表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第九層エリア 【さらなる世界へと】
647/856

持たざる者

持たざる者(何がとは言わない)

「いい加減にしろちゅーてんねん!」


 私は今怒っていた。

 珠洲がポテチをむさぼりながらゲームをしていた。部屋もごっちゃに散らかっていて、毎回毎回私二掃除させやがって……!

 掃除するたびに怒りを覚えてるの知らないのか?


「毎度毎度いい加減にしろ! 私が掃除するからって汚していいわけじゃないんだぞ! 何このありさま。なんで一週間前に掃除したときより汚くなってんの! ポテチの食べかす! 袋! ゴミ屋敷か!」

「い、いや、片付けよう片付けようと思っててもつい後回しに……」

「うるさいわ! いいわけなんざいらない! 百歩譲って片付けてないのはいいとしても、勉強はどうした! 勉強に忙しくて片付ける暇がなかったのなら許してたわ!」

「あ、べ、勉強の……」

「遅いゆうてんねん!」


 今日という今日は絶対に許さない。

 いや、本当に怒ったぞ。なんで毎回毎回自分で片付けようとはしないんだ。私は珠洲の家政婦じゃないんだぞ。

 

「もう本当にゲーム禁止にされても知らないからね。せっかく見てあげてたのにそこまでやる気ないならもういいよ……。帰るわ」


 私は珠洲の家を後にした。

 珠洲に勉強を教えるという約束もなくなってしまった。暇になったなぁ。そう思って家に帰ると誰かお客さんがいたのだった。

 金髪に髪を染めている……。え、なに。不良? 怖いんですけど……。


「あら、美咲。お帰り」

「た、ただいま……」


 金髪の不良っぽい子と茶髪の女性。

 え、誰。


「……誰?」

「あ、私はいぬい 明子あきこといいます。娘の陽菜ひなです」

「……うす」


 と、金髪の不良さんが会釈してきたので返す。


「あ、美咲、陽菜ちゃんお風呂行きたいらしいから銭湯に案内してあげなさい」

「わかった」


 どういう関係性なんだろう。

 そういった疑問は残るけど近くにある銭湯に案内することにした。目つきも悪い不良の彼女は黙って私の後ろをついてくる。

 ちょっと怖い。


 そして、銭湯について、おばちゃんに金を払って中に入っていく。

 上を脱いだ。


「……」


 隣の陽菜ちゃんも脱いだ。

 おっぱいがでかい。私が見ていることに気が付いたのか、「ふふん」と鼻で笑ってきた。バカにしてんのか? 喧嘩売ってんなら良い値で買ってやろうか?

 すると、恥ずかしいのか自分の胸を手で隠した。


「そ、その……ごめんなさい。怖いです」


 どうやら殺気が漏れていたらしい。

 しょうがないね、巨乳は敵だから。


「そ、その……美咲、さん。目が……」

「なに?」

「獲物を狩るって言うか……殺人鬼の目です……。きょ、巨乳に親でも殺されたんですか……?」

「私の精神が殺されている。私は成長しないのに周りだけ成長しやがって……! 呪い? 呪いなの?」


 なんで私の周りには貧乳がいないんだ! お母さんだってあるし珠洲や美鈴にもあるんだぞ!

 それなのに私だけぺたーんだ。舐めてんの?


「そ、そうですか……。わ、私は逆に貧乳になりたいんです……」

「持つ者はそういうけどなぁ! おっぱいは女の特徴なんだよ! 私だって女の子なんだよ! そりゃおっぱいを少しくらいはエロい目で見られたいじゃん!」


 たしかにじろじろ見られるのは嫌だ。けれどね? やっぱり欲しいんだよ。羨ましいんだよ。モデルみたいにナイスバディになりたいんだよ。

 

「きょ、巨乳も大変ですよ? 肩凝るし、太って見えるし……」

「うるさいうるさいうるさい! 持つ者自慢はいい!」

「自慢じゃないんですけど……。そ、その、入りませんか? す、少し注目浴びてますし……」

「はっ」


 つ、ついここが人前だと忘れていた。

 おのれ巨乳め……。恥をかかせやがって……!











完全なるとばっちりである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ