錬金術師ゴルド達 対 頂点の神とカンパネ
「カンパネ、そっちの下位精霊をお願いね。私はこっちの人間と遊ぶわ!」
「わ、わかりました」
そう言って、頂点の神はシャルドネに光の球を放ち威嚇しました。シャルドネは頂点の神、ボクはカンパネと戦う流れができてしまいました。
「てええええい!」
「おっと」
「たああああ!」
「よっと」
「はあ、はあ」
「えーい」
パシュ。
「はっ! はあ!」
「上手! 凄いわ! ここまで人間が動けるなんて!」
シャルドネの攻撃はあっさり回避され、時々放たれる頂点の神の攻撃を避けるのに必死です。
「カンパネ、頂点の神が人間好きなのと、この戦いは何の意味があるんですか!」
「その金色の盾。そしてあの娘の武器。それを鉱石精霊さんが持って一人でここへ来れば、こうして僕が鉱石精霊さんと戦わずに済んだのです」
「どういう……」
「僕は、女神様に逆らえません。一矢報いる為には、鉱石精霊さんと女神様が一対一で戦う必要があったのです」
つまり、シャルドネという人間を連れてきたことにより、頂点の神はシャルドネに興味を持ってしまった。だから頂点の神はボクとカンパネが戦うよう命じたということですか!
「完全な僕のミスです。せめて戦う『フリ』をさせてください!『光球』!」
「っ!『土壁』!」
生成した『土壁』で放たれた『光球』を防ぎます。
「なんとかならないのですか! せめてボクがシャルドネの援護に行ければ」
「それは許されません! 僕の思惑がバレかねない!」
「っく! 知ったことではありません! シャルドネが危ないのです!」
シャルドネを見ると、攻撃回数は劇的に減って、頂点の神からの攻撃を必死に避けています。
「あはははは! 凄い! ジャンプと体のひねりだけでこの弾幕を避けれるなんて、やっぱり人間は凄いわ!」
「この! このおお! こののおおおおおおおお!」
シャルドネが限界です。ボクは右手に持つ金色の盾をシャルドネに投げました。
「これを使ってください! シャルドネ!」
「ゴルド! 分かった!」
「ん? カンパネ、まだ倒せないの?」
「はっ! まもなく!」
カンパネも焦り始めました。
「二つ鉱石精霊に言うことがあります」
「何ですか!」
「まず、あの大陸『だけ』は女神様に知られていません。唯一僕が管理している大陸だからです。もしバレたら全てが破壊されます!」
「だから慎重なのですね……もう一つは?」
「……もう一つは質問なのですが」
カンパネは少し離れた場所を見ました。
「先ほど、消えた神様は覚えていますか?」
…………何を言っているんですかこの人は。
『まだ誰も消えていませんよ?』
「……そうですか。やはり女神様は強すぎる」
何やら悔しい表情を浮かべるカンパネ。いや、よく分かりませんが事情を説明して欲しいです。
そう疑問に思った瞬間でした。
「きゃあああああああああああああ!」
大きな悲鳴が鳴り響きました。
「しゃ、シャルドネ!」
振り向くと、シャルドネの手足には光る輪がはめ込まれ、その場で身動きが取れない状態で宙に浮いていました。
「カンパネ! 凄いわ! この人間、いくら心をねじ曲げても戻ってくるの!」
「があああ、はあ、はあ、この! 離しなさい!」
「久々に考えを変える術を使ったけど、他の人間もこうなのかしら!」
「シャルドネを離してください! 『投石』!」
「『光球』!」
ボクの『投石』が『光球』によって消されました。
「あら、カンパネ、手こずっているの? 仕方が無いわね。私が消してあげる」
「い、いえ。すぐにこちらで」
「いいわよ。すぐ終わるから」
絶望。
一歩一歩と近づく頂点の神。
その神がボクに向けて手を向けます。
『あの金色の盾を生成してください! 全力で『認識阻害』と『空間転移』を使います!』
神術『心情偽装』でボクの脳内にカンパネが語りかけました。
それってつまり、逃がすって事ですか!
シャルドネを置いて、ボクだけが逃げるということですか!
「ゴルド!」
シャルドネの声が響きました。その声は震えること無く、ボクの耳に貫いてきました。
「信じてる! 待ってる! 百年だろうが千年だろうが、ここで私は耐えきって見せるわ!」
シャルドネの声は頂点の神にも当然聞こえていました。
「やっぱりこの人間面白いわ! 千年って言った? じゃあ千年間精神を壊して遊んであげる! この『カミノセカイ』にいる限り、寿命で死ぬことはないからね!」
「望むところよ。千年くらい、耐えてみせるわ」
「あ、その前に下位精霊は消さないとね」
そして頂点の神はボクに向かって、少し大きめな光の球を放ちました。
「『精霊の盾』!」
名前は無かった金色の盾。生成と同時に持っていた三つの書物がカバンから光り始めました。
思いつきで今名付けた盾ですが、それは見事仕事してくれました。
「へえ、一秒、二秒、三秒。まもなく消えるかしら?」
『精霊の盾』は徐々に消え、やがて光に飲まれました。
そして、ボクの姿はそこに無いでしょう。
「ふふ、なかなか楽しかったわ。さて、人間の相手をしようかしら?」
「……望む所よ。千年くらい……きっとゴルドは来る筈だから」
「ゴルド? 下位精霊のこと?」
「……ふふ、さあね。それよりも私に何かするのでしょう?」
「ふふ、人間が神に口答え。面白いわね! では早速!」




