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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍化】  作者: かっぱん


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1370/1382

1370 学院祭、二日目の朝!







「ふぁーあ」


 目覚まし時計が鳴り響く中、私は大きなアクビと共に身を起こした。

 眠い。

 とてもとても眠い。

 でも今日は学院祭の二日目。

 今日は朝から、まずはユイとナオをマリエに預けて、それからジルドリア王国の武闘会参加者を迎えに行く。

 なので特に寝坊はできない。

 頑張って目覚めた。


 おはようございます、クウちゃんさまです。

 いやあ、昨日は夜まで大変でした。

 おかげですっかり疲れて、起きるのも大変な有り様です。


 チンピラどもは、キチンといいコちゃんに処理した。

 もう二度と強盗しようとは思わないだろう。


 何やら怪しげだった黒幕の男からは、しっかりと事情を聞き出した。

 なんと闇の組織の存在を掴んだ。

 なので黒幕の男については中央騎士団に引き渡した。

 あとは国にお任せだ。


 ちなみに干からびた姿は幻覚です。

 実際には、吸血鬼のヒトたちがそれなりに血を吸っただけです。

 ナオのゾンビ姿も、もちろん幻覚です。


 アリスちゃんについては、アレはなんと本人。

 私は、いくらまわりに私たちがいるとしても、本人がチンピラの前に立つのは危険ではないかと思ったのだけど……。

 ゼノと本人が平気というので許したら、実際に平気で驚いた。

 なんとびっくり。

 すでにアリスちゃんは、悪党から攻撃を受ける経験も済ませていたのだった。

 まったくね。

 ゼノはアリスちゃんをどこまで鍛えるつもりなのか。

 ちなみにもちろん無傷でした。

 ゼノの防御魔法によってアリスちゃんは徹底的に守られています。


 そして、チンピラの一人……。


 よりにもよって魔王クスカイに助けを求めた狼男については、協議の結果、面白い運命もあるものだと言うことで――。

 そのままどこかの山の中に、捨てちゃうことに決めた。

 悪党なんて放置するものではないのだけど……。

 魔王クスカイに助けを求められてはね……。

 まあ、いいか。

 と。

 そうしてしまいました。


 いや、うん。


 私は決して魔王ではありませんけれども!


 ともかく。


 私たちは適度に楽しみ、同時に事件は解決したのでした。


 身支度を整えて二階のリビングに降りると、すでにフラウとナオの二人が隣接したダイニングのテーブルにいた。

 キッチンではファーが朝食の支度をしている。


「おっはよー、フラウ、ナオ、ファー」

「おはようである、クウちゃん」

「おっはー」

「おはようございます、マスター」


 朝の挨拶をしつつ、私もテーブルの席につかせてもらった。


 ちなみにヒオリさんは大宮殿に泊まって昨日は帰っていない。

 簡易結界装置の開発が大詰めなのだ。

 昼には学院長としての仕事があるし、大忙しだ。


「昨日は夜遅くまで帰らなくてごめんね。フラウ、お店の方はどうだった?」

「問題ないのである。いつも通りだったのである」

「そかー」


 それならよかった。

 お店の方は、本当にもうフラウとエミリーちゃんに任せっきりで私はほとんど関わっていない。

 最近では商品すらフラウなら「生成」できるようになっているし。

 でも、まあ、一応は店長なので……。

 お店の様子だけはできるだけ聞くようにしている。


 ちなみにファーは、昼の間は大宮殿に行っている。

 メイドとしての腕を磨くため、なんとびっくり皇妃様の下で働いているのだ。


「フラウたちも店を閉めて、学院祭に来てくれていいからねー」

「今日は昼前に商品の受け渡しがあるので、それがおわったら遠慮なくエミリーと行かせてもらう予定である」

「うん。楽しんでねー」

「クウちゃんと回れないのは残念であるが」

「ごめんねー。いろいろあってねー」

「わかっているのである。ちょっとだけの愚痴なのである」

「落ち着いたら、また遊びに行こう。というか、夏の旅行があるか」

「うむ。それを楽しみにしておくのである」


 学院祭がおわれば、学期末テストがあって、その後は夏休み。

 今年も旅行に出る予定だ。

 そして夏休みの後半、8月の下旬にはラーメン大会。

 今年の夏も充実したものになりそうだ。


「それにしても、クウ。さっき少し話したけど、ファーはすごい。本当にニンゲンとしか思えなかった」


 ナオが言った。


「だねー」


 私の目から見てもそうだ。

 実のところ、ファーはまだ一歳児でしかないのに、もはや完璧だ。


「メイドロボの量産はするの?」

「しないよー。さすがにねー」

「そかー」


 と、これはナオです。

 私ではありません。


「もしかして、作るならほしかった?」

「それはほしい。だけど、さすがにほしいとは言わない。メイドロボは、あまりにオーバーテクノロジーすぎる」

「ファーの素性については秘密でお願いね?」

「任せて。友人として接する」

「うん。ありがと」


 話していると、ファーが完成したスープを持ってきた。


「ファーはどう? 大宮殿の仕事は楽しい?」


 私はファーにたずねた。


「はい。皇妃様にも同僚の皆様にもよくしていただいています」

「それならよかった」


 私は、ファーにはどんどん外に出てほしいと思っている。

 友達を作ったりとか、ね。

 ファーはゴーレム。

 私が作ったもので、生物ではないのだけれど、人間と同じ思考を持って、人間と同じように動ける。

 だから、できれば同じように暮らしてほしい。

 もちろんファーの意思にもよるけど。


 朝食は今日も美味しかった。


 ファーの料理は、もともと良かったのに、さらに良くなっている。


 お腹も満足して少しのんびりした後は――。


「じゃあ、行ってくるね」


 登校の時刻だ。

 ナオを連れて通りに出て、まずは中央広場まで歩いた。

 中央広場には、すでにユイが来ていた。

 さすがはユイ。

 外泊でも待ち合わせの時間に遅刻することはなかった。

 ユイは私たちに気づくと、メガネと帽子の変装姿で元気いっぱいに走ってくる。


「クウ、ナオ、おっはよー!」


 その姿は朝日を受けて、キラキラと輝いて――。

 いや、ちがう。

 機嫌が良すぎて光の魔力を振りまいているのだ。


「ユイナちゃん、魔力」

「あ」


 呆れて指摘すると、すぐに気づいて引っ込めてくれたけど。


「まさかとは思うけど、ずっとそうだった?」

「それはない! と思う! クウたちを見つけて、さあ、今日も頑張るぞーって思ったら気持ちが高まっちゃって、それで魔力が出ただけだから」

「ならいいけど」


 ずっと垂れ流していたとしたら大惨事だ。


「ゆうべはおたのしみでしたね」


 ナオがユイに、有名のRPGの名台詞をNPCみたいに言った。


「あはは。やだなーもう。そんなことはないよー」


 ユイはご機嫌に笑った。


「今日は私がハッピーさんを借りる。ハッピーしてもらう」


 ナオが唐突に宣言した。


「え。それは駄目だよ? だってハッピーさんのところには、今日も私、遊びに行く約束をしているし」

「卑怯」

「卑怯じゃないよね? だってナオには関係ないし」

「借りるだけ」

「駄目ですー」


 昨日は起こらなかったのに、今日は朝から火花が散ったぁぁぁぁ!

 どうするのこれぇぇぇぇ!


 そこに!

 救世主あらわる!


「おはよー! ユイナちゃん、ナオちゃん! それにクウちゃんも!」


 マリエが来たぁぁぁぁぁ!

 昨日は大変だったのに、マリエもまた元気いっぱいの様子だ。

 さすがはマリエ!

 完全回復している!


 よし。


 あとは任せよう。


「じゃ! あとは三人でよろしくねー!」


 私はすぐさま魔法を使って、ジルドリア王国に転移した。

 マリエなら安心。

 マリエなら確実。

 きっとなんとかしてくれるだろう!

 間違いない!










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― 新着の感想 ―
これは…………(汗) 取り敢えず後でじっくりと怒られな?(苦笑)
困った時のマリエ頼みw
マリエさんは本当に安心感ありますね 何だかんだあってもへこたれないタフネス
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