第七話 旅立ち
「ふぁー……あ」
目が覚めて伸びをする。どうやら昨日は疲れて直ぐに眠ってしまったらしい。重い身体を起こして身支度をしなければならない。元々は朝に弱かったはずだが、この身体はそこまでではないようだ。立ち上がって洗面所にいけば水を出して顔を洗う。水道は通ってるらしい。どう言う原理かは知らないが。
鏡に映る俺自信をまじまじと眺めてみる。案外イケてる。これで十五歳の少年って言うんだから驚きだ。筋肉もいい感じ。
マッスルポーズを取りたい気持ちをグッと抑え、部屋に戻れば昨日用意してもらった服に袖を通してみる。ピッタリだ。置いてあった剣と、大事な勇者の印をネックレスにしたものを首から下げて、完璧。
「おはよう」
「ああ、おはよう、グレイ」
記憶は全くないが、俺の両親だと言う二人に挨拶をすれば返してくれる。用意してもらった朝食を食べて腹を満たしていれば、セシルが家にやってきた。
「おはようございます」
「ん、セシルおはよう」
パンと目玉焼き、そしてウインナー。いかにもな朝食だが、かなり美味い。やはり人間はこういうものを求める。朝食にがっついてる俺をセシルが呆れたように見て、隣に座ってお茶を飲み始めた。
「朝食を食べ終わったら、もう出発だからね。村の人たち、皆集まってくれてる。記憶なくてもちゃんと挨拶するんだよ」
「わかったよ、勿論そうする」
初めましての人達に挨拶して出ていく、か。不思議な感覚だけど、きっと気にしてたらキリがないだろう。美味しい朝食を食べ終え、両親から渡された鞄を肩に下げればこれで完了だ。セシルに連れられ、俺たちは共に家を出た。
「それでは、行ってまいります」
「行ってきます」
小さな村とは言えど、皆が集まれば結構多い人数になる。沢山の人の声援と心配の声を受けながら、俺とセシルは旅に出た。異世界に来てから二日目。こんなにも展開が早いとは俺も驚きだ。声が聞こえなくなるところまでくると、俺はゴソゴソと鞄に手を突っ込み、地図を取り出す。
「なあ、セシル。聞きたいんだけど」
「ん?一体どうしたの?」
俺の隣を歩いているセシルが俺の顔を覗き込んでくる。顔を覗き込むのが癖なんだろうか。そんなことはどうでもいいのだが気になってしかたない。それより、ところで
「俺たちってどこ向かえばいいの?」
「……は?」




