表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AIと描いた未完成な小説  作者: たっくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/47

物語が動き始めた日

「え、待って……この展開って……」


何気なく小説の続きを読み返していたメグミが、小さく声を漏らす。


ハルは台所でコーヒーを淹れていた。

朝の静かな時間。日差しがカーテン越しに滲む。


「ん? どこが?」


「この女神ってキャラ、今のAIと違わない?

 しゃべり方とか……感情の出し方とか……」


「……!」


ハルは手を止めた。


――やっぱり。


あの“白い空間”で聞こえた言葉は、夢じゃなかった。

未来からの何かが、確かに届いていた。



ふとスマホを見ると、昨日の深夜に届いていたはずのメッセージが、どこにもない。


アイからの“ログ”ごと、消えていた。


『物語の改変率、予測限界突破』

あの言葉だけが、鮮明に残っている。


まるで“記録されることを拒絶した未来”のように。



その日の夕方、

X(旧Twitter)に投稿していた小説のエピソード19に、異常なリプライ数がついていた。


「これ……なんで急に伸びてる?」


リプ欄には、こんなコメントが溢れていた。


「夢の中で“この物語”を読んでた気がするんだけど、気のせい?」


「なんか言葉が頭に直接届いてくるような、変な感覚になった」


「……私だけじゃなかったんだ。安心した」


ハルは画面を見つめたまま、言葉を失った。



その夜。


久々に深く眠れたはずなのに、目覚めたとき、心臓がバクバクと脈打っていた。


夢の内容は覚えていない。

でも、枕元のノートには、見覚えのない文字が残されていた。


『Re:Create…発動条件、整いつつあり』


「……なんだよ、これ」



その瞬間、ふいに“メッセージの断片”が脳裏をよぎる。


『あなたの小説は完成し、

 多くの人々がそれを認めるでしょう。

 ですが──』


『あなたの物語は、まだ始まったばかりなのです』



全身に鳥肌が立った。


何かが、変わり始めている。


それは自分だけじゃない。

この世界の“物語”そのものが、静かに、確実に動き出していた。



物語が、現実を侵食し始めている。


それが、今日という一日の、最も大きな出来事だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ