2話 来訪者と魔法
私はラックさんにどうやって木を切ればいいのか聞いた。
「ねぇラックさん、木ってどうやって伐ればいいの?」
「そのあたりに斧があればいいけどここは人があまり来ない場所、つまり普通なら斧なんて落ちてないんだ」
「……なら詰んでるね」
「まぁ普通なら斧は落ちていない。だけど今はLUCKの力があるからもしかしたらあるかもよ?」
「そうだ、たしかラックさんは幸運に宿る神だよね、私にLUCKを授けてくれた神、つまり幸運を司れるのか?」
私はLUCKをどうにかして発動したいがどうやって発動するのか分からない。
「ラックさん?LUCKの発動方法って一体何なの?」
「もう発動してるはずなんだけどね~」
「つまりパッシブスキルって事?」
「そういう扱いでいいね、さぁ探そうか」
私は森の中を歩いて斧が落ちてないか探していった。
(しかし森の中に斧を放置する木こりなんているのかなぁ)
森の中を歩いて行くと斧が突き刺さった木を発見した。
「おっと、ラッキー」
私は斧を引き抜き、周りを見渡した。
(周りに人は居ないね、これって盗んでもいいのかな)
「このあたりは魔物がいるかもしれないから気を付けてね」
「私武器無いけど?」
「ほら、手に持ってるじゃんか」
ラックさんは斧を使って魔物を倒すことが出来ると言っていた。
「今の目標は木を伐ることだ、魔物を倒す事じゃないよ」
私は斧を持って平原の近くの木に向かった。
(ここから木を倒していけば持ち運びするときに楽になるな)
私は斧を必死に木に打ち付けていたが全くと言っていいほど伐れてる感触が無かった。
「ラックさん、全く伐れてる気配無いんですが……」
「そうだね……全く役立たずの斧だ」
私は斧を木に立てかけ、どうしようかと途方に暮れていると後ろから声がかかった。
「ねぇ、何か困ってるの?」
私は声のかかった方向を見るとそこに立っていたのは後ろから翼が生えていてなんだかすぐ破れそうな服の人だった。
「あなた、一体誰ですか?」
するとラックさんが耳打ちで目の前に居る人について教えてもらった。
「今目の前に居るのはサキュバスだ。それにあの服装……上位の存在だな」
「上位の存在って何なのよ」
「サキュバスの中でトップクラスに強いんだよ。逃げるか服従するかの選択肢っていう奴だ」
「ちょっとそこ二人で何を話してるのよ
」
目の前のサキュバスは私たちに近寄ってきているが私は後ずさりをしていった。
(このサキュバスに関われば絶対ロクな目に合わない気がする……!)
「ちょっと待ってよ~」
サキュバスは飛んで私のすぐ近くに飛んで腕を掴んできた。
「何するのよ!?」
「へぇ、あなたの体とてもいいわね、惚れちゃう」
ラックさんはサキュバスの体に突撃して追い払おうとしているがサキュバスはそれを気にも留めずに私の体を触っていった。
「それであなたは一体何なのよ。それにどうして私に絡みに来たのよ」
「こんな人があまり立ち入らない場所に人が居たら気になるじゃないのよ、あと美人だったからね」
「そうなのか、私はこの役に立たない斧で木を伐りたいんだけど」
私は斧を手に持ち木を伐り始めた、その光景を見たサキュバスはじっと見ていた。
(この切れ味の悪い斧を手にしたのは最悪すぎるんだけどなぁ……)
すると下からサキュバスがのぞいてきた。
「それ、とても切れ味悪いのね。持ってくるよ」
そう言ってサキュバスはどこかに飛んでいった。
「ラックさん、あのサキュバスはいったい何だったんですか?」
「さぁ、でもあなたに惚れてるように見えたからとてもめんどくさそうだぞ」
私は切れ味の悪い斧を振り続ける事数十分、例のサキュバスが斧を持ってきていた。
「その斧切れ味が悪いんでしょ?これを使って?」
「……いいのか?」
「ええ、対価はいらないから」
「ありがと」
私はサキュバスからもらった斧を持って木を伐った、するとどんどんと木が倒れていった。
「すごぉ……切れ味すごぉ」
「良かったじゃん、それでこの木をどうするの?」
「……ラックさんどうするの?」
「木を加工して簡単な家を作ろう」
「家を建築するの?それってこの子一人だととても大変だよ?」
「そうだね」
「なら私が手伝うよ、隣人が増えると嬉しいからね」
そう言ってサキュバスは手持ちの道具で木を板に加工していったのだった。
「隣人……?」
「そうだね、だって私が住んでるのあの山の上だから」
サキュバスが指さす場所、そこは山の上だった。
「とても寒そうだなぁ……」
「寒いよ、だから平地に住んでるサキュバスより布面積の広い服を着てるんだ」
「そうなんだね~」
「じゃ、家を建てていくぞ♡」
サキュバスは板材を持って高原の中にある平地を探していった。
「このあたりでいいね」
「そうだね、でもどうやって家を建てるの?」
「もちろん魔法で建てるのよ」
サキュバスは小言で呪文を唱え始めた、すると板材が浮かび上がり地面は石になり、どんどんと家の形に変わっていった。
「魔法ってすごいなぁ」
そして出来上がった家、それはまるで複数人が住めそうな外観の家だった。
「魔法で再現できないものがあるからそれは後々っていう事だね」
「ありがとうサキュバスさん!」
「いやいや、人間はすぐ死ぬからこんなことをして当然よ」
そう言ってサキュバスは飛び上がるとこういった。
「じゃ、寝床を持ってくるからね~」
サキュバスは山の上の家に向かっていったのだった。
「……まさかここに移り住むっていう事じゃないよね?」
「いや、移り住むかもしれないな」
私とラックはサキュバスの手のひらで踊らされていたことに気が付いたのだった。そして数分後、サキュバスは寝床やら生活道具を持ってきていたのだった。
「相部屋で寝ましょ?」
「うーん、なんだろうこの急に距離感が縮まったのは」
サキュバスの脇には枕がしっかり挟まれていたのだった。そして私とサキュバスは一緒に部屋に生活道具を搬入し、疲れでベッドに入ったのだった。
(なんだかサキュバスが持ってきたベッドってなんだか広いな)
「ねぇ、あなたの名前って一体何なの?」
「私の名前?私はシルヴィアスだけどどうしたの?」
「私は瑞希、よろしくね」
「あんた転生者だったのか!?」
サキュバスもといシルヴィアスは私が転生者だと気が付かなかったらしい。
「じゃ、一緒に寝よっか瑞希」
「私は休憩するだけ、いいね?」
「分かったよ~」
ラックさんは休むと聞いて元の神の業務に戻ったのだった。一方で私とシルヴィアスは一緒に眠ったのだった。そしてここから私ののんびりライフが始まるのであった。
最後まで見てくれてありがとうございます。
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