エルフとの交渉
「ワタチはフーリエです! 昨日代表と連絡を取ったばかりです!」
「本人である証拠は?」
「え、証拠ですか!」
かなりの警戒態勢です。それもそうですね、辺り一面焼け野原。集落と呼べるほど家らしい建造物も無いですし、襲撃でも受けたのでしょうか。
「怪しいのはそこの金髪の女だ。神術があるにも関わらず俺らを全員目視した」
「それは……気配で」
「神術の『認識阻害』は気配も遮断する! ありえない!」
完全に攻撃体制です。何を言っても聞いてくれそうにありません。
「というか、フーリエは草の地担当の傭兵ですよね。どうして見てわからないのですか?」
「ここにいる人たちはあまり見たことがありません……もしかしてこの緊急時で普段の門番は怪我を?」
「『心情読破』も使ったのか! こいつら、怪しいぞ!」
ええー、こちらの会話を盗み聞きしないでくださいよ。マリーの仲間って今後呼びますよ?
「シャルドネから見て、彼らは若いのですか?」
「エルフの年齢なんて見てわからないけど、あの子はまだ子供ね」
「なるほど。だからこそボクの魔力にも気が付かないのですか」
ため息を吐きつつ前進するボクに、エルフたちは全員ボクに弓を構えました。
「止まれ人間!」
「人間とは誰の事ですか? せっかく同業者が来たのに、その気配にも気が付かないなんて、若いですね」
「何?」
「森の精霊だの森の門番というのは、ただのあだ名ですか?」
「なら貴様は何者だと言うんだ!」
「ボクですか? ボクは錬金術師を名乗りたかったですが、しかたありませんね。ボクは『鉱石の精霊』です」
「え、ゴルド様が……精霊?」
エルフ達よりもフーリエの方が驚いていました。
「ば、馬鹿な! こんな所に他の精霊が来るなんてありえない! 鉱石の精霊だという証拠を見せろ!」
証拠証拠って、さっきからうるさいですね。
「わかりましたよ。ならこれでどうです」
ボクはずっと大事に持っていた岩の地の人からもらった金の塊をカバンから出しました。
それを何のためらいも無く、口に入れます。
むしゃむしゃと食べます。まるで柔らかい食べ物を食べるかのように。
「なっ、あいつ、金の塊みたいなものを食ったぞ?」
「おい、『魔力探知』を使ってみろよ! 大きくなってやがる!」
「まさか、本当に……」
そしてあきれた感情を思いっきりこめてボクは言葉を発しました。
「さあ、怪我人の場所へ案内してください。助かりたかったらの話ですけどね」




