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New Normal  作者: 路瀕存
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ことばのいとなみをどこへ向けよう。

どのようなことばを残していきたいのだろう。

はじまりとは、およそ意識することにある。

たとえば太陽。


ひたいに汗がつたい

かるく拭うと

ひとえ、ふたえと

光のつぶてが四散する。


(忘れたとはいわせない。)


継ぎ目なく時が揺蕩たゆたい まるで

鼻歌でも唄いそうな日々がつらなる。

足どりもつられて

はずむ。


(そういうことにして

 また直ぐに忘れようとする。)


まどろみのなかでは

およそすべてがはじまることを控える。

のこされたのはことばだけだった。


(ふとかんがえるのだ。

 「忘れてください」

 「覚えていてください」

 どちらが重いのだろうと。)


あくる日は雨という雨をかきあつめて

部屋の中から眺めている。

濡れることが厭だから。

あつめたくせに。


(はきだめのなかでは

 はきだめにすら値をつけられずにいる。

 みなすばかりで

 そうやってまた値踏みをしている。)


(きっと 化石なんだろ ことば なんてさ。)


よびかけることがむずかしくなったものたちに

いまや気安く声をかけることはあたわないけれど

やっぱりさびしいよ


(冗長さとは

 喪われた過去への言及である けれど

 冗長さは

 いけとしいけるものの在りようだと信じたい。


 きょうはふたたび生まれ、

 明日も生まれるだろう。


 きっと。)


ことばのいとなみをどこへ向けよう。

どのようなことばを残していきたいのだろう。


(喪われていく物語がある

 拾われていく物語がある

 歩いてゆくと

 まだ物語にない物語がある

 「おいで」

 「いこうよ」

 つらなる物語をさがしに

 でかけよう)


縫い合わせていく

ことばで

こころで

ふたたび

街を


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