データが不安な件について(仮)
補習期間が終わり、今は梅雨の時期となった。
なので、最近はじめじめとした日々が続いている。だから、この時期が嫌いな人間は多い。
しかし、かおるはこの時期が嫌いではなかった。なぜなら、この梅雨を過ぎれば、すぐに夏休みが顔を見せるし、雨が降ることによって、あまり得意ではないプールが無くなったりするからだ。それに、雨が降っているという理由で、家にいてもハルカに小言を言われることも少なくなる。
「よっしゃあ、ざまあ!」
かおるは、今、そのじめじめした中、やっと、補習を入れたテスト期間が終わってからの初めての休みを、ゲームをして過ごしていた。
より長くゲームをするために、彼はわざわざ早起きをして、ハルカが部活に出て行ってからすぐに始めた。
「さてと・・・」
かおるは、時刻を見る。もう13時だ。ハルカが帰ってくるのは、早くても15時だ。いったん、昼飯を軽く取ってから、また再開すれば後2時間近くはできる。そうすれば、このステージをちょうどクリアできるくらいの時間だ。
かおるは、ゲームをセーブしてからキッチンに向かう。冷蔵庫を開けてハルカが作り置きしていった食事を取り出して、机に置いた。
それを、急いで口に入れる。
「よし!」
皿を置いて、急いでテレビの前に戻る。
今から、再開だ!!
ドゴーーーーン!!
瞬間、家の中の電気という電気が消えて、一面が真っ暗になる。
「は?」
かおるは意味もなくあたりを見渡す。一瞬意味がわからなかったが、すぐに状況が飲み込めた。
(雷が落ちたのか・・・)
いわゆる停電というやつだ。
もしこれが、ゲームをしている途中ならかおるは発狂していたかもしれないが、幸い、先ほどかおるは昼食を取るためにセーブをしていた。よっぽどのことがないかぎり、データが消えることはないだろう。
かおるは落ち着いて、立ち上がり、ブレーカーを上げに玄関まで出て行く。
「あれ?」
かおるは、ブレーカーをガチャという音と共に上げるが、電源は戻らない。
もう一度上げる。戻らない。それを、3回ほど繰り返す。
「おお、マジかよ・・・」
おそらく、電線か何かがやられたのか、だからブレーカを戻してもどうにもならないわけだ。
これでは、ゲームはできない。せっかくテンションがあがっていたのに残念だ。
かおるは、肩を落としながら、リビングに戻って、うなだれながらゲーム機を直した。もし、今電源が戻っても、もうやる気はなかった。
さて、どうするかなとかおるは考える。正直、やることがないわけではない。学校の課題などは、もちろんある。だが、それをやる気にはなれなかった。
かおるは思考のすえ、財布を取りに行く。とりあえず、お菓子でも買いに行こうと思ったからだ。
外は、雷が落ちたくらだから雨が降っていると思っていたが、曇っているだけで、降ってはなかった。地面をみても、降った後はない。雷はかなり遠くに落ちたんだろう。と思い。かおるは、一応、雨が途中で降ってきたときのことを考えて傘を片手に家を出た。
かおるの家から、彼が目指しているコンビニまでは、300メートルほどだ。
その道のりの半分まできたときに、知った後ろ姿をしている人物にあう。
(あれは・・・・)
背中に羽を生やしていて、片手にはステッキを持っており、派手なふりふりが着いた服でゴスロリのような格好、うん、間違いない。あれは川瀬だ。
かおるは、声をかけるか迷う。
正直、そこまで仲がいいというわけではない。彼女とは宮内さんを元気付けようの遊びのときに話をしたくらいで、その後の学校では特に会うこともなかったので、話をしていない。
まあ、でも、今の彼女の歩くスピードを考えると、かおるはこのままでは、すぐに追いついてしまう。わざわざコンビニまでの行き方を変えるのは面倒だし、といっても追いつかないようにするのも面倒だ。仕方がない、話しかけるか。
「!!」
かおるが、そう思って、声をかけようとしたとき、目の前で、川瀬が横の家の塀にもたれかかるようにして倒れる。
「川瀬さん!」
かおるは急いで、彼女の元へと駆け寄る。
そして、肩を支えようとする。
「大丈夫!?・・・!?」
かおるが、川瀬に触れると、川瀬の体は、雨も降っていないのにびしょびしょであった。
川瀬の顔を覗きこむと、その顔は青ざめていて、今にも意識を失いそうであった。
川瀬が、かおるに気が付く。
「か・・お・・るさ・・ん・・?」
「どうしたんですか?」
「いや、ちょっと、体調が優れない感じですわね。でも大丈夫ですわ」
川瀬は、ゆっくりと立ち上がろうとする。
が、体が気持ちに追いついていなく。すぐにひざが折れかける。それを、かおるが支える。
「ちょっ、無理しちゃだめですよ」
「これくらい、大丈夫ですわ」
「でも・・・」
まったく、結構頑固なところがあるのが、この川瀬という人物であるのは、少ない交流でかおるが、わかってたことだった。
(どうしたものかな・・・)
仕方がない。かおるは、彼女の肩を支えて言う。
「ちょっと、うちで休んでってください。こんな状況で、放ってはおけないんで」
「なんでかおるが、敬語なのかというと、相手が2年生だからだよね」
「そう、年上にはちゃんと、敬語を使う派なんで」
「ちなみに、俺も年上だけどね」
「え?」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




