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離島

 離島に到着し、シャルドネと最初に出会った場所であり、ボクが墜落した場所に向かっていました。


「離島は雪の地の傭兵もいないので、情報が無いのです。ここには何があるのですか?」

「そうね。ゴルドの作った大きな鐘があるわね」


 間違いではありません。でもそこに大きな金塊だけあっても違和感しか無いので、少し細工しただけです。


「確かこの付近ですね。少し待ってください。『認識阻害』を解きます」


 そう言ってボクは手をかざそうとした瞬間でした。


『その必要はないのです』


 声が聞こえました。これは『認識阻害』がかかっている場所からでしょうか?


 徐々に霧が晴れ、目の前がはっきりと見え始めました。間違いなくボクが作った鐘がそこにありました。

 そして、その手前には一人の少女……いや、少年ですね。

 青く輝く髪と瞳。フーリエと同じくらいの年齢でしょうか、しかしこの子の魔力は……。


「鉱石……精霊ですか?」


 ボクが言葉を発した途端、目の前の少年は頭をぺこりと下げました。


「初めまして。ガナリはガナリと言います。父様」

「待ってください。確かに少しボクと似ていますが、子供を作った記憶はありませんよ?」

「ガナリはこの鐘の魔力と『認識阻害』という結界により魔力が一点集中して生まれたこの大陸生まれの鉱石精霊です」

「なっ! この鐘からですか!」


 え、つまり、ボクの魔力から生まれた正真正銘ボクの子供の様なものです!


「へー、可愛いわね。私はシャルドネ。よろしく」

「よろしくお願いします」

「ふ、フーリエです!」

「よろしくお願いします。あ、恐れ入りますがフーリエさんはこれ以上近くには来ないでいただけると助かります」

「なっ!」


 とてもガッカリするフーリエ。ガナリは自分の発言に少し誤解があると察したのか言い直しました。


「あ、か、勘違いしないでください。ガナリはまだ生まれたてで、悪魔の魔力に敏感故にすぐに負けてしまうのです。フーリエさんのご活躍はこの『鐘』から聞いていました」

「そういうことだったのですね。近くでお話できないのは残念ですが、嫌われていないと知っただけでホッとしました」


 そう言って和やかな自己紹介は終了し、本題に入ります。


「それで、ガナリ。ボク達を呼んだ理由は何ですか?」

「簡単な事です。既に『神々が住む世界』の頂点の神が色々暴れているので、それをなんとかして欲しいのです」

「ずいぶんと凄い話を子供からされたものです」

「あくまで伝言ですよ父様。伝言の相手はカンパネ様です」

「カンパネが? ガナリに?」

「はい。この鐘はガナリに全ての音を聞かせてくれます。それが神々の住む世界の音も聞こえてくるのです」

「凄い鐘になってしまったのですね。思いつきで作った物がここまで来るとは思わなかったです」

「思いつきで子供を作る物を作らないでください」


 子供に説教されました。以後気をつけます。


「状況は把握しました。でもまだこの書物の解読が終えていません。少し時間をいただいても良いですか?」

「はい。それも考慮してもう一人呼んでいるので、それまでは余裕かと」

「もう一人?」

「来たら紹介しますよ」


 そう言ってガナリは鐘の方へ歩いて行きました。


「何やら全てを知っている。そんな空気を出しているわね」

「……空気では無く、全てを知っているのでしょう。あの鐘は先ほどから何かが聞こえています。ガナリはそれを全て聞いているのでしょう」


 決着の時は近い。

 この楽しい時間も近いうちに終わりは来るのでしょう。

 次にこの時間を過ごすには、何としてでもあの『頂点の神』を倒さないといけない。そう思いました。

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