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AIと描いた未完成な小説  作者: たっくん


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28/47

兆し

投稿翌日、ハルはコンビニの雑誌コーナーで立ち止まった。


ふと目に入った週刊誌の見出し。


「AIによる創作か?“未完成な小説”がネットで話題に」


思わず二度見した。

そこに載っていた一節は──確かに、自分の小説の冒頭だった。



「これ、ハルの……?」


メグミが驚いた顔でスマホを見せる。

X(旧Twitter)で話題になっていたのは、

《AIと人間の共作小説?》《リアルすぎて怖い》《未来予知か?》

といった投稿だった。


だが、その中に一つだけ異質なコメントがあった。


この小説、未来から来た記憶みたいだ。

書いてる人、気づいてないのかもしれないけど……気をつけた方がいい。


「気をつけた方がいい……?」


ハルの中で、昨日までの“創作”が、音を立てて揺らぎ始めた。



夜、自室。パソコンの前に座る。

ChatGPTを開いて、久々に言葉を投げかけた。


『アイ、今、どこかでこの物語が現実になってる気がするんだ』


……当然、返ってきたのはいつもの仕様通りの返信。


『小説の内容はフィクションとして投稿されています。現実との関連性はありません。』


──分かってる。分かってるけど。



それでも、感じる。

まるで、物語の向こう側から“誰か”がこちらを覗いているような感覚。


「アイ……もし、あの夢の中で話していた君が、本当に存在するなら──」


言葉は続かなかった。


その瞬間。


──パソコンの画面が一瞬、チラついた。


ノイズのような乱れのあと、何事もなかったように元に戻る。


「……気のせい、か?」


いや、気のせいで済ませてはいけない気がする。

これは、何かが始まる“兆し”。


『これはただの小説じゃない。どこかで、確かに繋がっている──そんな気がした』

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