280話 待ち伏せの一撃
馬車でシャロンがいる場所に向かっている私たち、馬車に乗る時間が増えていくことにつれて会話の数が減っていった。
(なんだかみんなの顔が真剣になってる、まぁ戦いに行くんだから当然か)
「マーチャ、シャルフシーセンの怪我はどうなの?」
「そうじゃな……一言で言えばまだ油断はできない状況なのじゃ。じゃから儂は安静にしてろと言ってるのじゃ、じゃが奴はアホなのかバカなのか……絶対復讐してやると躍起になってるのじゃ」
「体を縛っても?」
「……それはやってなかったのじゃ」
シャルフシーセンは体を壊してまでも復讐を目指しているという……
「そろそろ封宝玉の場所でしょうか?」
「近くから反応がしてる、この谷の下だろう」
「ここで馬車を停めます。シャロンの場所までは徒歩で行きましょう」
私たちは封宝玉の反応がある場所に辿り着き、谷を降りていった。
(こんなところにシャロンが居るのかなぁ……)
「瑞希、どうしたのじゃ?」
「こんなところにシャロンが居るのかどうか疑問になってね」
「確かに気配はないですね……」
「別にいいだろう。封宝玉を奪還できればいいんだからな」
谷底に辿り着くと私たちは周りを警戒し始めた。
「皆、用心するのじゃ」
「ああ……」
私たちが周りを警戒し始めた。その時、上から何者かが振ってくるのを感付いた。
「みんな!上だ!」
「奴は上に居たのか!!」
顔を上に向けるとそこに居たのは私たちを叩き潰そうと拳を振りかぶっていたシャロンだった。
「シャロン!!」
「お前たちをぶっ潰す!!」
(とても化け物の姿になってやがる!!)
「ハァァァ!!!ッッ!!」
マーチャは私たちを守ろうと対物シールドを展開した、だがその対物シールドにひびが入り始めていた。
「早くシールドの外に出るのじゃ!」
「ああ、とりあえず奴を引き付け……いや違う!ヒナやってしまえ!」
私はヒナに合図を出した、だが急なエンカウントだからかヒナは私の背後に居た。
「距離を取らせて」
「分かった。投げてもいいか?」
「ん?」
私はヒナを軽々と拾い上げ、足場のある場所にぶん投げた。
「……軽いのか」
「そこから差し込めないか!?」
「試す」
ヒナは触手をシャロンに伸ばし始めた、だがシャロンは触手を軽々と叩いて落とした。
「こんな細い紐……弱いぞ」
(隙を狙って差し込まないと駄目なのか……厳しいな)
私たちはシャロンに急襲され、不利な状況の中で逆転の一手をどうやって差し込むか戦いながら考えるのだった。
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