竹市は考える件について(仮)
「ふー、まさかこんなにも簡単にいくとはな。流石だな。」
『これからが、本番だよ。中にはこんな罠にはかからない。正真正銘の上級能力者がいるからね。上野を退けたかおるなら、相手を倒すことは簡単だろうけど、おそらく黒幕は上野よりも、強くて、策士だと思うから気をつけてね。ここまでかおるが侵入するのも、相手の思惑通りかもしれないから・・・。』
「オーケー。気をつけるよ。」
かおるは、現在、すでに特別棟に侵入済みであった。しかも、玄関から堂々とである。かおる自身まさか、こんな簡単に入ることができるとは思ってはいなかった。
これだと、要塞という言葉も悲しく聞こえてきてしまう。といっても、良太郎いわく、この特別棟に侵入者が入ろうとした人間自体がそもそも、いなかったらしいし、こちらに良太郎がいたことがこの成功に繋がっているわけだが。
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転移魔方陣から、黒炎が出てきて、すべての魔術的、異能力的トラップを焼き尽くしていった。みなが何をすることもできず。ただそれを眺めていることしかできなかった。
「くそ! 何が起きているっていうんだ!」
ある一人の能力者がいう。おそらく、現状をみて軽いパニックが起きているのであろう。
緊張をしている中、よくわからないことが起きているので、そういう状況に慣れていない。場鳴れしていない人間ならば、そうなるのも不思議ではなかった。
しかし、俺は違う。
俺は今、この状況の分析を行っていた。竹市家の人間がこんなところでわなわなするわけにはいかない。
おそらく、今見えている黒い炎は、漆黒の力であるのだろう。それが、今、術式を焼いている。おそらく、それにより魔法などの効力はなくなっているのだろう。それが、漆黒の力であるあの黒い炎の力であると考えることができる。
そうなれば、これは俺たち、竹市家にとっては問題だ。
竹市家は、防御能力の中で、結界能力を持っている。それを応用した防壁が主要な力だ。それにより完璧な防御を実行することができている。
しかも、俺たち、竹市家はその防壁に、付加能力を付属することにより、それをさらに有能にしている。
俺は、防壁に反射作用を付加することによって、攻撃にも転換できるようにしている。
しかし、この作用を相手の力は打ち消す能力があるのかもしれないのだ。そうなると、対抗手段がない。
俺は必死に頭を働かせる。
まずは相手の力が予想通りなのかどうかを確かめる。敵が転移してきた瞬間に、相手の周りに結界を張る。それによって、相手がその結界をどう破るかで判断する。もし、そのまま捕らえることができるなら、それはそれで最高。
もしそうではなく。俺の考えが正しいなら相手は結界を破ってくる。対抗手段は、相手が炎であるなら、こちらは水系統か、氷系統の能力で対抗する。とすれば
「おい、ここに、水か氷を使う人間はいるか?」
「私が!」
「僕が!」
四人か・・・。四人ならなんとか足止めをするくらいならできるか。その隙に竹市家秘伝の拘束術式で、相手を拘束できれば完璧だな。
よし!
そのとき、転移魔方陣が光だした。また、光は何かが転移してくることを示している。
今度こそ来るか!?
ドカーン!!
激しい音とともに、白い煙が転移魔方陣から出てくる。
(これは毒ガスだ! みんな防壁で煙から自分を守るんだ。これは触れるだけで、気を失う力を持っている煙だから、自分で防壁を守れないものは、できるものに守ってもらうんだ。これ以上被害を出すわけにはいかない。相手は、侵入するのをあきらめて、ここにいる人間を始末する気だ!! 煙がなくなるまで、絶対に防壁はとくんじゃないぞ!!)
いきなり脳内に緊急通信が入ってくる。
その指示にしたがってみなが防壁を張る。もちろん俺もだ。
あたり一帯が白い煙に包まれる。さらに転移魔方陣からは黒い煙も出てくる。
周りから爆発音や悲鳴が聞こえてくる。
くそ! 何がどうなっているのかわからない。残念ながら、感知系の能力は俺にはない。今は、この煙が引くのを待つしかない。
でも、もし、いきなりこの状況で相手が責めてきたら? もし、相手が俺の予想通りの力を持っているとしたら? それなら、この悲鳴も納得することができる。
相手は自分だけが何かマスクなどを使って、このガスをやり過ごす。それで、あの炎を使って、防壁を手当たり次第に破っていく。それによりみなが煙にふれ、意識を奪い取られる。
なんてことだ! これなら万事休すじゃないか!
しかし、だからといって何かをできるわけではない。一応、二重の防壁を張ることにによって、すぐに煙に触れないようにする。もし、やられるとしても相手の顔を見ておきたかった。
その状態で俺たちは、数十分も待機させられることになる。
何の効力もない煙の中を・・・・。
「新キャラの登場で、少しは空気が変わってよかったね。」
良太郎が作者に言い放つ。
「はい! ありがとうございます。」
「そんなことより、もっと文章能力上げないとな」
かおるの容赦のない一言が作者の心を刺す。
「精進します・・・。」




