超越者、何それ?な件について(仮)
(なあ、ベルゴ、あの人どうなってるんだ?)
かおるはベルゴに、江良さんについて聞いた。彼の言動から、彼が異能力などのことを知らないのは明白だ。
しかし、もしかしたら、自分が気が付かないで何か、異能力を使っている可能性もある。
《あれは、特殊な存在だな。俺も初めてみる》
(特殊な存在?)
《あれは、異能力の世界で超越者と呼ばれている存在だ》
(超越者? ってことは、江良さんも異能力者ってことか?)
《いや、いわば越えし者、つまり、異能力者の上に君臨するやつだ。昔から、英雄とかになるのは、ああいう人間だな。あいつはまだ、覚醒をしきっていないから、あれだが、今現状でも、あれと真剣に勝負をすれば、俺達は負けるだろうな》
(マジかよ・・・、ってことは覚醒しきれば、もう無敵ってことか?)
《そうなるな》
(ってことは、あの人を仲間に入れたほうがよかったんじゃ)
《一概にしてはそういえんぞ。超越者には、必ず、過酷な運命が用意されているものだからな。その周りのものにもその影響は来る。だから、お前も気をつけるんだな》
(そうか)
《それにしても、お前、あまり異能力の世界には関わりを持つ気はなかったんじゃないのか? さっき、普通に力を使えることを言っていただろう》
そう、かおるは、ここ二週間ほど、自分が力を使えることは黙っていた。が、宮内家での話し合いのときに彼は、実は使えるようになったと言ったのだ。だが、もちろん副作用があることも伝えた。
(仕方ないだろう? 何かあったときに、協力くらいしないとな。それが人間のつながりってもんだろ? 自分だけがいいじゃだめなんだよ)
《ふん。まあ、好きにしろ》
- - - - -
「あらま、私の駒をこうも簡単にやっつけてくれるなんて、あの人間、何者なのかしら?」
場所は、先ほど、かおると江良さんが襲われた場所である。
そこに2人の人物がいた。
「彼は、体内に大罪の悪魔を宿し者だよ。かなりの力を持っていることになる。でも、今回は別の人間がやったみたいだけどね」
「ふーん、あの有名な漆黒の力ねえ」
「でも、大丈夫だよ。私が渡した力なら、対当に戦えるからさ。目的は彼の始末ではなく。彼女でしょ?」
「そうね。このウリエルの炎があればね」
そういって、胸から小さな炎が入った小瓶を取り出す。
「でも、気をつけてね。その炎は、君の行動が正しいものであれば、無限の炎を提供してくれるけど、そうでなければ、君自身を焼きつくす炎に変わるからね」
「ふん。大丈夫よ、私の行為はすべて、正しいから」
黒ずくめの魔女は、指をくいっと上に挙げる。すると、周りに倒れていた黒ずくめの人間が蛇に変わり、彼女の周りに集まってきた。
「相変わらず、見事な魔法だね」
「当たり前でしょ、純潔の魔女なんだから、これから、私は魔女の地位を上げていくよね。そのためにあの子がいる」
それを見て、魔女の隣にいるフードをかぶった人物は思った。
(まったく、滑稽だよ。もうすでに魔女の地位なんて地に落ちているし、君達が必死に守ってきたと思っている魔法は、すでに異能力の世界では強力なものではなくなった。いちいち、魔法の杖を使わないといけない力なんて、誰が今後使うっていうんだか、でも、おもしろそうだからいいけどね。それに、流石に純潔はかなりの力を持っているみたいだから、なおおもしろくなりそうだ・・・)
「それじゃ、私はもう行くよ。頑張ってね」
「ええ」
フードの人物は消える。
「まったく、私が心を詠むことができることを知っているのかしら、ふん、滑稽ね。それでも私は、やりとげないといけない。お母様のためにも、そして、あの子のためにも・・・」
- - - - -
「それで、川瀬さんは、まだ行方はわからないのね」
かおるは、家に帰っていた。
「ああ、何か彼女にも複雑な事情があるみたいだ。俺も彼女の捜索の手伝いをしようと思う」
「それなら、私も・・・」
「いや、だめだ。ハルカには家で待機してもらいたい」
「どうして?」
「もしかしたら、ここに彼女が帰ってくる可能性があるからだ。だから、ここに誰かいる必要があるだろう?」
今、かおるは、宮内家でのやり取りを、隠すべきことは隠して説明した。
川瀬は、今友達からの連絡も取れない状況であり、学校も休んでいる。だから、今から捜索をする。
ざっくりそんな説明だ。
学校も休んでいることを伝えてしまうと、せっかく川瀬の居場所がわかったのに、その彼女が逃げるのを見逃してしまったと、ハルカは再度責任を感じるだろうと思ったが、そこは隠さないことにした。
「でも・・・」
「それに、お前は明日も部活があるだろう? それを休む気か?」
「別に一日くらい」
「一日でも休めば、それを取り戻すのに3日もかかるから、絶対に休めないって、お前がいつも言っていることだろう? 今回のことは俺に任せて、ハルカはハルカのするべきことをするんだ。それに、俺は暇だからな」
ハルカが、自分も捜索に加わると言い出すのは、もちろん想定済みだ。
だが、ハルカには部活がある。そこをしっかり注意すれば、彼女が引き下がるだろうとかおるはわかっていた。
「・・・わかったわよ」
「超越者だってね!」
「またまた、江良さんパネエ!!」
「彼はパネエです!」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




