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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第26章 最終決戦近し
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話を切り上げるタイミング

 わたしは特段の意味もなくニッコリと笑みを浮かべ、

「褒めてもらえてるのかしら? わたしが『知恵者』ですって?」

 すると、ブラックシャドウは、まるで畳みかけるように、

「そうだ。この際、お互いに隠し事はなしにしよう。このドラゴニアでは、現在、当方で『完全自動殺人機械』と呼んでいるもの、そちらでいう『重武装人造人型兵器』の量産化が進められているのではないか。そして、その量産化タイプが多数、ドラゴニアン・ハート城で稼働状態にある。そういうことではないかね」

 ブラックシャドウにしては珍しく直接的な(しかし、感情は表に出さない)リアクションだけど、それだけ自分の推理に自信があるということだろうか。「量産化タイプ」がドラゴニアン・ハート城にいることを知っているということは、おそらく、ブラックシャドウが昨日ずっとわたしたちをつけ回し、アース騎士団長たちと「量産化タイプ」との戦闘を目撃していたに違いない。

 わたしは、正直なところ、どう応えてよいものやら……


 でも、とりあえずは、

「それは、そうかも……」

 と、適当なことを言いかけた、その瞬間……

 突然、「うぉー」という大きな声(それは一人ではなく、ある程度、多数の声)が上がった。その声の主は、おそらく言うまでもないであろう、先程からアース騎士団長との間で激しい遣り取りをしていたニコラスとその仲間の青年ドラゴニア党の若者たちだ。

 見ると、ニコラスが頭上に剣をかざし、

「もう父上は頼りません。ドラゴニアの未来は、我々、青年ドラゴニア党が勝ち取ります!」

 と、大見得を切っているところだった。

 今の状況は、おそらく、ニコラス及び青年ドラゴニア党がとうとうアース騎士団長たちに痺れを切らし、各自の馬に乗り、今まさにドラゴニアン・ハート城に向かって突撃を敢行しようとしている……、そういったところだろう。

 ブラックシャドウは、その光景を横目に見つつ、

「若者たちは、実に勇ましいね」

 と、まるで冷笑を浴びせるようなもの言い。

 そして、ブラックシャドウが言い終わった瞬間、

「進め! ドラゴニアの未来のために!!」

 ニコラスを先頭にした青年ドラゴニア党の面々が猛スピードで馬を走らせ、わたしたちとブラックシャドウのすぐ横を通り過ぎていった。その後方では、アース騎士団長たちドラゴニア騎士団が「待て」とか「戻れ」とか「おまえたちのかなう相手ではない」などと叫んでいるが、その声は、既にニコラスたちの耳に届いていないようだ。

 その時、プチドラがわたしの腕の中からわたしを見上げ、

「マスター、チャンスだよ」

 と、短い言葉でささやいた。言われてみれば確かに、ブラックシャドウとの面白くない話を切り上げるには、今がタイミング的にベストかもしれない。

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