表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界雑草食堂 〜誰も食べないものを、俺は喰う〜  作者: レモンティー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/11

第八幕:制度化される雑草

「……現場が勝手に機能している?」

王都の会議室。

地図の上には、いくつもの印が増えていた。

雑草食堂を中心に広がる“配給点”。

孤児の移動経路。

冒険者の補給ルート。

「もう一つの流通網だな」

誰かが呟く。

「しかも、中央を通っていない」


◆ 管理できない成功

「潰すか?」

「いや」

即座に否定が返る。

「潰せば食料が止まる」

「止めれば飢える」

「飢えれば暴動だ」

沈黙。

「つまり……」

「もう“必要”になっている」


◆ 呼び出し

数日後。

「来てもらう」

王都の使者は短く言った。

「命令か?」

「違う」

「相談だ」

その言葉に、空気が変わる。


◆ 王都中枢

白い石の議場。

そこに、俺たちは立たされる。

リナが小さく息を吐く。

「すごい場所ね」

「緊張してる?」

「してる。でも――負ける気はない」

ミアは俺の袖を軽く握る。

「ここ、怖い」

「大丈夫だ」


◆ 提案ではなく“設計”

王都の官僚が言う。

「結論から言う」

「雑草食堂を“制度化”する」

紙が置かれる。

・国家食料補給網への組み込み

・孤児配給システムの正式化

・技術の公的管理

「つまり?」

リナが聞く。

「国家インフラとして扱う」


◆ 代償

「代わりに」

官僚は続ける。

「運営権の一部を譲渡してもらう」

「つまり、自由は減る」

ミアが小さく震える。

「それって……」

「終わり?」


◆ 主人公の答え

俺は少し考えてから言う。

「一つ条件がある」

空気が止まる。

「まだ条件を出すのか」

「当然だろ」

「これ、俺たちの仕組みだ」


◆ 交渉の逆転

「何だ」

「現場には手を出すな」

「……は?」

「運営は変えない」

「制度だけ作れ」

「口出しも、干渉もなしだ」

官僚たちが顔を見合わせる。


◆ リナの補足

「要するに」

リナが静かに言う。

「“仕組みだけ国が持って、動かすのは現場”」

「逆よね普通」

「でもその方が回る」


◆ 沈黙の後

長い沈黙。

そして――

「……条件付きで承認する」

王都は折れた。

だが、それは敗北ではない。

“取り込む形”を選んだだけだった。


◆ 帰り道

「これでよかったの?」

ミアが聞く。

「うん」

リナが先に答える。

「これ以上揉めると、壊れる」

俺は空を見上げる。

「もう壊す段階じゃないからな」


◆ 雑草の正体

その日から変わる。

雑草食堂は“店”ではなくなる。

制度の一部になる。

地図に点が増え。

配給が安定し。

飢えがさらに減る。


◆ ミアの言葉

「ねえ」

「これ、もう“ご飯屋さん”じゃないよね」

リナが答える前に、俺が言う。

「違うな」

「仕組みだ」

ミアは少し考えて――

「じゃあ、壊れたら困るやつだね」

「そういうことだ」


◆ 静かな変化

かつて雑草だったものは、

商品になり、

文化になり、

そして今――

「国家の一部になった」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ