従い、川瀬に通信するための電波を送る。


 それによって、もし、この大型ショッピングモールの近くに彼女がいれば、良太郎が観測しているデータに異常がでて、彼女がいるところをある程度把握することができる。


 時刻は午後5時、今から、ショッピングモール内では川瀬をおびき出すための作戦が行われている。


(はたして、本当に上手くいくんだろうか・・・)



 正子と、篠原の作戦はこうである。

 なんでも、魔法少女である川瀬には好きなアニメがある。それは、昔から国民を楽しませているもので、名前が、魔女っこアリス。かおるもこのアニメは幼いことに見たことがあった。

 今日、そのアニメのイベントがまず、この大型ショッピングモールで行われる。

 なんでも、現在、行われている魔女っこアリスの第10期の最新作に、かおる達の土地から声優として参加している人がいるらしく、その人がそのイベントに出るらしい。

 このイベントはあらかじめ決まっていたものだ。

 だからこそ、このイベントに合わせて、今日作戦を実行したのだ。だが、開始時間はかなり変更をしてもらった。これは土地をすべる家の力で行ったらしい。本来なら、13時に始まっていたものを17時に代えてもらったらしい。

 その代わりに、夜には、別のショッピングモールでもイベントをしてもいいという約束をしていて、その場所が後三箇所ある。 

 その三箇所の開始時間が上手くばらけていて、そこを今回は捜索する場所に指定した。


 川瀬 たかこという人物は、そういったイベントには必ず参加しないと気が済まない性格だと2人は確信を持っていっていた。

 だが、今は普段とは違う。理由はわからないが、川瀬は逃げている身だ。その人間がやすやすとイベントを見に来るとは思えない。

 が、これが、全四箇所のイベントがあれば、その中の一つには必ず出てくるというものだ。

 そして、イベントを見に来た川瀬が、精霊から、かおる達が来ていることを知る。そのとき、篠原はサイレントスキルを使って、精霊にも知られないようにして動く。川瀬は、篠原が来ているところからは誰も来ていないと思い、そこから逃げようとするが、それを篠原が捕まえるというものだ。

 いわば、他の3人はお取りというわけだ。


 この作戦には竹市が最後まで難色を示していたが、最後はそれしかないかと納得した。


 最初から、川瀬にかおる達がいることを悟られてはいけないので、初めは少し離れたところから開始する。


 かおるは小走りで、ショッピングモールに走っていく。

 なんとも地味な作戦ではあるが、今はなりふり構ってられないので仕方がない。


 イベントの時間は30分、念のために45分ここで捜索する。

 次のイベントは19時だ。


『残念ながら、今回、たかこさんは来なかったみたいです』


 17時46分、その通信で、最初の探索は失敗に思った。


 かおる達は急いで、次の場所に向かう。


  -   -   -   -   -


『では、作戦開始です』


 19時、二個目の場所でも探索が始まる。

 今回のイベントは声優イベントではなく。ヒーローショウ的なもので、魔女っこアリスが敵を倒すものだ。もちろん、ぬいぐるみではあるが・・・。


 今回も、残念ながら、川瀬の痕跡を確認することはできなかった。


 次の場所に向かう。


 このとき、正直、かおるはこの作戦は失敗だろうなと思った。

 なぜなら、イベントに川瀬が来るとは思えなかったからだ。今回は、これに替わる作戦を思いつかなかったので、賛成したが、次は考えていこうと思った。

 

 だいたい、こんな遅い時間にイベントをするわけがないのだ。最後なんて23時に駅前でゲリラライブらしい。 


 だが、そんなかおるの予想は見事にいい意味で裏切られる。


 それは、三箇所目の21時から始まるイベント会場であった。

 良太郎が確認していた波形に異常が出た。

 彼から通信が入る。


『とうとうきたよ! スマホに送るから、それを見てね』


 四人はそれぞれにそれを見る。

 イベント会場その場所で、波形の乱れが起きていた。

 その場所目掛けてそれぞれがダッシュする。


 ある程度近づいたとき、その波形の乱れが動き出す。

 おそらく、かおる達に気がついたのだろう。まだイベントは終わっていない。


 その波形が、篠原の方向に行くと思いきや、かおるの方向に来た。


「え? なんか俺の方向に来たんだけど?」


『すまん。サイレントスキルの使いすぎで、効果切れだ』


「マジかよ! なら、なんで俺の方向?」


『おそらく、かおるさんの力を精霊が感じ取れなかったのか、そもそもかおるさんのデータが彼女になかったのかわかりませんが、これは好機です! かおるさん頑張ってください!』


「・・・・おお、了解」


 正直、かおるは、この重大任務に気が引けていた。


(やりたくねえ)


 だが、やるしかない!

「やりたくねえとか言ったらだめじゃないかあ」


「いや、もう俺働きすぎじゃね」


「そりゃ主人公だからね。これからも大活躍になる予定らしいから」


「はあ、頑張ります」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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