奇妙である件について(仮)
「ハルカは、説得したから大丈夫だ」
『それは、よかった。かおるもガールフレンドが危険にさらされるのは勘弁だもんね』
「ガールフレンドじゃねえわ!」
かおるが、いきなりそう叫んだので、かおるの周りにいた人達が視線を向ける。
ハルカを説得して、今、かおるは川瀬探索のため、正子たちと合流するために駅に向かっていた。
そして、その合間に今、良太郎と通信をして情報を得ているところだった。
(で、あの黒ずくめの魔女のことはわかったのかよ)
かおるは、声を出すのではなく。心の声に変更した。
また、思わず叫んでしまっては恥ずかしい。
『それが、あまりわからなかったんだよねえ、どこにもデータが無かったんだ。分かったことといえば、名前が、マリーって名前で活動していたことがあったってことと、純潔の魔女であるってことだけかな』
(純潔の魔女ね)
『これは、結構驚きなんだね。これが本当なら、博物館に飾られてもいいくらいだよ』
(そんなに珍しいのか?)
確か、ベルゴも似たようなことを言っていた気がする。
『そりゃもうね。魔女といわれる人間は結構いるんだよ。ちなみに、魔女っていっても性別は男も、女も関係ないんだ。魔女っていうのはね、魔法使いの中でも特殊な能力を持っている人間のことを例外なく魔女っていうんだよ。その中でも純潔は特殊だね』
(特殊な能力っていうのは?)
『魔法使いっていうのは、火、風、水、土の四元素の精霊を使って、魔法を行使するんだ。通常はその中でしか応用が利かない、でも魔女はその理を越えることができるんだ。例えば、雷とかね』
(雷? そういえば、雷を使っているやつが、俺を襲ってきた連中に中にいたぞ)
『それなら、その中にも魔女がいたんだね。でも多分、それは使い魔だからじゃないかな』
(へ? あれって、使い魔なの?)
『多分そうだね。流石にそこまでの魔法使いが、この土地に入ってきてたら宮内家が気が付かないわけがないからね。使い魔なら、主人の力を使うことができるから不思議ではないね』
(それじゃ、雷があの魔女の特殊な力なのか?)
『いや、純潔の魔女は、伝承では、少なくても5つは特殊な力を持っているって書いてあったから、その中の一つじゃないかな』
(それじゃ、地震の魔法は?)
『それは土の力だよ。流石に地震を起こすまでの力は強力だけどね』
(ふーん)
気が付くと、もうすぐ、駅というところまで来ていた。
(もう着くよ)
『そっか、それじゃ、後はお嬢さんの指示にしたがってね。俺は引き続き調査頑張るよ』
(オーケー)
通信が切れる。
それにしても、これからどうやって川瀬のことを探すんだろうか?
正直、八方塞がりな感じは否めない。
でも、みんなで集まろうといったということは、何か情報を掴んだのか・・・
「かおるさん!」
かおるは、後ろから声をかけられる。
振り向くと、そこには、小柄な女性がたっていた。
「あれ? 宮内さん、もう駅にいたんじゃないの?」
「少し野暮用を、駅には、もう2人がいるので、急ぎましょう」
「わかった」
2人は小走りで駅に向かう。
ー - - - -
「先ほどまで、たかこさんが行きそうな場所などを探していましたが、彼女の痕跡を見つけることはできませんでした。なので、方法を変えようと思います」
四人は、現在、駅前にある喫茶店の中で、作戦会議を行っていた。
机を囲んで、正子が奥に、その隣に篠原、正子と机を挟んでかおる、その隣に竹市という座りである。
「方法を変えるとは?」
竹市が聞く。
ここに全員が集まるまでは、それぞれ個人で動いていた。だから、誰も正子の考えをまだ知らない。
「これまでは、個人個人で捜索を行っていましたが、これからは、全員一緒になって捜索を行おうと思います」
「でも、それじゃ、効率が悪くなるんじゃないか?」
かおるが問う。
「確かに、普通に考えればそうですが・・・」
「たかこ相手だとそうじゃねえんだよ」
篠原が飲んでいた飲み物を飲み終えた。
「どういうことだ?」
「あいつは、特殊な能力を持ってるんだ。どうして、宮内家の感知スキルを駆使して、良太郎の情報網を駆使してるのに、この土地にいることはわかっているのに、見つけることができないと思う?」
篠原は、これまた、普段の彼女からは想像ができないしっかりした雰囲気だ。
まったく、こっちが少し戸惑ってしまう。
「それは・・・確かにそうだな。変だ」
「どうして変なんだ? 単純に隠れるのが上手いんだろう? 違うのか?」
竹市の意見に対するかおるの意見に、さらに竹市が答える。
「いや、相手が誰かわからない黒ずくめの魔女ならともかく、魔力の特徴や固有魔法電波がわかっている川瀬なら、どこかで必ず、それがどこかで感知されるはずなんだ。さらに、ここは宮内家の土地、この条件で、一週間も見つけられないのはおかしい。痕跡は掴んでいるのがその例だ。相手がかなりの使い手ならそれもあるかもしれないが、正直、川瀬はそこまでの使い手ではない。それなのに見つけられない・・・、俺達は彼女の姿さえ捉えられていない・・・」
竹市の顔をそれが、本当に奇妙であることを物語っていた。
「ガールフレンドだって!!」
「うるせえ!!」
「危険にはさらしたくないものだもんねえ」
「だから、うるせえ!」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




