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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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気が付かないはずがない件について(仮)


「今日は、ありがとうございました」


 正子がかおる達に向けて頭を下げる。


「えっ? 正子どうしたんだよ!? いきなり頭なんか下げて」


「本当ですわ。今日は皆で遊んだだけで、わたくしたちに礼を述べる必要なんてないですわよ」


「そうだよ。どっちかっていうと、今日は俺の誘いに乗ってくれた皆に、俺が礼を述べたいくらいだよ」


「・・・・・・・・。」


 3人が、急いで正子の礼に対しての言葉を述べる。


 かおるも何か言おうと思ったが、正子の様子を見て、何かを言うべきではないと思った。なぜなら、彼女の目は、すべてを理解しているように思えたからだ。


「本当にありがとうございます」


 正子は、彼らの言葉を頭を下げたまま聞いた後、再度礼を述べる。


「いや、だから、頭上げろって・・・・」


「わたし!!」


 正子が篠原の言葉をさえぎり言う。


「わかっているんです。みなさんがわたしのために、この日を用意してくれたってこと・・・」


 正子は顔を上げる。

 その目にはうっすらと涙が溜まっているように見えた。

 その言葉を聞いて、3人は黙る。


「今日、一日を通して、みなさんがわたしのことを楽しませよう、元気付けようとしてくださっていることを、ものすごく感じました。みなさんは、祖母のことから落ち込んでいるように見えたわたしを、励まそうとしてくださったんでしょう?」


「いつから、気が付いていたんだい?」


 良太郎が問う。


「はっきりと、そうだろうなと思ったのはお昼を食べてからです。そこで、みなさんがわたしに、いろいろと楽しいことを提案してくださったので・・・、でも、最初から、もしかしたらとは思っていました。だって、良太郎さんや、かおるさんまでもそんな格好するなんておかしいじゃないですか」


 正子は微笑む。


 かおると良太郎は、まず自分の格好を見て、相手の格好をみて、彼らも微笑んだ。

 自分達がおかしな格好をしていることを再認識したからだ。


「それに、2人も」


 正子は、篠原と川瀬を見る。


「わたしが、2人の格好を見て、それが気合の入ったものか、そうでないかがわからないはずがないでしょう? 今日が気合が入っていることは最初からわかってたよ」


「正子・・・」


「まさこさん・・・」


「だから、みなさんにはお礼をいいたいんです」


 正子はまた、頭を下げた。


「お嬢さんには叶わないな」


 その言葉にまた、彼女が微笑む。

 かおるは、やはり彼女には笑顔が似合うと思った。


 少しして、正子に言葉が投げかけれる。


「・・・それでさ・・・正子、その・・・」


「どうして、中二行動をやめたの?」


 篠原が、正子に何か言おうとして言いよどんでいるのを見て、かおるは意を決して、聞いた。ある意味、関係の薄い人間が聞いたほうがいいと思ったからだ。


「それは、そうですね・・・。何か深い意味があったわけではないんです。その時期が来たという表現が一番いいかもしれませんね」


「つまり、しっかりしなければいけなくなったから、やめたってこと?」


「簡単に言うと、そうかもしれません。でも、それが嫌いとはではないです。だから、2人にはわたしがそうだからと言って、やめて欲しくないし、わたしはこれからも2人と一緒にいたいです」


 正子は、あまり表情を変えずにいった。


 それを見て、かおるが再度意を決して、言おうとしたとき別の人物が叫んだ。


「無理していってんじゃねえよ!!」


 叫んだのは篠原だ。


「今日一日見て思ったぞ。正子はやっぱりこれが好きなんだってな。だから、無理して時期が来たといってんじゃねえよ! 好きなことは好きでいいじゃねえか!!」


「ともちゃん・・・」


「そうですわ! 正子さんは、わたくし達の前では無理をしなくていいのですわよ。だってわたくし達、仲間でしょう? すべれをさらけ出していいのですわよ」


「たかこさん・・・」 


 その言葉に、正子が唇をかみ締めながら、目に涙をためる。

 良太郎が正子の前へと踏み出す。


「そうだよ。お嬢さん。家のことを気にしているのかもしれないけど、皆、君の幸せを一番に願っているんだからね。確かに、将来的にはしっかりしないといけないのかもしれない。でもさ、まだ高校生じゃないか、だから好きにしていいんだ。もし、それでも家のためにと思ってしまって心が痛むようなら、この2人の前だけでも、本当の君でいていいんじゃないかな?」


「良太郎さん・・・」


 かおるは、四人を見て、素直にいいなと思った。これが仲間というやつなんだろうなと・・・、正直にうらやましかった。


「わたし!・・・」


 ついに、涙腺の崩壊だ。正子は、顔を両手で押さえながら涙を流す。

 正子には、篠原と川瀬の2人が寄り添うように両肩を支えていた。

 

 これでやっと一段落なのかもしれないなとかおるは思った。





 しばらくして、正子が目を腫らしながらも泣き止んだ。

 そして三度、お礼を言う。これは、先ほどまでの一歩引いたものではなく。かおる達が素直に受け取れるものだった。


「それじゃ、本当に解散ということで」


 良太郎のその言葉で、本日の解散となる。


 そして、最後に正子からの一言・・・


「ふん! 仕方がないな。我の中に眠りし雷竜のうずきがもう限界だからな。今日は引くとしよう。さらばだ!!」


「またね」


「また学校でー」


「いやあ、いい話だったね。俺の力だね」


「お前の格好さえなければな」


「あれがあったからなおよかったんだよ。ほら、俺のセリフとは最高だったでしょ?」


「自分で言ったらだめなやつだからそれ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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