作戦会議
「まさか『魔力供給』までできるとは思わなかったです。どこまでズルいのですか」
「だから言ってるじゃない。神術とは相性が良いのよ」
「それにしたって凄すぎです。『魔力反射』も使えるのですか?」
「まあね」
そんな会話を城下町の少し立派な飲食店で行っていました。
ここの料理はとても美味しい……らしいです。正直味覚を感じ無いボクとしてはただ食物を口に入れるという行為を行っているだけです。
「うふふ、まるで高級レストランね。この肉のソースがまた絶妙ね」
「あわわ、ワタチがこんな店に行っても良かったのですか……」
「ふーん、おいしいわね」
最初普通の酒場にしようと思ったのですが、入国時に得たお金が結構多かったので、せっかくだからということでこの店に入りました。
周囲は立派な服を着込んだ夫人が多い中、ローブやワンピース等を着込んだ見た目は子供集団が入ってきて、少し注目を浴びました。
……平均で言えば数百歳で一番年上だと思うのですけどね。
「……錬金術師さん、四人で平均を出さないでくれるかしら? なんかワタクシ達が一気に歳を取った気分になるから」
「わかりました。ではシャルドネと一緒の十六で。これだったら平均は……いくつなんですか?」
シュッ!
パシッ!
「……いやいや、ナイフを投げるのはさすがに殺人未遂ですよ!」
「殺……『人』?」
「足を引っ張らないでくださいよ!」
「マリー! だからゴルドを殴る(ナイフを投げるのも含め)のは私の特権なんだから、許可申請しなさい!」
そんなやり取りをしていたら、店の奥のドアから凄い怖い顔をした人間が立っていました。
はい、静かにします。
☆
「さて、本題に入りましょう(小声)」
「そうね(小声)」
周囲に迷惑が掛からない程度に声の音量を落としつつ、会話をし始めます。
「フーリエ、ガランに何か報告するにはどこに行けば良いのかしら?」
「まずあの『大きな建物』に行きます。門番に話しかけた後にレイジ様が来るのです」
「なるほど、完全に中継役ね」
本当に中継なのかが不明ですね。
「そもそも何を報告しているのかしら?」
「そうですね。最近だと魔獣討伐について依頼があったことを連絡しました」
「それはいつ頃かしら?」
「シャルドネ様とゴルド様がここへ来るという連絡があった二日前ですね」
二日。というと岩の地を出るころでしょうか。ミリアムが事前に連絡をしていたのかもしれませんね。
「そして、報告内容は、魔獣討伐の依頼を受けたと」
「はい」
「……誰から?」
「それは森の地のエルフからです」
エルフの集落はフーリエ以外は原則入れません。
というより、『認識阻害』の所為で見つける事ができません。
しかし、あの黒服の男ならばどうでしょうか。フーリエに『心情読破』を使ってエルフの集落の場所を突き止めることができれば……。
それを予想したのか、フーリエの顔つきが険しくなってきました。
「でも錬金術師さん、エルフの集落を見つけた所で、集落を消す理由が見つからないわ」
「何か、不都合があるのでしょうか」
奇襲を仕掛けなければいけないほどの不都合。
「魔術かしら? それか、使えるかわからないけれど聖術とか?」
「シャルドネ、あなたのその直感は今回ばかり感謝します」
「なるほど、弱点を最初に排除したと考えれば違和感は消えますね」
「あとは、どうやって森の地のエルフの集落を見つけたかよね」
「それについては、やはりレイジに聞いてみるしかありませんね」
奇襲を仕掛けたのは確定しています。この部分は本人に聞きましょう。




