第四百六十二話 女神からの試練⑤
「朝霧……!? これは、どうなってるんだ? 何で朝霧が石像の姿に変えられてしまっているんだよ?」
白い濃霧が晴れたその先には、立て札の近くに朝霧の姿をした灰色の石像が立っていた。
いや、これは……石像なんてレベルじゃないぞ。
石像の外見は、まさに朝霧そのものだ。石で精巧に作られたなんてレベルじゃなく、本物の姿形がそのまま石化したかのように瓜二つの造形で作られている。
カールした髪の癖や、綺麗な肌の質感。細かなホクロや毛穴の位置まで分かるくらいに、朝霧の石像は正確に作られていた。そしてそれは、朝霧だけじゃない。
この緑色の壁に囲まれた広大なエリアに置かれている、数千体近くある石像の全てが……本物の人間そっくりな形で作られているようだ。
「これは多分……朝霧は白い霧の出現とともに、石像に姿を変えられてしまったと考えた方が良さそうだな。もしかしてこのフロア全体に置かれた他の石像も、俺の知っている誰かに似ているんじゃないだろうな?」
立て札の近くに置かれた朝霧の石像から離れて、俺は周囲に立つ他の人間の姿をした石像の近くにも寄ってみた。
すると――やはり、俺の予想はビンゴだった。
「おいおい、ここにいるのはまた……カディナの壁外区に住んでいた住人達なのか? いや、それだけじゃないぞ。こっちにいるのは、グランデイルの王都で俺に優しく接してくれた婆ちゃんだし、そっちにいるのは……トロイヤの街にいた、街の偉い役人さん達じゃないかよ!」
つまり、ここに立ち並んでいる精巧な石像達は、みんな何かしら俺と縁のあった過去の知り合い達……という事なのだろうか?
それを裏付けるかのように、少しだけ石像の中を進んで様子を観察してみると。
そこには明らかに俺がよく見知っている、おちゃらけた顔つきをしたクラスメイトの男子の石像が置いてあるのに気付いた。
「おいおい、コイツは桂木じゃないかよ……。何で『裁縫師』の勇者である桂木真二が、こんな所に立っていて、朝霧と同じように石像になってるんだよ?」
こういう時の俺の悪い予感は、どうも高確率で的中してしまうらしい。
無数に立ち並ぶ石像の群れの中を探索してみると、まだあまりにも数が多いから、フロア全体に置かれた石像全てを完璧に調べられた訳じゃないけれど。
ざっと30分ほど、立て札の周辺をグルグルと歩き回ってみただけで。桂木の他にも、小笠原、野々原、みゆきのカフェ好き3人娘達の石像を発見し。
その他に紗和乃や、ネコ娘のフィートの石像も見つけ出す事が出来た。
多分……俺がまだ全てを確認出来ていないだけで。ここに置かれた千体の石像の中には、俺と親しい仲間や友人達が他にもいっぱい紛れて置かれているに違いない。
それこそ、もしかしたらティーナや、玉木の石像だったり。コンビニの守護者のアイリーンや、セーリスの石像が置かれている可能性もあり得そうだ。
「こんなに俺の知り合いの姿をした石像ばかり並べて。女神アスティアは一体、第2の試練で俺に何をさせたいというんだ? 試練の意図がさっぱり分からないぞ」
もしも、ヒントがあるのだとしたら。それはやはり先ほど見た、フロアの中心部に置かれている立て札に書かれていた文章になると思う。
俺はもう一度、立て札の中に書かれた文字を再確認してみると。そこには、こう書かれていた。
『――ここに置いてある全ての石像の中から、あなたが一番大切な人だと思う人物の石像を見つけ出し。その石像以外の全ての像を破壊しなさい。そうすれば、あなたの犯した罪は許されるでしょう』
「罪が許されるだって? それは、一体どういう意味なんだ? それに一番大切だと思う人の石像を、この中から見つけ出せって書いてあるけど。それは、多分……」
俺は立て札の近くに置かれている、朝霧冷夏の石像に再び近づき。マジマジとその石像を、至近距離からよく観察してみた。
この緑色の壁のエリアには、おおよそ千体を超える人間の姿をして石像が立っている。だから本来なら、この中にきっと置かれているであろうティーナか、玉木の石像を探し出すのが正解なんだと思う。
けれど、今の俺の状況は……少しだけややこしい事になっているからな。
朝霧は新しく手に入れた能力『上書き挿入』で、この女神の試練で俺と一緒に挑むはずだった、最愛の人の情報を書き換えてしまっている。
つまり今の俺にとっては、目の前で石像になっている朝霧冷夏こそが最も大切な人物という事になるはずだ。
……にも、関わらずだ。
「こんなにも俺の近くに、それも立て札のすぐ側に朝霧の石像が置かれてたりしたら。それは出題にならないんじゃないのか? だってこれじゃあ、正解が目の前にあるようなものだぞ?」
立て札が問いかけている出題文の文字通りに、もしも回答をするとしたら。
つまりこれから俺は、広大なエリア全体に置かれている、朝霧の石像以外の他の人間の姿をした石像を全て破壊しないといけない……という事になるのか。
確かに数は多いけれど、それは今の俺ならそれほど苦にはならない『作業』だと思う。それこそ光の剣もあるし、肩に浮かぶ守護衛星から、ツインレーザー砲を発射させて石像の群れを一掃する事だって出来るだろうからな。
「しょうがない。とりあえず朝霧以外の石像を一つだけ破壊してみて、どうなるのかを試してみるしかなさそうだな……」
俺は立て札の近くに置かれている、おそらくカディナの壁外区の住人じゃないかと思われる人の姿をした石像の一つに近づいてみた。
女神は俺の関係者や知人と思われる人々の石像を、ここに集めたのだろうけれど。
正直、これだけの数が置かれているんだ。外見や顔を見ても、全く心当たりの無い人物の石像は沢山あった。
――当然だ。『友達100人出来たら、嬉しいな〜!』の歌詞じゃないけれど。人間が一生のうちに深く関わり合い、その人物の顔や名前、性格を全て正確に憶えていられる人間の数はきっと百人もいないはずだ。
小学校のクラスで一緒だった同級生、会社で同じ部署で働いていた同僚。近所の家に住んでいる、隣人。街ですれ違って、『あ、お久しぶりですね!』とすぐに声をかけられるような知人数は、絶対的に限られている。
「だから、すまない……。もしかしたら、どこかで俺と深く関わり合った人物の姿をした石像なのかもしれないけど。今回の試練の内容を確認する為に、一体だけ破壊させて貰う事にするぞ!」
俺は右手から『白銀剣』を放出させると、ゆっくりと若い男性の姿をした石像の前に近づいていく。
女神はきっと俺に知り合い人間の形をした石像は、破壊しづらいだろうと画策して。ここにこれだけ沢山の石像を並べたのかもしれないけど。
この俺にだって知り合いの大切さには、優先順位の度合いってものがある。いきなり紗和乃の石像を破壊するような事は、流石に躊躇うけれど。
どこの誰かも忘れてしまったような人物の石像なら、破壊する事への罪悪感も少なくて済むからな。
「――いくぞッ! 第2の試練の正解を探る為に申し訳ないが、破壊をさせて貰う! 『閃光白銀剣』――!」
俺は大きく振りかぶった右手を、頭の上から勢いよく振り下ろし。目の前に立つ男の石像の頭頂部に光の剣を直撃させた。
すると、予想通り石像からはピシピシピシ……っと、硬い石が砕ける音が広がっていき。
何だ、やっぱりここに置かれた人間の姿をした無数の石像は、ただの石像に過ぎなかったのか……と、俺が心の奥で安堵をしかけた、その時だった――。
石像の砕ける音は、突然……『グチャグチャグチャ』と、柔らかい何かが引き裂けるような、不気味で嫌な効果音へと切り替わり。
俺の目の前で、ついさっきまではただの石だった若い男の姿をした人間の石像から、無数の赤い血飛沫が周囲に飛び散り。
この世のものとは思えない断末魔の叫びと、絶叫にも似た恐怖の悲鳴が俺の耳に聞こえてきた。
『グギャアアアぁぁーーーッッ!? こ、コンビニの勇者様!? 何でこんなに酷い事をこの俺に、う……うごぶきゃgfぐぇぇ、あぎgぶげぇぐぇぇーーーッ!?!?』
俺が光の剣で直接『切り裂いた』石像の男は、砕け散る前に、生身の人間の姿へと変貌し。
そして、本当に俺の手にかかって切り裂かれたかのように。真っ赤な血を噴き出しながら、そう……まるで真ん中から裂けていくチーズのように、真っ二つに切り裂かれて死に絶えていった。
……ガクガクガクガク。
全身の筋肉がピクピクと連続で震え続け、指先の小刻みな痙攣は全く治まる気配が無い。
口の中の奥歯が、ガチガチと音を立ててぶつかり合い。俺の顔からは、血の気が一瞬にして引いてしまっていた。
俺の目の前で、さっきまでただの『石像』だった男は……。今は体を光の剣で真っ二つに切り裂かれて、哀れにも地面の上に倒れて死んでいる。
その周囲には、びっくりするくらいに大量の人間の赤い血が、まるで水浸しのプールのように周囲にゆっくりと広がっていた。
「……お、おい、おい、おいッ!! そんな、絶対にこれは嘘だろ!? 何なんだよ、コレは!? 何で俺が光の剣で切り裂いた石像が、いきなり人間の姿になって。まるでB級ホラー映画の犠牲者みたいに、恐怖の叫び声をあげながら、俺の目の前で死に絶えていくんだよ……!」
――バカなッ! そんな事は絶対にあり得ない! まさか、コンビニの勇者であるこの俺が! この手で直接罪の無い一般人の男を、真っ二つに切り裂いて殺してしまったというのかよッ!?
おまけに何の副作用かは分からないけど、俺に斬り殺されて死んだ男の事を……俺はそいつが絶叫を上げて、死に絶えた瞬間に思い出す事が出来た。
そうだよ、この男は……俺が初めてカディナの壁外区にコンビニを出して開店させた時。一番最初に自動ドアを開けて、店内の様子をおそるおそる見回しながら、買い物にやって来てくれた、コンビニ開店日の記念すべき『お客様第1号』だった男じゃないかよ……!
コンビニにとって、そんなにも縁の深かった大切な男性を――。
俺はこの手で柔らかいチーズみたいに、真っ二つに切り裂いて殺してしまったというのかよ……。
「あ、は……アハハハッ! なぁ、コレは何かの悪い冗談なんだよな? 杉田あたりが、どこかでカメラを構えていて。『バーカ、彼方! 引っかかってやんの、ドッキリ大成功だぜ〜〜!』って、玉木と一緒に俺をからかう為に用意したギミックなんだよな? 今もどこかで、俺が腰を抜かしている姿をスマホで録画して、ショート動画として投稿してバズらせるつもりなんだろう……?」
額から大量の冷や汗を流して、顔色を真っ青にした俺が必死に独り言を呟いてみても。
その言葉に誰も優しく返答はしてくれなかった。
無言でたたずむ、約1000体近くある石像と。俺が斬り殺してピザのように床に飛び散った人間の細切れの肉片と、赤い血の海しかここには残されていない。
半ば精神が崩壊しかけて、半狂乱に陥っていた俺は必死に現在の状況を整理しようと試みた。
待て待て待て、落ち着くんだ。マジで落ち着けよ、俺……ッ!
まさか、このフロアに置かれている人間の姿をした石像は全て……元は本物の人間だというのか?
それもみんな、俺に何かしらの縁のあった人物なのかよ。この中には桂木達のように、俺のクラスメイトだって混ざっているんだぞ!
「それを『全て破壊しろ』だって? そんな事……この俺に絶対に出来っこないだろうが、ふざけるなよッ!」
俺は硬い地面の床を右手で思いっきり叩きつけ。その強い衝撃で右手から大量の出血をしてしまった。
呼吸を乱し、思わず視界を前に向けると。先ほど俺が斬り殺してしまった若い男の死体が目に入り。俺は胃の中に溜まっていたものを口から全て吐き出し、気絶しそうな吐き気と激しい頭痛の苦しさに苛まれてしまう。
「ハハ……これが、女神様が俺に用意した『試練』だというのかよ……? グロ注意の警告マークくらい、事前に立て札に刻んでおけよな。こんなヤバい問題、まともな人間が立ち向かえる訳が無いんだからよ……!」
ゆっくりと深呼吸を繰り返し、呼吸を整えつつも。俺の脳内はフル回転しながら、この第2の試練の内容について考えようとしていた。
これが女神の試練だとして、一体どうすれば『クリア』した事になるんだ?
まさか、マジで俺にここに並んでいる全ての石像を破壊し尽くせと言うじゃないだろうな?
だとしたら、とんでもない精神崩壊確定ゲームを用意してくれたものだぜ。
もし、最初の試練と同じような意味合いが込められていると考えたら――。石像にされた最愛の人【この場合は、朝霧の事になるんだろうが……】を救う為に。
例え1000人を超える俺の知人やクラスメイト、大切な仲間達を全員ぶち殺してでも。一人の愛する人を救う為の一途な想いの強さを見せてみろ……という事になるのだろうか?
その場合ここで問題になるのは、さっき俺が殺した若い男は、本当に『本物』だったのかどうかだ。
もしも女神が俺に試練を課す為だけに、一時的に作り上げた『幻影』なのだとしたら。全ての石像を破壊するという残酷行為の中で、俺の精神が崩壊してしまうのを防げるかもしれない。
……そうだよ、ここに並んでいる石像は全て偽物に決まっているじゃないか!
みんな、俺を騙す為に悪趣味な女神が用意した偽物なんだよ。そうに決まっている。
そう思えば、まだ心が楽になれる。とてもじゃないが、最愛の人を救う為に、1000人の本物の知人達を皆殺しに出来るほど、俺の精神力は強くは無いからな。
「――それを確かめる方法は、これしかないはずだ!」
俺はこの緑色の壁に囲まれた広大なフロアに置かれた石像を、全て自分の目でチェックしていく事にした。
ここには俺と親しい知り合いは何人いるのか? 例えばティーナや玉木といった、俺にとって大切な人物が混ざっているのかどうかを確かめるんだ。
そしてもし、その途中で――前回の第1の試練に登場したザリルや区長さんが混ざっていたなら、俺にとってそれは本当に救いになる。
だって、そうだろう? もしこの大量に置かれた石像の群れの中にザリルが混ざっていたとしたら。
やっぱりさっきの第1の試練で、ザリルは溶岩の川に飲み込まれて死んでいた訳では無かったと、証明出来た事になるじゃないか。
同じ人物が別々の試練に2回も登場してくるのなら、それはもう……その人物は本物ではなくて。
女神が用意した幻影で確定したと言っていいはずだ。だから俺は何としても、この中にザリルか区長さんが混ざり込んでいるのを見つけ出さないといけなかった。
フロアの中心にある、立て札の近くに置かれた朝霧の石像はそのままに。俺は周囲に置かれた石像を順番にチェックしていき。この広大なエリア全体に、一体誰の石像が置かれているのかを全て確認していく。
もちろんそれは、気の遠くなるような膨大な時間のかかる作業だった。
同じ石像をチェックしないように、壁に塗られた緑色の塗料を利用して、確認済みの石像にレ点の記号を付け。一度確認した石像を慎重に持ち上げて場所を移動させたりもして、少しずつ隅から順番に確認していった。
一体どれどけの時間がかかったのかは、正直よく憶えていない。もしかしたら、約1日分くらいの時間を費やしたのかもしれない。
視界が朦朧として、足元がふらつきながらも。俺はとうとう、このフロアに置かれている約1000体近い石像の全てを確認する事が出来た。
その結果――ここに置かれている石像の中には、残念ながら。第1の試練で俺が見かけたザリルや、区長さんの姿は見当たらなかった。
その代わりに、俺の親しい友人達の中でこの中に石像として紛れていたのは……。
クラスメイトの桂木、藤堂、紗和乃、秋山。そして、カフェ好き3人娘の、小笠原、みゆき、野々原。
他には、コンビニ猫娘のフィートに、ドリシア王国のミランダさんの姿もあった。
でも、他にコンビニの守護者のアイリーンや、セーリスといったメンバーや。俺にとっての最も重要な存在であるのが間違いない、ティーナや玉木といった主要メンバーの石像はここには置かれていないようだった。
「……どういう事なんだ? ティーナや玉木の石像がここに置かれていないなんて。それにほとんどの人物は、俺と縁のある知り合いの人間が多かったけど。一部にはフードを顔に被っていたり、それが一体誰なのかが特定出来ないような石像も混ざっていたみたいだけど……」
改めてこのフロアに置かれている、約1000体の石像を見回してみても。俺には、この試練の意図が正直、まだよく掴めていなかった。
「俺にとっての最愛の人物。それは今回の試練においては『上書き挿入』されている朝霧冷夏のはず。その朝霧の石像は、立て札の近くに最初からずっと置かれていた。問題文には大切な人物の石像を見つけ出せ……と、あったけど。それは結局、どういう意味があるんだ?」
俺が頭に中に残っているモヤモヤを抱えながら。約24時間近く、ずっと石像の仕分けを行っていた疲労で、フラフラの足取りになって歩いていると。
……ついうっかり、床の上に置かれていた小さな石に足をぶつけてつまずき。その場で勢いよく地面に倒れ込んでしまった。
その時に俺は、倒れざまに自分の腕が近くに集めていた石像の群れにぶつかってしまった事に、慌てて気付く。
「――しまったッ……!?」
口から後悔の言葉が出た時には、全てが遅かった。
仕分けをする為に隅に移動させていた石像の群れは、まるでドミノ倒しのように……順番に重力の重みに引っ張られながら地面に倒れていく。
そして次々と音を立てて、近くに置かれた他の石像を連鎖して巻き込みながら、硬い地面の上に倒れて粉々に砕け散っていった。
””ドシ、、ドシ、ブギャ、ぐぎゃ、ぐべっ、グフェ!? ウヒャッ!? ギャァァァ、やめてッ!! イヤ、キャァァァァー!? 嫌だッ、コンビニの勇者様!? いギャァァァ!! ぐぎゃぁァァァ!! うひゃぇぇぇぇ!! 死ぬぅ、痛いよぉぉ!! やめてェェぇぇ!? 助けてぇぇええェ!! うご、ぶへ、ぐぎ、グゲ、ぐぎゃぁ! グフォォッッ!!””
しばらく俺の目の前で、元は生身の人間であった石像達が連鎖して倒れて破壊されていくという――『死のドミノ倒し』が続いた後で。
ようやく人々が怨嗟する、死の悲鳴のオーケストラが収まった時には……。
約100名近い無実な老若男女の人々が、俺のうっかりミスによって体がバラバラに砕け散り。
恐ろしい量の赤い血と肉片を、まるで肉屋さんの厨房の中のように。床に大量にぶち撒けて死亡しているという、余りにも恐ろしい光景が俺の視界に映り込み。
俺の心は一瞬にして……暗黒が支配する絶望の海の深くに沈んでいってしまった。




