第一次天界大戦勃発 ④
やっと終わりが見えてきた。
モンスターの数も減少している。途中で悪魔軍が来たがベルゼブブが追い払ってくれた。隣にもう一人いたような気がするけど……。
私もノーダメとはいってないからな……。油断してたら攻撃が当たった。
「被害額の計算もしなくては……」
「お腹空いたー! 神様のメモ帳も結構使ったし補充しなくちゃあ……」
「ふぅ。さすがにやられますねぇ……」
天使三人もばてていた。
ルシファーとミカエルはまだ戦っている。あの二人バテしらずなんだろうか。休みなしで闘っているような気がする。
まぁ、一息つく時間ができた分数はそれほどいないな……。
「お疲れ様ですミキさん!」
「ん?」
「あ、いきなり声かけても俺のこと知りませんよね! 俺はハクです! 同じ大罪を仲間にしたもの同士仲良くしましょう!」
……大罪?
「ハクさん大罪仲間にしたの!?」
「はい! マモンさんと契約しました!」
すごい……。大罪を仲間にした人が私以外にも……。
いや、いることは知ってたけどまさか声をかけてくるとはね……。マモンって強欲の。どうやって仲間にするのか見当つかないんだけど。
「はあああ! ゲイボルグよ! 敵を貫け!」
「ほっ」
チリンとクー・フーリンも疲れが見えている。いや、クー・フーリンはまだいけそうだ。
平然とした顔で闘っている。敵を貫き槍で薙ぎ払う。強いな……
「すごいですね。あの緑髪のお姉さん」
「んーまあ英雄だからね」
「英雄?」
「知らない? クー・フーリン」
「ああ! 友達がクー・フーリン買い損ねたって言ってました!」
友達競売に参加していたのか。
なんか悪いことしたかも。
「なんか捧げるべき相手が買ったっていって他の英雄探そうって一緒に今探してます!」
「へぇ。なんか心当たりある英雄とかいるのかい?」
「はい! 実はうちのギルド情報ギルドで情報を集めてるんです! ま、これ以上聞くと有料になりますが聞きますか?」
きっちり金とるのね。
うーん。まあ気になるし聞こうか。
「何万?」
「重大ですけど不確かなので……。ざっと一万で」
「おっけ」
不確定なのはさすがに安いのか。英雄の価値は高いと思うけど。
「んじゃ、聞かせて」
私はお金を払って続きを促した。
「えっと、俺たちが掴んでるのは戦略家ハンニバルと不死身の英雄ジークフリートの話ですね。ハンニバルはどこかの牢屋でまだ生きているとか、ジークフリートは世界を旅しているだとか。そんな話です。確証はありません」
ふうん。
牢屋って聞くとあそこしか思い浮かばないけど絶対そこじゃない。そんな安直な答えじゃない。それに、あそこには生きている人間はいないと邪神ちゃんが言っていたような気がする。もしそこだとしても私は行きたくない。
ジークフリートも旅しているのならエンカウントはむずいかなー。
「よければ私どもから依頼で英雄一人見つけたら私に譲ってくださいませんか。戦力が不十分なので手に入れたいのです」
「まぁ、いいよ」
話しているときだった。
頭の中にアナウンスが流れる。
《モンスターの殲滅が終わりました。被害は多少。神から褒美が与えられます》
おっ。
すると、ボロボロになって連れられた邪神ちゃんと平然とした顔のアルテナ様がやってきた。
「よくやりました……。褒美と言っては何ですが全員に進化の権利を与えるとしましょう」
進化!?
【悲報】 勇者、進化する。
触れてませんが王たちも戦ってました。