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レトロネイザル
三万年以上前から、
太陽と月は結婚していた。
ラヴ・レターは早くとも五千年前からだから、
愛はともかく営みはあった。
むかしエルラシアが孵るころから、
ぼくたちは発電家だった。
そしてもっとよく月を見ていた。
あいのことばを伝えるために。
「いま」はといえば月も眺めずに、
テレビばかり眺めるようになった。
ときには「恋愛」をそして「人間」を。
ぼくらにとっての「いま」は、
テレビのなかで興ることで、
ぼくらにとって「いま」の愛は、
テレビのなかにあるものである。
むかしエレクトスが見上げた空には、
太陽と月とはぴったり等しく重なっていた。
そして文字はなくとも香りがあった。
あいをもっと知るために、
そしてあいを伝えるために。




