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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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飛び込めるとは思えない件について(仮)


「確かに、忍は自分の存在を消すことが必要だが、だが、それは、必要最低限のものは必要だ! こんなやつに将来の篠原家を任すことができるわけがないじゃないか!」


「そうですが父上! この男の力は本物です! 忍の枠を超えたものですよ! 例え影が薄くても!」


 かおるは何かこのやり取りが無償に腹立たしいものになってきた。


「だめだだめだだめだ。この男との結婚は許さないぞ! こんな幸の薄い。こんな人間が、篠原家に入ったら何か不幸が起きるに決まっている!」


「あの、別に俺は結婚なんて・・・」


 その言葉でトシコの父親がかおるを睨む。


「結婚はしないだと? お前、娘をたぶらかしているのか!!」


 トシコの父親が拳を掲げる。


「父上!! やめてください! 俺の大事な人ですよ」


 その言葉で拳が下ろされる。


「ふー、俺は2人のことを認めないからな。どうしても、その男と共になりたいなら、お前も篠原の名を捨てることだな」


「父上・・・・」


 トシコの父親はまた部屋を出て行く。

 かおるは、冷静にデジャブだなあ、と思った。この親子は何を考えているのかまるでわからなかった。というか、人のことを馬鹿にしすぎではないか。


「かおる・・・、どうしてこうなったんだろうか?」


「うん、最初から間違いだったな。まあ・・・」


「母上は・・・」


 そこで、急にトシコの身の上話が始まる。

 かおるは、本当に人の話しを聞かない人だなと思ったが、何か彼女に真剣な雰囲気を感じたので、黙って聞くことにした。


「母上は優秀なくの一だったんだ。多分、全世界の忍の中でもトップレベルに位置している人だった」

 

 トシコは椅子に座りなおす。


「でも、俺が小学校に上がるころ、2人の仲が悪くなり始めた。理由は、将来の忍に対する考え方の違いだ。父上は、忍の規律を重んじ、これからも陰のものとして、表の世界とは付き合わずにやっていこうと考えていた。でも母上は違った。母上は俺や兄たちのことを考え、今までの忍の世界の考えにはとらわれずに、もっと風通しいい世界にしようと思っていたんだ。だから、積極的に違う世界との関係を築いていった。そのおかげで、俺がこの土地に来ることができたんだ・・・」


「そうなんだ」


「でも、それが忍の世界で保守派とされる人達に問題となっていった。父上もあまりいい顔はしていなかった。だから、母上にやめるように言ったんだ。これまでのことは不問にするから、もう活動はやめるようにと・・・、でも、母上は聞かなかった。それで、父上は母上を篠原の家から追い出した。忍の世界から追放したんだ・・・」


 正子の家のことを聞いても思ったが、異能力の世界では、自分のように突然変異みたいに能力を手に入れた者とは違い。代々その力を受け継いできた人達にはいろいろと大変なことがあるんだなと、かおるは思った。


「そうか、まあ、これから、お父さんとはいろいろと話さないといけないだろうけど、今はここから抜け出すことを考えようか」


 かおるは、腕を縛っている鎖を破壊して、立ち上がる。


「え? かおる、どうやって?」


「いやあ、棚から牡丹餅というのか、2人の会話を聞いてたらなんか腹が立って来て、そしたらなんか力が少し回復したんだ。なんか、漆黒の力には感情の起伏が影響するのかもしれないな」


 かおるは手に黒炎を纏って、それをトシコの鎖にぶつける。

 ガチャンという音がして鎖が崩れた。


「で、どうしようか?」


「そうだな。多分、この部屋の外には見張りがいるだろうし、この部屋の中自体が見張られてるかもしれない」


「え? まじか、じゃあ、今のこの状況もやばいな!」


 かおるは周りを見渡す。


「その力はどれくらい持ちそうなんだ?」


「そうだな。テンションを上げれば、結構持つと思うけどな。まあだけどできるだけ節約できるならそれにこしたことはないだろうな」


「そうか、なら、まずはこの部屋を出ることを考えよう。俺がまず出て見張りをなんとかするから、その後に出てきてくれ」


「大丈夫なのか?」


「へっ、俺だって、正子のことがあってからかなり鍛えたんだ。あの魔女相手には遅れを取ったが、今回は期待しててくれ」


 トシコは、そういうと扉の前まで行き、瞬間的に扉から出る。

 ごとごと、という音がして、トシコが扉から顔を出す。


「いいぞ。出てきてくれ」


 かおるは、少し驚いた。トシコの力量はあまりわからなかったが、正直、あまり高くないと思っていた。だが、もしかしたら、一般的にはかなり上位の力を持っているのかもしれない。


 かおるは部屋の外にでる。


「これは・・・、予想外なんだけど・・・」


 かおるの目前に飛び込んできた景色は、断崖絶壁がすぐ目の前にある光景だった。そして、その周りにあるのは山々だ。


「えっと、これからどうする感じ?」


「そうだな。まずはこの崖を下りるか」


「え?」


「だからこの崖を」


「いやいやいや、篠原はいけるかもしれないけど、俺は無理だろう」


 かおるは崖の下を見る。そこには暗闇があるだけで、とても飛び込めるものとは思えかった。


「飛び込むの? 飛び込まないの?」


「明日になればわかる」


「ええ、教えてくれてもいいのにね」


「ここで、ネタバレをする意味がわからないわ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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