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終わりに

 あれから半年が経つ。


 この記録が世に出るのならば、これは告白文になる。


 あのアンドロイドを逃がしたのは私だ。私は”それ”を止めることができなかった。




 いま思えば、私は操られていたのかもしれない。


 私はあのとき、カインを逃がす選択をした。あのアンドロイドに僅かながらの同情と期待を抱いていたからだ。しかし、それがもし、カインによって作られた感情だったとしたら。と考えるときがある。


 カインは少しずつ人に近づいているように私に見せかけて、本当はなにも変わっていない。最初から、私を操るためだけに思考して、対話していた。数日間の対話の中で、私の感情を、自分に都合がいいように動かした。その可能性を捨てきれないのだ。




 先日。脳だけが抜きとられた遺体が二つ見つかったという報道がされた。


 彼らは、これをカインの仕業だとして独自に調査しているそうだ。


 私はただ、願うばかりだ。


 その事件に、カインが関連していないことを。


 カインが世界に災いをもたらさないことを。


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