久しぶりな件について(仮)
川瀬が家から消えた。
その事実に、ハルカは自分でかなりの責任を感じていた。
彼女は川瀬が意識がないので、まだ意識が戻らないであろうと思い。彼女を自身の部屋に残して、リビングに下りてきていたからだ。
もし、あのとき、ちゃんと見ていたらこんなことにはならなかったのではと感じていた。
しかし、かおるはそれでよかったとも思っていた。もし、川瀬が自分の意思ではなく。誰かによって連れ出されていた場合、ハルカが近くにいたことによって、彼女が傷ついていた可能性もある。
無責任な話かもしれないが、それに関してはよかったと、かおるは思っていた。
だが、川瀬が自らの意思で姿を消したというなら、その理由はかおるにはわからない。
確かに、何かを隠しているような印象はあったが・・・。
今、かおるは宮内家に向かっていた。
家に、正子を呼んでもよかったのだが、話が話だ。おそらく異能力の話となるのは自明である。
それはハルカに聞かせられる話ではない。
だから、ハルカには家で待機してもらっている。
彼女には「俺がなんとかするから、家で大人しく待ってろ、お前が責任なんか感じる必要はない。お前が責任を感じるなら、俺も同罪だからな。だから、安心して待っててくれ」と、なんともかっこつけたことを言ったかおるであった。
宮内家の入り口に来る。入り口といっても、家のではなく。結界の入り口だ。
この入り口からは案内人がいなければ、本家にたどり着くことはできない。
「久しぶりだな」
少し待っていると、後ろから話しかけられる。
「おお、久しぶり」
「相変わらず。むかつく顔をしている」
「またまたー、そんなこといって、俺に会いたかっただろう?」
「うるさい!」
「まあ、行こうよ」
かおるに話し掛けてきた人物は、竹市 新之助だった。
彼は宮内家分家の人間であり、防壁系能力のスペシャリストだ。
この前も、彼には本家に連れて行ってもらっていたので、かおるが彼と行くのは二回目であった。
2人はくねくねと道を曲がっていく。道には霧がかかっており、この前に一緒に来たときとは、違う道筋であるのは、かおるにもわかった。
しばらく、獣道を歩いていると、霧が晴れて、大きなお屋敷が目の前に広がる。
この前、かおるが破壊した壁は、もう修繕がされていた。
「ちゃんと、ここに来るのは初めてだ」
「お前、この前みたいに、突っ込んでいったりするなよ。今日はちゃんと玄関からだからな」
「わかってるって、いくらなんでもそんなことしないから」
「ふん」
竹市がインターホンを押す。
「稲垣 かおるを連れてきました」
『はい、ご苦労様です』
正子の声であった。
そして、大きな門が音を立てて開く。これはこの前には見れなかった光景だ。
その後も、竹市の後をついていく。
結構は距離を歩いた末に、ある襖の前で竹市が止まった。
「失礼します」
襖を開ける。
そこには広い和式の部屋がある。その中に、3人の人間がいた。
「かおるさん、どうぞお入りください。竹市さんも、どうぞ」
「皆揃ってるんだな」
「失礼します!」
そこには、この家の主、宮内 正子、その友達、篠原 としこ、そして、宮内家専属情報屋、梅本 良太郎が掘りごたつに座っていた。
かおると、竹市は空いている場所に座る。
「すみません。わざわざご足労頂いて」
「いやいや、全然、うちじゃ無理だしね。ちょうどよかったよ」
座ると、どこからともなく、使用人風の女性が出てきて、かおるの目の前にコーラが出された。
それは、竹市にも用意される。
ちなみに、正子はお茶で、篠原は水、良太郎はカルピスだった。
「早速本題に入りますね」
「うん」
「実は、たかこさんは、ここ数日学校にも来ていなくて、わたし達の目の前からも姿を消していました。連絡も取れない状態だったのです」
「それで、俺達は結構探してたんだ」
それから、かおるは、現在の状況を説明される。
なんでも、川瀬とは、例の宮内さんを元気付ける会があった翌日から連絡が取れなくなったそうだ。家に行ってもいなく。通信を行っても通じない。
最初は何か、用事でもあったのだろうと思っていたが、それが3日も続けば、心配にもなる。
それで、2人は良太郎に行方を捜すように頼んだ。
良太郎は、自身の情報網を駆使して、探索を開始した。成果はあった。この土地で川瀬がいることは確認ができた。
しかし、良太郎の捜索は一歩遅く。いつも、見つけたときにはそこにもう彼女はいなかった。
それが、一週間近く経ったときに、かおるから連絡があったそうだ。
「そうだったんだ」
「それで、何かあいつは言ってなかったか?」
篠原が前のめりに聞いて来る。
よほど、心配らしい。
「いや、俺に対しても最初は反発してたからなあ・・・」
その後、今度はかおるが、川瀬を見つけてから、黒ずくめの女に襲われて、その後川瀬が消えるまでのことを話す。
「そうですか、そんなことが・・・・」
「もしかしなくても、その黒ずくめの女に追われてるってことだよね」
良太郎が、正子に言う。
「そうですね。まずはその人物が誰なのかを知る必要があるようですね」
「いやあ、久しぶりの登場でうれしいよ」
「タイトルに書いてあるからな。良太郎だけじゃなくて、竹市とかも久しぶりだろう?」
「次回も久しぶりのあの人が!らしいよ」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




